就活で知っておきたい!コロナ禍の音楽業界の動向を解説

就活生の中には「音楽業界に就職したい!でもコロナ禍では就職できるんだろうか。」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

感染拡大防止のためライブなどの音楽活動は自粛対象となっており、業界全体が大きな影響を受けています。

そこで今回はコロナ禍の音楽業界の動向をまじえながら、就活する際に知っておきたいことを解説します。

音楽業界に興味がある学生の方はぜひ参考にしてくださいね。

音楽業界全体は縮小傾向にある

まず、コロナ禍の音楽業界の動向について見てみましょう。

音楽業界は総じて縮小傾向にあり、その背景としては「音楽は娯楽であり自粛するべき」という風潮があります。

ライブを始めとした音楽の楽しみ方は、ウイルス感染の源となり得るので規模に関わらずすべて中止となっています。

大物アーティストが行う個人ライブやロッキンジャパンなどの大型ライブも軒並み中止となっており、これまで収益となっていたものがなくなったことにより、音楽業界にいる人自身の働き方にも影響が出ているのです。

コロナ禍で減給された人は約3割

Musicmanの調査によると、音楽業界に在籍していてコロナ禍で減給された人の割合は全体のおよそ3割となっています。

減給された金額の割合として最も多いのは50%で、次に多い割合は100%です。

つまり減給された人のうち一部は給料が半分、もしくは0円になっているということです。

音楽業界といってもミュージシャン、イベントスタッフ、ディレクター、プロデューサーなど様々な職種があるので、一概に給料が下がるとは言い切れません。

ただ、音楽業界を目指すのならこのような可能性もあるということを知っておいたほうがいいでしょう。

参考:新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大による音楽業界への影響に関する調査結果

Musicman

音楽配信はオンラインに移行している

とはいえ、音楽は人を動かす作品の一つであり、まったく人気がないわけではなく需要があるのも事実です。

従来ライブなど、音楽は対面で迫力を楽しむのが主流でしたが、コロナ禍では配信方法がオンラインへ移りつつあります。

アーティストは配信の場をSNSやビデオオンデマンドに移し、リアルタイムのライブ配信が可能になりました。

「画面上のライブ配信は実際のライブとは違って物足りない」と思う人もいるかもしれませんが、オンライン配信ならではのよさもあります。

コロナ禍の音楽の楽しみ方についていくつか例を見てみましょう。

サカナクションのSNS配信

たとえば、ロックバンドのサカナクションのボーカルである山口一郎氏は、Instagramを使って積極的なリアルタイム配信を行っています。

Instagramはチャット機能があり、ファンとの密なやり取りが可能であることは従来のライブにはなかった魅力の一つです。

ファンにとってこれは大きな喜びでもあり、自粛が呼びかけられ音楽を楽しみにくい中で、ライブ配信を心待ちにしている人はたくさんいます。

BTSのオンラインライブ

世界中で人気を博している韓国のグループBTSは、コロナにより音楽を楽しめない中でオンラインライブを実施しました。

オンラインで配信することにより、4Kなど超高画質の最新のデジタル技術などを組み合わせて臨場感のある演出を可能にしました。

これは今までにない「オンラインライブ」の形であり、世界107か国で配信されたそうです。

さらに一夜にして19億円以上の売上を出したと言われています。

増え続けるオンラインイベントの数

アメリカのニューヨークに拠点を置くイベントのプラットフォームを提供するPeatixは、コロナ禍でも楽しめるオンラインイベントの開催に力を入れています。

コロナ禍で対面のライブが中止になる中、オンラインイベントの数はどんどん増えており、2021年冒頭の最初の数か月は70万人以上の人がイベントのチケットを購入したそうです。

イベントの数は1昨年前の同じ時期と比べるとなんと40倍とのこと。

この流れは今後も増えていくことが予想されるため、新たなガイドラインを制定して積極的にイベントのチケット売買などの制度を確立するとのことです。

就活で自己PRする際は「音楽業界」全体を考える必要あり

これらのことを踏まえて、音楽業界に就職する際は「自分がやりたいこと」だけではなく、音楽業界全体のことを見据えて自己PRをする必要があります。

たとえば「音楽を通して人に楽しみを与えたい。そのため、今後オンライン配信が盛り上がることを見越して、今はオンラインライブを提供する際に使えるデジタル技術について勉強している」といったアピールができるといいでしょう。

現在音楽業界は非常に厳しい状況にありますが、コロナ禍だからこそオンラインで楽しめる新たな音楽の形が出てくるはずです。

そうした大きな流れも考えたうえで、今自分に何ができるかを考えなくてはいけません。

音楽業界一つに絞るのはリスクもある

上記のことと並行して、志望業界を音楽業界のみに絞ることはリスクともいえます。

コロナウイルスの感染がおさまり、対面のライブがいつできるようになるかはまだわかりません。

さらに先ほど述べたように、今後減給される人が増えてくる可能性もまだ捨てきれないのが現状です。

そのため、音楽業界だけでなく「自分のやりたいこと」を軸にして他の業界に就職することも検討することをおすすめします。

たとえば「音楽が好き」という動機なら、音楽業界だけでなくマスメディアや動画制作といった分野も視野に入れられます。

今の時代はどの業界がウイルスの影響を受けるかわからないので、なるべく広い視野を持って志望業界を決めましょう。

まとめ

音楽業界の動向や就活するにあたって知っておきたいことを解説しました。

音楽業界はウイルスの影響を受けて形が変わりつつありますが、それでも人の心を感動させる音楽の力は褪せません。

現在はオンライン配信という形が主流になりつつあるので、そうした業界全体の流れも考えながら、自己PRを作ってみてください。

また音楽業界だけではなく、他の業界も視野に入れながら、リスク分散する就活のスタイルをおすすめします。