なぜカープはそこまで広島で愛されているのか、広島県民が徹底検証してみた。

広島県民のカープファン率は80%超え

 「広島東洋カープ」。プロ野球を見る方なら知っているでしょう。昨年リーグ優勝をはたしたことでも話題になりましたよね。
実は、筆者は広島県出身の広島市育ちで生粋のカープファンです。物心ついたころからカープの試合を見に行き、いつのまにかカープファンになっていました。気になって調べたのですが、なんと広島県民のカープファン率は80%を超えているそうです。(at home VOX 調べ,2014年時)

また、リーグ優勝をかけた試合(2016年9月10日の対巨人戦)の広島県における視聴率は最大71.0%、平均視聴率は60.3%という驚異的な数字をたたき出しています。(http://toyokeizai.net/articles/-/141365参照)

これは決して広島県民が皆、暇をしているからというわけではありません。また、ほかにも面白いデータがあります。全国の野球が好きな人の割合は57.5%なのに対して、広島県民は68.5%と11ポイントも上回っています。これはカープの影響が少なからずあるでしょう。(https://sirabee.com/2016/11/01/168466/参照)

では、なぜ広島県民はそこまで広島東洋カープのことが好きなのでしょうか。18歳まで広島に住んでいた広島県民の筆者が徹底検証していこうと思います。

 

1.カープ女子の急激な増加

近年カープ女子が急激に増加していることがメディアにもよく取り上げられていますよね。なぜ、ここまで急にカープファンの女子が増加しているのでしょうか。ここで、カープ女子とは何か引用しておきます。

プロ野球球団「広島東洋カープ」のファンである女性のこと。2009年、新本拠地マツダスタジアムのオープンに合わせ、球団は女性ファンの取り込みを強化、多彩なグッズ販売などを行った。11年頃から、当時「カープガールズ」と呼ばれていた女性ファンが増えていることがスポーツ新聞などで報じられ始めた。13年9月30日に放送された「ニュースウオッチ9」(NHK)の特集で「カープ女子」が特に関東圏で増えていると紹介され、それを契機としてこの言葉が広まり定着したとされる。14年5月、球団は「関東カープ女子 野球観戦ツアー」を実施、約150人が参加した。カープ女子が増えた背景には、球団の施策に加え、チームカラーが女性が好む赤であること、もともと団結力が強いカープファンの仲間として一体感を味わえることなどが挙げられている。

https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E5%A5%B3%E5%AD%90-192399参照)

となっています。

では、カープ女子が増えた背景にある球団の施策とは何か説明します。

一つは球場のボールパーク化です。広島の本拠地は2009年まで広島市民球場で2010年からMazda Zoom-Zoomスタジアム広島となりました。(現地ではマツスタと略します)このマツスタは他の球場と一線を画しています。
それはボールパークをめざしたという点にあります。ボールパークとは、ただ単に野球を見るだけではなく、球場内の様々な施設であらゆる人が楽しむことができるテーマパークのような野球場のことを言います。
例えば、マツスタ内にはスポーツバーが地下にあり、お酒を楽しみながら、選手より下の目線で野球を観戦することができます。

次に、カープのグッズ企画力です。カープは女性向けのグッズ企画力が高いのです。ユニフォームも女性向けのピンクのユニフォームやかわいいデザインのトートバッグを売り出しています。
また、コラボレーション商品も多く、新人選手の初勝利やサヨナラ勝ちの際には限定Tシャツをすぐ企画して販売します。それらのグッズはこちらから見ることができます。

また、球団自体の経営戦略もあります。2014年5月には「関東カープ女子 野球観戦ツアー」というイベントが開催されました。これは、球団が費用負担しタダでマツスタに出向くことができるものです。このような努力もあり、カープ女子が全国的に増加していったのです。

2.圧倒的な地元密着型

カープが広島県民に愛される理由には、圧倒的な地元密着型球団であることが挙げられます。広島県民ならだれもが知っている樽募金などがその最たる例です。
1952年のペナントレース開幕前に経営難により広島カープが解散する話が上がっていました。しかし、そのことを知った広島の熱狂的なカープファンは樽にお金を集めてカープに寄付するという行為をはじめたのです。
この樽募金によってなんとかカープは経営を続けることができ、今に至ります。また、この樽募金は近年でも行われていました。マツスタを建設する際に資金が足りなくなってしまい、広島県民に寄付を頼むよう樽募金を実施しました。これは広島県民とカープとの強い絆を表していると考えられます。

また、広島の小学校ではなんとカープに関する授業があるところがあります!筆者は受けたことないのですが、広島県内の142個の小学校で実施されており、その中身はカープの順位と観客数の推移、ユニフォームやキャッチフレーズの変遷、ライバルチームの情報など、多種多彩です。

http://j-town.net/tokyo/column/gotochicolumn/226448.html?p=all参照)

このように、広島県民とカープが接する機会が多いため、県民と球団の間の関わりが深いのです。

3.育成型の選手獲得傾向

また、カープは選手を育成することに重きを置いています。
FAというある程度の実績を持つ選手を他球団からお金で獲得することができる制度がありますが、その制度を使用したことはほぼなく、すべて生え抜きの選手かトレード、戦力外通告を受けた選手の獲得によってチームが成り立っています。そのため、ファンもある特定の選手に愛着を持つ頃ができます。黒田投手がメジャーから戻ってきたときにファンが大騒ぎしていましたが、それも黒田選手がカープの生え抜きの選手であり、ファンに大変愛されていたということを表しています。

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いかがでしたでしょうか。カープがなぜ広島県民に愛されているのか解説してみました。身近に広島県民がいる方はカープファンかどうか聞いてみてください。ほぼほぼカープファンですので(笑)この記事を書いている間に筆者も野球観戦したくなったので今度カープを応援に行こうと思います!

 

参考サイト

なぜ「カープ女子」が増えているのか

http://president.jp/articles/-/13399

 

樽募金~広島東洋カープを支えた市民の力

http://shuchi.php.co.jp/article/1950?p=1

 

広島では小学校でカープについて勉強する! 教科書の「コイ」内容に驚く他県民

http://j-town.net/tokyo/column/gotochicolumn/226448.html?p=all