【4月からスタートダッシュを決めたい大学4年生必見】元お笑い芸人の大手企業トップセールスマンに聞く、すぐにマネできる営業の極意

高卒お笑い芸人から大手企業トップセールスマンへ。10年トップに座する営業力の極意とは!?

高校卒業後すぐに吉本興業の門を叩きお笑い芸人を志すも、道半ばで転職…。その後たった2年で業界最大手と言われる大企業のトップセールスマンへと昇り詰め、以後現在まで約10年間トップの座に君臨する異色のビジネスマンの半生と営業の極意をJobby編集部が聞いてきました。
お話の中で、社会人になる前の今からでもマネできるポイントもいくつか知ることができました。社会に出る前にビジネススキルを身に着けたいと思っている方は必見です!

お笑い芸人からトップセールスマンの地位を確立した彼の半生に迫る

今回取材をさせて頂くため伺ったのは東京駅に程近いアパマンショップ八重洲店。この店舗に約3年いらっしゃるのが、株式会社アパマンショップリーシングの金川浩治さん(36歳)です。ここで金川さんは、セールスマンとして店舗を訪れたお客様の賃貸住宅の仲介を日々行っています。
お部屋探しでお馴染みのアパマンショップは不動産仲介の最大手企業。そこで23歳の時に就職した後、約10年もの間トップセールスマンであり続ける金川さん。なんと入社前はお笑い芸人だったという、その異色の経歴を伺いました。

筆者:早速ですが、金川さんは以前お笑い芸人だったと伺ったのですが本当ですか?

金川さん:本当ですよ。高校を卒業してすぐ吉本興業に入って、18歳から22歳まで4年間芸人をやってました。NSC東京(ニュー・スター・クリエイション東京/吉本興業が運営するタレント養成所/ダウンタウンなどを輩出)の9期生で、同期だとあのジョイマンがいましたね。僕は当時コンビを組んでいて突っ込み役で、ルミネtheよしもとでもライブをしていました。結構頑張ってましたよ。

筆者:そんなに有名なところで活動されていらっしゃったのに何故ご転職されたんですか?

金川さん:いや~、僕、実はすごいビビりなんですよ。このまま芸人続けていて人生大丈夫なのかなって思いが出てきたんです。お笑いって正解が無いものなのに正解を探さなくちゃいけない。でも考えすぎると逆に面白くなくなっちゃうんですよね。プラス、上下関係が非常に厳しい縦社会なんで、付き合いがもの凄くあるんです。そういうのに疲れちゃって、限界を感じて22、3歳の時に転職という形で方向転換をしました。正直逃げ出したんです。相方には僕から話を切り出してコンビを解散してもらいました。相方は今でも吉本新喜劇で頑張っていますよ。

筆者:22、3歳と言うと新卒入社とほぼ変わらない年齢ですね。入社後はすぐにトップセールスマンになられたんですか?

金川さん:いやいや、入社して2年くらいは全然上手くいきませんでした。新卒ではなかったので中途採用での入社だったんですが、僕この会社で初めて社会人になったんで「頑張るぞー!」って気持ちがあるだけで一般的なビジネススキルとかは完全にゼロからのスタートでした。新卒入社の方と同じで、上司やお客様から勉強して会社の中で経験を積んだんだと思います。
今でこそ色んな契約とってますけど、実は初めての契約の時、お客様の賃料を間違えて安く伝えてしまったことが原因でその契約が破棄になっちゃったんです。僕、それまで自分はできる奴だと思っていたのでかなりショックで、その失敗を引きずってたら負の連鎖に陥って、辞めようかなと思ったこともありました。

そんな時たまたま隣町の新店舗に異動になりました。その時の店長が現在アパマンショップの人事部長なんですけど、当時から食事に連れて行ってくれたり面倒見の良い人で、そのお陰もあって仕事が好転したように思います。1ヵ月に1回あった表彰式で皆に認められる楽しさを味わったり、ひとつ成功体験を積むとまた次の期待に応えたくなって、今までの不調が嘘みたいに急激に営業成績が伸びました。これといってその時に何かができるようになったという感覚はありませんが、お客様を楽しませることを目的に行動できるようになったのかもしれません。そして25歳になった2007年頃に初めて営業成績が全社でトップになり、それから現在まで約10年営業成績一位をキープしています。今では社長から直々に懇意のお客様の案件を任されることも多く、僕にしかできないという自負と社長の信頼・期待に応えたいというやりがいがあります。
また弊社はイベント好きな会社で社内パーティが度々あるんですが、その度に余興案件も任されるのが恒例です。元プロですから。ネタを作って打ち合わせして、毎回本格的ですよ(笑)

トップセールスを支える営業の3つの極意

始めから仕事ができたわけではないという金川さん。ですが10年以上も大企業のトップセールスマンでい続けるのは並大抵のことではないはずです。金川さんの高い営業成績を支えるものは何なのか、営業の極意をお伺いしたいと思います。

筆者:金川さんの営業成績は他の営業の方とどれ程違うんですか?

