就活浪人経験者が語る 「ESの書き方の極意」

みなさん、就職浪人経験者が語るシリーズ記事もついに第3弾になりました。今回は多くの人が必ず1回は取り組むであろう「ESの書き方」とそれにまつわる自己エピソードの作り方、伝え方について伝授します。完成したエピソードはエントリーシートだけではなく面接の際にも非常に有効的に活用できることでしょう!

①エピソードの出し方

自己PRやエントリーシート、面接での質疑応答などで、自分のエピソードが無くて悩む人は多いのではないでしょうか?実は私もエピソードが少なくて困っていた学生の1人でした。就職浪人を経た2年目の就職活動時には、エピソードの少なさに困ることなく自己PRなどの作成を行なっていました。そんな私が取り組んでいた「簡単にエピソードを書き出す方法」をお伝えします。

手順1:小学生~大学生までのエピソードを書き出す

まずは大まかにエピソードを書き出します。

例)部活 勉強 バイト

 

 

手順2:手順1で出たエピソードを中心に深堀する

掘り下げたいエピソードを中心に置き、そのまわりには中心のキーワードに関連するキーワードを書き出す。

例)部活だとすると、

春季大会、冬の練習、筋トレ、練習試合・・・

 

手順3:手順2で出たエピソードを詳細に深堀する

2回目の深堀では、エピソードになりそうな内容を考えながら書き出す

例)練習試合だとすると、

強豪チームとの試合で諦めなかった、協調性の大事さを痛感した試合など

このような方法で、一つずつのエピソードを中心に置いて深掘することで、あなただけのオリジナルエピソードを書き出し、整理することができます。

この時に注意することは、面より点を意識することです。詳しくは後述してありますが、例えば「サッカーを頑張った3年間」よりは、「力を発揮したある試合の後半戦」というエピソードを意識するということです。

 

②エピソードの伝え方:PREP法+αの文章構成

前述の方法で、いくつかのエピソードが揃ったと思います。しかしこのままでは単なるエピソードのままです。就職活動においては、これらのエピソードを質問や選考方法に応じて、適切な方法で採用担当者に伝えなくてはなりません。

ここからは、「効果的な伝え方」について伝授していきます。私は、1年目の就職活動では全く手応えを感じなかった選考でしたが、2年目では伝え方を意識したことによって選考を有利に進められました。

それが、まさに「PREP法+αの文章構成」です。

少し就職活動とは異なってしまいますが、実際に私が今の企業に入社後に書いた部署移動希望に関する自己PRと志望動機のESを例に、PREP法と+αの文章構成について説明していきたいと思います。

質問:自己PRを書いてください。

回答例:

Point>:自己PRしたい内容

私が過去の経験からお伝えしたいことは、私は成果のために努力を厭わず積極的な行動をする人間であるということです。

Reason>:過去の経験を伝える

学生時代のアルバイトで営業代行の会社に5ヶ月間勤めていました。主な業務内容はテレアポ代行業務、架電先のリスト分析、8人チームのリーダ―としてチームの数値管理等を行いました。

Example自己PRのエピソード

私のチームは⚪︎⚪︎株式会社の採用媒体のテレアポを担当していました。 成果を出す方法を見出すために、私は担当クライアントのオフィスで直接一緒に働かせていただき、そこで得たノウハウを独自に分析し、チームのメンバーに共有しました。ノウハウを見出し取り組んだ結果、クライアントの会社の営業マンの実績を上回るほどの利益貢献ができ、追加受注を頂くことができました。

Point>:もう一度結論を伝える

以上のことから私は成功や成果にこだわり努力を厭わず積極的な行動をする人間であると言えます。

<+α>:メリットを伝える

私の経験や成功へのこだわりは⚪︎⚪︎本部にも貢献できると考えております。

 

質問:希望部署を書いてください。

回答例:

Point>:希望部署を伝える

私は⚪︎⚪︎部署を志望します。

Reason>:一つ目の志望理由

理由は二つあります。一つ目の理由としては、私は成果を出すことにこだわりがあり、その気持ちを持って営業部でもチャレンジしたいと考えているためです。

Example>:過去の実績

私は⚪︎⚪︎本部でコールセンターのオペレーター業務を担当しました。その中でお客さまからプラン解約の相談電話に対し、継続提案を行う業務において解約阻止率80%(20件/日)を達成し西日本のコールセンターの中でトップの成果を出すことが出来ました。

