就活解禁!大学生の聞きたくても聞けないこと
就活解禁の時期になりました。新卒一括採用が主流の日本にとって、大学生の就活は非常に重要な意味を成します。就職先はもちろん大切です。
しかしもっと重要なことはその会社で実際に働くことです。つまり「環境」を整えるための福利厚生制度等が整っているかということです。これらを大学生は知りたいと思いながらも就活中の身であるため社会人に対して質問をする時に「そんなこと聞くなよ!と思われるのでは?」等と思ってしまうでしょう。今回はそんな就活のジレンマと戦う大学生に、福利厚生の良し悪しを見分ける判断ポイントをお伝えします。
そもそも福利厚生制度って何?
そもそも福利厚生とはどういうものなのかを整理しましょう。よく言われるのが「福利厚生とは会社が社員に対して支払う給与以外の報酬」です。まさにその通りですが、その中でも2つの福利厚生が存在します。
1つ目が「法定内福利厚生」です。企業に入ると強制的に加入するような補償制度である社会保険料等を指します。保険全般はこれらにあたり、大学生でも聞いたことがある雇用保険や健康保険、介護保険等が含まれます。
そして2つ目が「法定外福利厚生」です。これは法定では決められていないもので、企業が独自で行う制度です。住宅手当や家賃補助、社宅や交通費、家族手当、健康診断、社員食堂等に至るまで非常に幅広く存在し、会社のオリジナリティがあることが分かります。これを考えると大学生が知りたい福利厚生は、後者の「法定外福利厚生」が整備されている会社であると言えます。これで大枠の福利厚生の構成を整理出来たのではないでしょうか。
福利厚生を見る前に最低限チェックしておきたい2つのポイント
しかし福利厚生ばかりを見ていると足元をすくわれてしまいます。福利厚生を知る前に確実にチェックすべき点を2つ挙げます。
1つ目が年金です。年金は制度が不明な場合も多いため、あまり気にしないかもしれません。だからこそ注意が必要です。会社が国民年金への加入を条件にしているような会社は要注意です。優良企業と言われる会社は企業年金や共済年金を用意することがほとんどのため、そこで差を生んでいます。
もう1つが年間休日数です。これが当たり前に与えられていると思っていては騙されてしまいます。有給休暇に目が行きがちになりますが、まずは年間の休日数が国民の休みと同日数であるかを確認しましょう。ごく稀に普通よりも少ない表記があるので注意しましょう。それを踏まえた上で、次に就活において抑えておきたいポイントを紹介します。
就活中に抑えておくべき4つの大切な福利厚生
- 住宅に関する諸手当
家賃補助や住宅手当、社宅の完備がされているかという点です。家計の中でも支払いが一番大きいであろう家賃。特に都内などへの転勤で手当てが出ない場合は、大卒社員の手取り平均を考えると住宅手当は押さえる必要があります。
いざ自分が引っ越しして一人暮らしをするとなった時に初期費用で貧乏にならないよう住宅関係の費用は甘く見ず、非常に大切な制度であることを覚えておきましょう。
- 有給休暇の取得率
「取得率」です。有給はどの会社でもある程度はありますが、大切なことはそれが実際に福利厚生としてしっかりと使われているかという点になります。
就活中の学生にとっては聞きにくい内容かもしれませんが、「ワークライフバランスは仕事で力を発揮するためにこのように重要であると考えています。御社の社員に共通するワークライフバランスに対する考え方等はございますか?」などと質問してみましょう。“なぜ自分にとってそれが大事なのか”という意見を述べた上で質問をすることによって、遠回し且つただ福利厚生を聞きたいだけではない質問になります。勇気を出して堂々と聞いてみましょう。優良企業であればきっと自信をもって答えてくれるでしょう。
- 家族に対する手当
学生からすると遠い話だからといって放っておいてはいけません。家族を持ってからの方がお金はかかります。そこで手当てがあるかないかで月に数万円変化があり、場合によっては年間で100万円程度変わる場合もあります。しっかり将来のことも念頭におき、きっちりと確認をすることをお勧めします。
- 会社のオリジナル福利厚生
これは会社として福利厚生をどう考えているかが顕著に表れます。独自で色々と考えて福利厚生を取り揃えている会社は社員に対してもそれだけお金を使っており、社員を大切にする傾向があります。会社としても自慢出来る福利厚生になるので、チェックして損はない大切な項目と言えるでしょう。
最後に
福利厚生は会社が社員のために準備をする大切な制度です。就活中の学生にとってはこれから何十年と働く会社を真剣に決める上で、把握しておくことを遠慮してはいけない大切な情報であることに間違いありません。
福利厚生に自信を持っている会社はそれだけ社員を大切にしているという自負のある会社でもあります。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言われるように、「聞くは一瞬の後悔。聞かぬは一生の後悔」とならないように入社前に自分自身の就活と真剣に向き合って、自分が輝ける会社に勤められるように今、一生懸命頑張りましょう。