金川さん:不動産仲介の営業成績は簡単に言うと契約件数・仲介料などの売り上げの額で決まります。弊社では年間2,000万円程度が営業マン一人当たりの平均的な売上げですが、僕の売上げは大体4,500万円です。年間売上げが4,000万円以上なのは僕を入れて4~5人くらいじゃないでしょうか。

筆者:凄い額ですね…!平均的な売り上げの方と金川さんと異なる点はどこにあるのでしょうか?

金川さん:実のところ、僕より営業力の高い人っていっぱいいると思います。僕は不動産の知識が特別あるわけでもないし、記憶力が特別良いわけでもない。でも他の人より確実に秀でている点があって、それはこれまで培ってきたコネクション、つまり人脈です。大体どこの会社ともお付き合いが深いし、難しい案件を成約に向かわせられる強力なパイプが色んなところにあるのが僕の一番の強みです。このパイプが有るか無いかで僕にできることの質と量が大幅に変わってきます。

筆者:なるほど、コネクションが金川さんの武器なんですね!ですがそれは元々お持ちだったわけではないんですよね?どのようにして得られたのか気になります。

金川さん:どんな業種でも、営業の極意と言うか大切なことって3つあると思うんです。ひとつはコミュニケーション力や業界知識などの「営業技術」。ひとつは先述の「コネクション」。もうひとつはお客様に喜んでもらいたいという「ホスピタリティ精神」です。どれも大切ですが、割合で言うと営業技術が2:コネクションが4:ホスピタリティが4くらいですかね。営業マンとしてお客様に喜んでもらいたいという気持ちが一番大きな要素なのでホスピタリティは欠かせません。

仰る通り元々できていたのではなく入社してからの経験の中で培いました。初めの頃は何も持っていなかったので、上司の袖を引っ張ってでも「何がダメだったんですか!?教えてください!」といつも聞いていました。
営業技術に関しては話すのが上手いとよく言われますが、それも色んなお客様と接していく中でこのタイプの人にはこう接する、みたいに自分データベースを増やしていった結果です。例えば沢山喋られる『明石家さんまさんタイプ』には大げさに同調したり、表情が見えない寡黙な『えびすさんタイプ』には事実情報だけを説明して決定権は必ず相手に委ねるようにしたり。基本的には大きくリアクションを取る、相手を否定しない、地元ネタは話が盛り上がる鉄板ネタなのでよく振りますね。営業の際は不動産とは直接関係の無いお客様自身の話ばかりしています。

何故タイプに合わせた対応を取るのか、何故不動産と関係の無い話をするのか、それはただ単に成約率を上げたくてしているわけではありません。お客様に気持ち良くなってもらいたい、喜んでもらいたいという気持ち=ホスピタリティ精神が何よりの理由です
不動産という商品は品質や値段に差がない分、誰から買うかという信頼関係が非常に重要です。この信頼関係を欠いて、売り上げのことだけを考えていると必ずどこかでお客様に「この物件を買わせようとしているな」と感じさせてしまうんですよ。極端なことを言えば、100万円の売り上げを上げなくちゃいけないけどこのお客様には売り上げ0円でも希望に沿いたいなと思う時があるんです。喜んでもらえればいいや、みたいな時が。でもそういうお客様が新たなコネクションになったり、次の成約への投資になるんです。ホスピタリティ精神が結局は営業技術にもコネクションにも繋がっていくんです。

 

芸人時代の過酷な環境とリッツ・カールトンのホスピタリティ

金川さんがトップセールスマンであり続ける営業の極意は全てホスピタリティ精神から得られたものだったんですね。金川さんの並々ならないホスピタリティ精神は一体どこから生まれているのでしょうか。そのルーツを伺いました。

筆者:金川さんはなぜそんなに人よりお客様に尽くせるのでしょうか?他の人と違う経験―お笑い芸人時代の経験が活きていると感じることはありますか?