Reason>:二つ目の志望理由

二つ目の理由は、学生時代に経験をして魅力に感じた法人営業を生涯続けたいと考えているためです。

Example>:過去の経験を伝える

学生時代のアルバイトでは⚪︎⚪︎株式会社のテレアポを担当し、自分の提案によって法人のお客さまに価値を提供し関係を深めていくことに喜びを感じました。

Point>:もう一度行きたい理由を伝える

そのため、幅広い商材を取扱い新規、既存のお客さまを担当することができる法人営業を志望致します。

<+α>:部署への想いを伝える

自社のサービスについて、一社でも多くの法人のお客様に価値を感じて頂きたいと思っています。

 

 

ここまで私が実践してきた文章構成をお伝えしましたが、実はこれは一例であって、文章の書き方や表現方法に正解はありません。しかし読み手が読みやすい文を書くことを意識することが重要です。私がESを書いていた時に意識をしていたことは、「ESは広告と同じ」ということです。

私たちの身の回りには広告がありふれていますが、つまらない広告は目に留めない一方で、分かりやすい広告、面白い広告は印象に残り、商品購入を検討することがしばしばありますよね。これをESに置き換えて考えてみると、採用担当者は毎年何百、何千という数のESを見なければならないので、平凡なESや分かりづらいESはそのまま飛ばしてしまうのです。逆に面白い、分かりやすいと思ってもらえれば、それは採用担当者の中で好印象として残っているはずです。「人に選んでもらう」という観点から就活生を商品やサービスとした時には、ESと広告は同じだと考えていました。

ありきたりで採用担当者の目に留まらないESとは

長々と、エピソードの出し方と伝え方について触れてきましたが、最後に就活生が失敗しがちな「平凡すぎるES」を紹介します。

面でエピソードを作ってしまっている

みなさんのエピソードには、当然部活動やアルバイト、サークルのような長期にわたって取り組んできたものがほとんどでしょう。多くの就活生は、この長期間にわたるざっくりとした経験をエピソードとして磨き上げています。しかし、このような【面】の部分でエピソードを作ってしまうと、他の学生との差別化が難しく、ありきたりの平凡で面白みがないエピソードやESになってしまいます。

その際、注意するべきことは、面より点で伝えるということです。

面であるざっくりとした経験(面)よりも、その中で自分の強みを表す一瞬の出来事(点)を書くことでオリジナリティの溢れるエピソードを伝えることができます。

平凡な例と改善パターン

面のエピソード:私はサッカーのサークルに所属しています。試合での勝利のために、筋トレや自主練習メニューなどを独自に考案し取り組みました。その結果、補欠だった私はレギュラーに選ばれることが出来ました。

点のエピソード:私はサッカーのサークルに所属しています。ある試合で相手チームと大きく点差をつけられてしまった時に、チーム全員が諦めていましたが、私は試合の負の流れを断ち切るために捨て身のスライディングをし、チームメンバーを鼓舞しました。

この二つのエピソードでは、改善後のエピソードの方が、その人の性格や熱量が伝わってくると思いませんか?面のエピソードも確かに優れていると思いますが、筋トレや自主練習は「他の人もやっている」ことに過ぎません。エピソードで重要なことは、あなたのオリジナリティです。ありきたりなエピソードは他の学生との差別化がされず、判断材料にしてもらいにくいのです。

まとめ

 

アイデアの出し方:シンプルに、かつ沢山のエピソードを書きだして、深堀をする

エピソードの伝え方:文の書き方はPREP法+α、エピソードは面より点で伝える

 

いかがでしたでしょうか。就職活動では、エントリーシートが非常に重要になってきます。更にESで記入したエピソードはエントリーシートだけではなく面接の際にも非常に有効的に活用出来ます。今回ご紹介させていただいたアイディアの出し方、エピソードの伝え方が参考にES対策をしていただければと思います。