学生と10年間仕事をしてきたからわかる「伸びる人」の特徴

1.過去10年間の学生にはトレンドがある。

私は、24歳の時に人材会社に転職してから1年間大学3年生、4年生を中心に企業紹介の仕事していました。縁あって、紹介先の企業から「新人が君を慕っているから、入社後の研修もやって欲しい」と仰って頂けた事をきっかけに、大学4年生に対して営業の教育指導に携わらせて頂くようになりました。

その後、教育コンサルタントとして独立し、当社に入社するまでの約10年間は、まさに「大学生と共に仕事をしてきた」と言っても過言ではありません。毎年のように巣立っていくものの、私自身は変わらず大学生と仕事をし続ける特殊な環境に身を置いているからこそ、この10年間の大学生の変化やトレンドが、他の同世代とは違った角度で見ることが出来ました。

「学生はいつだって一緒だ」と思いがちですが、私の角度から写る「大学生」は、やはり社会現象、風評、景気、教育環境によって変わってきたと思います。それは、間違いなく入社後の社会人「1年生」のトレンドとも捉える事も出来ます。

「理解させる前に、まずは自分が相手を理解する」

そういった観点で学生を見てきたからこそ、変化を感じるのかもしれません。

2.ベンチャーブーム経験世代の経営層と、現代学生とのギャップ

今、「学生団体」と呼ばれるものが10年前は「インカレ」と呼ばれていたように、10年前と現代の学生事情は何もかもが異なります。

私が就職活動していた時代は、新潟県中越地震があった年でしたが、今以上に「就職氷河期」と心配され、合同企業説明会などのイベントには会場のキャパを圧倒的に上回る就活生でごった返していた記憶が鮮明にあります。

その中で、最も特徴的だったのが「セレブ」「ベンチャー」という言葉が流行した年代でもありました。テレビでは、若くして成功したベンチャー企業の若手社長が連日のように取り上げられ、自己投資をする事に対する憧れは、現代の学生以上に掻き立てられる環境がありました。

私の感覚では、5人に1人は「将来起業する」と言っていたような(笑)

象徴ともいえるのが、ライブドア騒動ですね。彗星のごとく現れ、世間を賑わしている光景を目の当たりして、「自分たちも頑張れば…」という想いを抱いた世代ですから、世代として強烈に色付けられたものでした。

しかし、現代学生といえば、物心ついた頃にはインターネット、スマホ、SNSが身の回りにあり、「欲しい情報は、すぐ手に入る」時代に育ち、私たちのように「自ら深堀する」経験よりも、

「今ある情報を、どう活かすか」

に注力してきた世代と言えると思います。

「昔に比べて今の若い世代は…」なんて言われ方は、私たちの世代も言われてきた事で、そこの気付きではなく、むしろ、私たちとは、育ち方、伸び方が全く異なる世代なのだといち早く察知し、現代の学生の感覚と、私たち世代の感覚との違いを「私たちから」理解しに行く事が、何よりも大切だと痛感しています。

3.現代学生の感覚をビジネスに活かす

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どの世代にも、長所と短所は必ず存在するはずです。私たち世代の場合、「ベンチャーマインド」「自己投資意欲」は強いと言われていたものの、一方で「協調性に欠ける」「規律を守らない」などと、お叱りを受けてきたような記憶があります(笑)「破天荒」という言葉をポジティブに捉えたり、「年上を敬いなさい」と言われ続けたような…

個人的な主観が入りますが、現代学生は 「規律を守る」「人目を気にする」「マジメ」「協調性がある」といった、私たち世代には少数派だった資質を持ったが学生が非常に多いように思います。それを、どのようにビジネスに活かすか、そしてどのように成長させてあげるか。

「私たちの時代は~」などといった、知らない時代を理解させるのではなく、今の学生にわかりやすく理解出来る感覚を身に付けることで、世代は違えど、シナジーを生んでいけると思っています。

4.伸びる人の特徴

私たち世代が多く経験していた0→1の経験値と、現代学生の強みである「協調性」を融合する事で、当社は「学生だけで運営する事業」を次々に発足しています。クライアント様や、当社サービスに興味を持って頂ける企業様からは、「学生だけで運営させるなんて、良くマネジメント出来ますね」と、非常に驚かれますが、役割を明確にして、現代の教育システムとの融合を図った結果、今に至りました。

図1

どの世代も「楽しい」事が好き。楽しい事には、果敢に挑戦する。自分自身にとって、メリットのある事は最優先に取り組む。その本質に対して、学生とはいえ「同じ目線」で対話し 1人のビジネスパートナーとして見ています

「社会人の先輩である私たちが、学生に仕事をさせてあげる」のではなく、共に助け合う関係である事を互いに理解し、同じフィールドでビジョンを追及する。そんな会社が1社くらいあっても良いのではないか。その結果、今では社員4名、大学生80名以上のおもしろい組織に成長しました。

「大学生とは思えないくらい、優秀ですね」 「自分たちの社員達にも見習ってもらいたいですよ!」 と、クライアント様にも言って頂けるくらいに、私の「仲間」は成長してくれています。

5.伸びる人の特徴

・自分に素直である事
・「わからない」を言える人
・感謝と反省が素直に出来ること

過去300名以上大学生とコミュニケーションしてきましたが、正直、最初からポテンシャルを感じたことはありません。昔からビジネスをやってきた学生など、滅多にいないので最初は皆、「未経験」からスタートします。しかし、最初から「どう見られたいか」を作り過ぎてしまうと上記の事がしづらくなっているように見えます。

・わかってはいるんですけど、なかなか…
・わかんないってなかなか認められないんです
・感謝も、反省もしてるつもりなんですが…

など、どうしても素直になれない人ってどの世代にもいるとは、思うのですが、いざビジネスをやってみると、こういった部分で損をしているように見えます。

そういった仲間を見つけると、

・もっと自分の事を発信していこうよ!
・もっと自分が得する行動しようよ!
・仲間なんだから、カッコ悪い所見せてもいいよ!

などなど 自分をさらけ出せるキッカケを作ってあげるように働きかけています。伸び方、成長の仕方は人それぞれ。それだけに、ちょっとした勘違いで、その人自身の成長するキッカケを失ってしまうのは、非常に勿体ないと思っています。

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6.やりたい!に素直になる

伸び悩む学生のもう一つの特徴に、「やる前から結果を考えてしまう」という部分もあります。恐らく、これまでの教育環境の中で「ちゃんと相談しなさい」「もっとじっくり考えなさい」「向いてる、向いてない」などの言葉を多く投げかけられてきているからかもしれません。

当社のような一風「変わった」会社は特に・・・「学生だけで運営?本当大丈夫?」などと不安がっている方々が周りに多いと、よく学生メンバーからも聞きます(笑)私たちは、個人的な考え方を押し付けることはしませんし、そういった不安がっている学生を目の当たりにしても、一貫して「自分で考えて、自分でやる意味を見出してからで十分」と伝えています

キッカケは作っても、決して誘ってない。やるか、やらないかは、キミの中に答えがある。自分の決断を、誰かに委ねるような人間になって欲しくないからです。

結局、物事全てに対して、「損」か「得」か、を決めるのは自分自身でしかないと思います。「やりたい!」に素直になれた人がいたら、1人でも多くの人にお会いしたいと思っています