金川さん:芸人時代にこのようなビジネス観を持っていたわけではありませんが、あの特殊な環境で経験したことが今役立っていると感じることはいくつかあると思います。『絶対にNoとは言わない習慣』『過酷な生活環境で得た忍耐力』『可愛がってもらえる力』でしょうか。

芸人社会ってとにかく上下関係が厳しいんですよ。先輩にやれと言われたら絶対にやらなくてはいけない業界なんです。例えば先輩についてロケに行った時、サンオイルを買って来るよう言われたんですがどこのお店にも無かったんですよね。でも「ありませんでした」とは絶対に言えないので、代わりにサラダ油を買っていきました。意味わからないでしょ?でもこれが業界では正解なんです。できませんとは絶対に言わない、何が何でも正解を探し出さなければという習慣は今の営業活動でも活きています。
生存競争も生活環境もかなり厳しかったですですね。200人程の末端芸人がいるんですが、毎月そこから2組がお笑い幼稚園って舞台に上がれます。そこで勝ち上がった2組がお笑いビジネスクラス・ファストクラスという20人程いるクラスに上がれます。そのクラスから更に勝ち上がった2組がようやくルミネtheよしもとに末端芸人として上がれるんです。先輩に呼ばれたら深夜でも駆け付けたり、今の会社員生活のように就業時間というものは無いに等しかったです。その時代を考えると何でもできるな、と思えたりしますね。
最後は可愛がってもらえる力。これも縦社会で培いました。僕会社でよく言ってるんですけど、めちゃくちゃ優秀な人間と、能力はそこそこでもめちゃくちゃ可愛がってもらえる人間の2種類がいたとして、その2人を並べた時により強いのは後者の人間だと思うんです。特に不動産業界は上司とのコミュニケーションの中で学んでいく要素が多い業界です。そのため「スキルを教えてもらうスキル」は非常に重要ですが、後者の人間はそれが上手い。

芸人時代の経験は結果活きているという感覚なんですが、ホスピタリティ精神に一番影響しているのはリッツ・カールトンの林田さんの教えです。林田正光さんって元リッツ・カールトンの支配人をされていた方なんですけど、転職をした頃にその林田さんの講演を聞く機会がありました。あの頃は自分磨きに力がかかっていて30万円もする研修を受けてみたりしてたんです。その講演を聞いてホテルのドアマンになりたいと思う程、林田さんの著書は全部読む程、感銘を受けました。そのリッツ・カールトンでも、「Noとは言わない」という教えがあるんです。そこまでやってくれるの!?とお客様が予期せぬところまでやり遂げると感動が生まれます。絶対無理だと思うことでもまずはやってみる、そのホスピタリティ精神を体現していきたい気持ちがあります。例えばリピーターのお客様がご結婚後の新居を探しにいらした時にお祝いの言葉とお花を用意してお迎えするとか、そういうお客様のちょっとした変化にも気づけて、より喜んでもらうための言動がスッと出せるデキる営業マンでいたいですね。

すぐにマネできる!元芸人トップセールスマンの教え

これまで営業の極意やホスピタリティ精神への強い感銘、とにかくやってみる強い行動力など、金川さんをトップセールスマンたらしめる、数々の要素を教えて頂きました。最後に筆者ら大学生が今のうちから取り組めることや経験しておいた方が良いことなど、すぐにでもマネできるアドバイスを頂きました。

筆者:私達のような大学生が社会に出る前に普段の生活の中で取り組めること、また取り組んだ方が良いことがあったら是非教えてください!

金川さん:サークルとかアルバイトとかインターンとか何でも良いと思うんですけど、色んなことにチャレンジして交友関係を広げてみたら良いんじゃないかな。刺激を受けることがあったりやってみたいと思うことにぶつかったら、そこへ一心不乱に情熱を燃やす。僕がリッツ・カールトンの教えに出会ったように、芸人活動や今の仕事に情熱を持って取り組んでいるように。そこに出会うまでフットワーク軽く色んなところに行ってみると良いと思います。色んな人に会う中で営業技術でお話したようなコミュニケーションスキルも磨かれます。
可愛がってもらえる力なんかも磨けると思いますよ。可愛がられるのが上手な人はリアクションが上手、人懐っこい、人の話を聞ける、先輩のマネができる人が多いです。ちょっとしたお土産を渡した時に「わあぁ嬉しい~~~!」って反応してくれた方がそんな喜んでくれた?って嬉しくなるじゃないですか。ちょっと意識するだけで違うと思いますよ。
あと営業力やコミュニケーション力は話の上手い下手ではなくて、相手を気持ち良くしてあげようという気持ちが一番大切だということをお伝えしたいですね。

さいごに

今後も何が何でもトップセールスマンでい続けたいという気持ちも強くある一方、営業研修などの講師としてご自身のようなトップセールスマンを育てる新たなフィールドへのチャレンジも視野に入れていると仰る金川さん。金川さんが店舗から姿を消す日も来るかもしれません…。新居をお探しの際はスマホ検索で済ませる方法も手軽で良いですが、アパマンショップ八重洲店でホスピタリティ溢れる一流のサービスを体験してみるのもいかがでしょうか。

【お部屋探しはこちらから】
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アパマンショップ 八重洲店
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