長期的なビジョンがなくてもいい。目の前にあることに全力を尽くす生き方。|甲南大学 4年 森 美月

本日はベトナムに約10ヶ月間滞在し、インターン生として事業の立ち上げを行なっていた森さんの”生き方”をお届けします。
全てが初めてで「まるで真っ暗なトンネルを進んでいるようでした」と話した当時の状況とは。また、どのようにしてその”真っ暗なトンネル”を抜け出したのか、お話を伺いました。支社立ち上げというかなりハードにも思える海外インターンに挑んだ森さんの生き方に迫ります。

インタビュイープロフィール
森 美月(もり みづき)
甲南大学 文学部 4年
GLナビゲーション株式会社 インターンシップ

単身ベトナムに飛び込んだ!

写真右側から2人目が森さん。現地のメンバーと。

私に与えられたポストは、人材紹介系の会社のベトナム事業立ち上げ業務責任者でした。日本にある本社で、日本に留学中の外国人向けのアルバイト紹介・就職支援を行っていたので、日本語が話せるベトナム人の独自のネットワークを保有していました。そこで、ベトナムに渡航後すぐは、ベトナム人の独自のネットワークを持っています、ということを強みにし、ベトナム現地にある、大手人材紹介会社向けのデータ販売を考えました。
しかし、現地で実際に数ヶ月動いて調査して、紆余曲折を経て、最終的には、『日本語検定2級以上取得で給料500ドル以上のマネージャー層の紹介』を主に現地の日系企業に提供する、という事業を行ないました。

とにかくいろんな所に顔を出しまくった3ヶ月。

ベトナムに到着してからは、とにかく名刺交換の場に沢山顔を出しました。最初は商材がないから営業ができないという状況でしたが、どのような人がベトナムにいるのか、どのようなビジネスを行っていったらよいのか、情報交換の一環で、名刺を配りました。日本人が集まるコミュニティーがいくつかあったので、日々の仕事をやりつつ現地の日本人懇親会や定期的に開かれる交流会などに参加しました。

やめようかと悩んだ。でも、任されているという責任感があった。

ベトナムでの風景。圧倒的なバイク社会。

交流会やセミナーで出会った人に、私が行っているインターンシップに関して、ネガティブな意見を言われることがありました。確かに、1人でベトナムに来て、同僚もいなければ上司も常駐していない状況。自分で選んだ選択肢ですし、ネガティブな意見は気にしないようにしていたのですが、数名に同じことを言われたので、自分の選択肢は間違っていたのではないかと、迷う瞬間もありました。ただ、それでも辞めなかったモチベーションは、責任感があるからでした。売上がたっていない時も、給料は発生していましたし、一年間の予算も組んで下さっていて、渡航前にKPI表等も見せてもらっていましたからね。

「売上もたっていないのに辞めることはできない。はやく自分の給料分だけでも取り返さなければ。」と。

もうひとつは、変なプライドですね。日本現地には、本社の社員さんもいらっしゃいますし、なにもせずに、売上も立てずに帰国して合わせる顔がない、という変なプライドが一番モチベーションになっていたかもしれません(笑)

意地でも毎日課題と改善策を出し続け、仮説検証を繰り返した。

ベトナム現地にいる時は、東京の社長からある課題が課せられていました。毎日、日報とともに改善策含む仮説を10個出すというものです。改善策として「こういう風にした方がいい」「こうしたから次はこうする」というのを意地でも10個出すんです。とにかく考えて改善できそうなものや新しいアイディアを毎日10個捻り出しました。最初の頃は慣れていないので時間もかかってましたね。「もっとこうした方がいい」と仮説を立てるのですが、次の日に実行に移さないと、次の日の日報が書けなくなります。だからとにかくどんどんその仮説検証を繰り返して仕事を進めて言ったという感じです。
そのおかげで「自分の頭で考える力」と同時に「行動する力」が身に付いたと思っています。きつかったですけどね(笑)。
根気強く、毎日フィードバックを下さっていた社長にすごく感謝しています。そうやって日々、課題改善と仮説検証を繰り返して行く中で、小さい相談事や社長に相談するほどではないけれど、少し疑問を抱くことも出てきます。仕事関係で困った時は社長以外にも、外部の人に相談するようにしていましたね。交流会などで知り合った他の会社でインターンしている学生だったり、現地にいる経営者の方だったりに「私はこう思うのですが、これについてどう思いますか?」「こうしようと思っているのですけど、どうですか?」という風にアドバイスをお願いしていました。

長期的なビジョンがなくてもいい、目の前のことに全力を尽くすという生き方。

「何歳までにこれをしたい」「だからこの会社に入って、今これをすべきだ」というような具体的な将来の計画は、今はありません。お金持ちになりたい、自由に生きたいという漠然としたものはありますが(笑)

その代わり目の前の面白そうなことに一度照準を合わせると「全力ですごい速さでやります」というタイプかな、と思います。そもそも、どうしてそう考えるようになったかと言うと、大学受験の失敗があるなと思っています。
頑張って勉強して、他にやりたいことを全て制御しても、志望大学に合格するという結果を出せなかった。結果を出せなかった自分が悪いのですが、その時は結果を出せず、しかもやりたいこともできていないんです。
すごく先の高い目標をたてて、それを達成するために、すべてを制御する。それより、2,3ヶ月先の目標をひとつずつ、全力で潰していく。そしたら、そこからまた全く新しい選択肢が出てきて、より柔軟に行動できたり、その新しい選択肢から視野がさらに広がったりするのではないかと思うようになりました。そして、そっちの生き方の方が、私には向いているのではないかと。

実際そのように考えはじめてから、行動量はすごく増えたと思いますし、決断スピードもあがったと思っています。
高い目標を決めて、それを達成することは重要なことだとわかっています。しかし、高い目標を決めてそれを達成するために毎日山登りする、という生き方よりも、急流下りみたいに、必至に漕いで漕いで、いつかふと、振り返った時「ああ、私の人生はこういう風になっていたんだ。無事にゴールできました。」と、なればいいなと思っています。


森さんがインターンをしていたGLナビゲーション株式会社についてはこちらの企業ウェブサイトをご覧ください。