大学生も他人事ではない!気になる「マイナンバー」。アルバイトでマイナンバーの提出は必要なのか?

バイトを始める際、マイナンバーの提出は必要か否か?

大学生の皆さんは、アルバイトを始める際にバイト先からマイナンバーの提出を求められたらどうしますか?

現在、世間ではマイナンバーについて「行政手続きの簡素化」に役立つという賛成意見と、「プライバシー侵害」となる反対意見と賛否議論が沸き起こっています。

このようななか、絶対にマイナンバーを提出しなければならないのでしょうか。提出しないことによって不利益を受けるのでしょうか。もしそうなったらどうすればいいのでしょうか。

今回は学生のみなさんが直接マイナンバー問題と関わる機会であろうアルバイトを取り上げ、マイナンバーについて考えてみたいと思います。

そもそも、マイナンバーとは?

マイナンバー法に基づいて、日本国内に住民票を有する国民すべてに割り当てられる個人番号の通称です。
住民票コードを変換して得られる12桁の固有番号で、住所地の市町村長が通知し、指定します。主に社会保障関係・税金関係の手続きに使われる番号です。

マイナンバーの効果や安全性については、様々な議論があります。
マイナンバーをめぐっては、「行政手続きが簡素化され、負担が軽減される」「行政が効率化される」「公正・公平な社会の実現に役立つ」という賛成意見がある一方で、「プライバシーが侵害されるかもしれない」「戦争をする国に道を開いてしまう」どの不安の声もあります。

現にドイツやハンガリーでは国民背番号制に憲法違反の判決が出ている外、アメリカや韓国では悪用され犯罪大国化するなど問題も多い制度です。
何かを始める際はいつも必ず上手くいくとは限りません。発生するだろうメリットもデメリットも考えられるので難しいですよね。

マイナンバーの提出を求められたとき

このようななか、アルバイト先からマイナンバーの提出を求められたらどうすればいいかわからず提出してしまったという経験がある方もいらっしゃるでしょう。

学生の皆さんは、シフトにせよ有給休暇の存在不認知にせよ、賃金トラブルにせよ、「バイト先の言うことがすべて」と思い込み、不当な扱いを受けても対抗できずに困り果ててしまうケースも少なくありません。

実はマイナンバー、提出しなくても不利益はありません!

全国中小業者団体連絡協議会と省庁との交渉で、政府(内閣府・国税庁・厚生労働省)もはっきり述べています。番号が記載されていなくても従業員、事業者に不利益はありません。

そして学生の皆さん、マイナンバー提出は拒めます

マイナンバーの提出を拒むための基礎知識

マイナンバーの提出を要求され、どうすればいいか迷ってしまわないように知っておいてほしいことがあります。

マイナンバーは百害あって一利なしの制度と言っても過言ではないでしょう。きちんとした見識を持っている賢い経営者がいるバイト先は、まずマイナンバーを要求しないでしょう。むしろ情報管理の負担などでバイト先の負担を増やすだけ。中小業者にとってはこの上なく負担の重い制度です。

マイナンバー提出拒否で不利益を受けた時は

「提出しないと給料を払わない」と脅されても、個人番号提示や提出が給料などの支払い条件とする根拠を明確にしておきましょう。バイト仲間で団結して明らかにしてもらうという方法が良いと思います。このような時に備え、同じバイト先の仲間とはバイトや余暇活動などで日ごろから助け合える関係になっておくと良いかもしれませんね。

もしもバイト先にマイナンバー提出を拒否して「所得を隠したいからだろう」と脅されても、「そうではなく、欧米では人格権侵害や憲法違反の判決が出るなど問題の多い制度だからです。将来マイナンバーに色々な情報が紐付けられ、役所からその情報が漏れて個人情報が漏洩し、悪用されてしまうことが怖いからです。それでも提出を求めるのであれば、大学の教授に聞いてきます。」ときっぱり伝えましょう。

最後の一言は、特に法律を専攻されている学生さんには効果的です。ここまで言えば相手も何も言い返せないでしょう。

マイナンバー未提出を理由に給料を払わないのは労働基準法24条違反です。また、これを理由とした解雇その他不利益な取り扱いは、民事上無効になる可能性が大きいです。労働基準監督署や労働局に設置されている総合労働相談窓口に相談して解決することも可能です。

最後に

マイナンバーは使い方によっては悪法となり得ます。徴税強化、弱いものいじめ、ひいては戦争をする国づくりに繋がってしまうかもしれません。大学生の皆さん、そのような悪法に政治への無関心で手を貸していいのでしょうか?

せっかく手にした選挙権です。悪法を許さない姿勢、マイナンバーを提出しなくても不利益はないという事実をこの機会に知っておく必要があると思いませんか?

大学の授業のテーマに選択して調べてみるでも、親と話す機会に聞いてみるでも、このような話に向き合う機会を作ってみてはいかがですか。