好きなことで生きていくには、”好き”だけじゃいけないのかも。株式会社ラブグラフ 村田あつみさんインタビュー

人を楽しませたい、幸せにしたい。

カップルフォト撮影サービスLovegraphとはどのようなサービスなのでしょうか?

Lovegraphとはlove(愛)とphotograph(写真)を合わせたもので、カップルや家族、友達の記念日などをプロのカメラマンによって写真という形に残す出張フォト撮影サービスLovegraph(ラブグラフ)を運営しています。大切な人と長く一緒にいると当たり前になってしまう、好きな人が隣にいるという幸せや、ありがたさを、写真に残すことで再確認してほしいと考えています。

なるほど。Lovegraphは、どういった背景から生まれたものなのですか?

もともと私は学生時代にとある会社でデザイナーとしてインターンをしていて、カメラマンをしていた現代表の駒下とそこで出会ったのが始まりでした。当時駒下はミスコンなどのモデルの写真やスナップサイトの写真などを撮っていました。このカメラ技術を使って、もっと人に喜んでもらえないかと考えたところ、「周りのカップルや家族を撮ったら喜んでもらえるんじゃないか」と思い撮り始め、私がそれらを載せるWebサイトを作りました。それがLovegraphへと発展していきました。

なかなか人に写真を撮ってもらうことなんてないですもんね。

そうなんです。3年前の当時、カップルで撮るとしたらプリクラくらいしかなくて、プロのカメラマンに撮ってもらうことで「私って彼氏の前でこんなに笑顔なんだ。私たちって意外とお似合いだね」とカップルに気付いてもらいたかったんです。そのような思いの元Lovegraphを立ち上げました。はじめは関西で、趣味からのスタートだったのですが、今では全国に展開するまでになりました。その当時は、私が大学3年生で、駒下が大学2年生でしたね。

意識が高い大学生への憧れ

村田さんの大学生時代についてお聞かせください

大学一年生の頃はいわゆる普通の文系の大学生という感じでした。意識の高い人に憧れていて、何かやりたいけれど、「私は浪人して一年遅れているから・・」と中々踏み出せずにいました。昔からパソコンやインターネットが好きで中学生からバスケ部に所属をし、部活動から帰ったらパソコンとにらめっこをするという生活を送っていました。

そんな感じだったので、人と話すのはあまり好きじゃなくて、人と話すのが避けられない営業職などは絶対嫌だと思っていました。しかし、このまま普通に私立の文系として卒業すれば人とのコミュニケーションがメインの仕事に就くことになってしまいそうだと思い、大学1年生の終わりごろからWebデザイナーのインターンを始めました。

将来的に自分の好きなPCを使った仕事が出来たら良いなあと思ってアンテナを張っていたら、Twitterで、初心者歓迎・WEBデザイナー募集というツイートを意識高い系の人がしていたのを見て、「あ、これ私のことだ。」と思って、応募して、ちょうど、「意識高い人はMacとPhotoshopをみんな持っているらしい」ということでとりあえず買ったところだったので、デザイナーとして働きましょうという形になりました。

周りの大学生はアルバイトをしている中で、それほど早期からインターンを始めたきっかけはなんだったのですか?

インターンを始めた一番の理由は早く働いてみたかったからです。高校が自由な校風で髪を染めたり、アルバイトをしたりなど、なんでも出来たんです。部活もダンスをやっていて、大学のサークルみたいな過ごし方をしていました。ですので、高校の段階で大学生みたいな生活をしていたので、大学1年生の頃にはその生活に飽きてしまったんです。普通の大学生ですと大学3年生くらいでサークルとか今の生活に飽きてインターンを始める人が多いと思うのですが、私の場合それが人より早かったのです。それで何か新しいことをしてみたいと思ったとき、たまたまTwitterで見つけたデザイナーのインターンに応募しました。

(ダンス部だった高校時代)

そうだったんですね。さきほどお話に大学在学中にサービスを作ったとありましたが、もとから起業したいと考えていたのですか?

はじめは全く起業するつもりはなく、普通に就活をして、就職先のリクルートホールディングスを含むIT企業に内定しました。

ただ、デザイナーのお仕事で就活サイトの製作に関わってみてそもそも、就活の仕組みがおかしいと思うようになりました。一度そう思い出すと、私がデザインしたこのサイトを使って、一体誰かが幸せになるのだろうかと考えるようになり、サイトのデザインの仕事にも嫌気が指していました。このまま自分の共感できないサービスに従事する働き方は幸せじゃないなと思って、自分はどんなものに興味があるのかもう一度考えていたんです。

就活、食、ゲーム、結婚、恋愛…などいろんな領域の仕事がある中で、私は「誰かが誰かを思う」気持ちに携わる仕事がしたいと思い、リクルートホールディングスも退職してLovegraphに専念することに決めました。

仕事は遊び 「好きかつ役に立つ」の象限の部分を仕事に

村田さんの仕事に対する考え方を教えてください。

私にとって仕事とは遊び、というか好きなことそのものです。仕事は、マトリクスで書くと、縦軸が好きか嫌いか、横軸が社会で役に立つか立たないか、という二つの尺度で分類できると思っていて、「好きかつ役に立つ」の象限の部分を仕事にできるのが理想だと思います。
逆にいくら好きでも役に立たない、稼げない仕事ならそれは夢のままで終わってしまうし、稼げても嫌いだとその仕事をするのはつらくなっていくと思います。だから好きであり社会に役立てる仕事をすべきだと思います。実際、私はそういう働き方ができているので楽しく働けています。

https://twitter.com/murata_atsumi/status/843052518154227713

なるほど。でもそういう仕事を見つけるって中々難しいですよね?

難しいですね。でもそれに気づけているかどうかだけでもかなり大切だと思います。社会の役に立つような仕事を見つけることは大切ですが、やはり難しいです。でも例えば、仕事を好きに寄せるっていう努力は誰にでもできることだと思います。

この記事を読んでいる大学生へアドバイスを頂けますか?

月並みですが、色々なことに早くから挑戦してみることです。好きかつ稼げる仕事を見つけるのは難しいことです。全力で夢を追いかけても全然ダメだったということもあると思います。
例えば私は、元々モーニング娘。になりたかったし、ダンサーになってみたいと思った時もあります(笑)でも実際ダンスをやってみて、私には才能がないと気づかされました。私は中々諦め切れないタイプなのですが、何故諦めることができたのかというと、実際に挑戦したからです。やっぱり挑戦したからこそ諦めもつくし、新しい道を見つけることができます。色々なことに挑戦して、なるべく早く自分の向き不向きを知ることが大切だと思います。早く知れたら、その分スタートも早くなるので、ぜひ恐れず挑戦をしてもらいたいです。

新サービス「Lovegraph friends

これまでのLovegraphのサービスは、カップルや家族を対象に、記念日の思い出という形にするのが難しいものを写真という形にするというコンセプトのものでした。ですが、この3月から新しくLovegraph friendsという友達向けの新サービスを始めました。今までのサービスだと、「恋人がいない私は利用できないの。」という意見がありまして・・(笑)ですが、新サービスでは恋人のいない方でも友達と利用できます。友達同士で利用できるので、例えば卒業式や友達の誕生日のような場面でぜひご活用ください。