毎年5月は世界フェアトレード月間!フェアトレード後進国の日本でも出来ること

毎年5月は世界フェアトレード月間!

みなさんフェアトレードというものを知っていますか?聞いたことがあるけれど、実際にはよく知らないという人が多いのではないでしょうか。WFTO(世界フェアトレード機関:World Fair Trade Organization)によると、毎年5月の第2土曜日が「世界フェアトレード・デー」、また5月が「フェアトレード月間」と定められています。2017年も5月13日(土)に世界中でフェアトレードを盛り上げるためのイベントやキャンペーンが行われました。そんな世界ではすでによく知られている?フェアトレードとは何かを少し紹介したいと思います。

フェアトレードとは?

国内でフェアトレードの認証をしているフェアトレード・ラベル・ジャパンによると、フェアトレードとは、“開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易の仕組み」“と定義されています。出典:フェアトレード・ラベル・ジャパン(http://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/000012.html) つまり、フェアな(公正な)貿易のことです。

フェアじゃない貿易って?

では、フェアじゃない貿易とはどんなものでしょうか。残念なことに、現在の貿易の仕組みは途上国の人々にとってフェアではなく、先進国との貧困を拡大するものになっています。

例えば私たちが普段消費するコーヒーやチョコレート、今着ている服を作ったコットン。どこの誰が作ってくれたものか考えた事はありますでしょうか?これらを作っているのは多くの途上国に住む人たちです。彼ら、彼女達はこれで生計を立てているのです。先進国で安く商品を売るために、途上国では不当な低賃金労働や、小さな子供が安価で労働を強いられ学校に通えないなどの問題が実際に起きています。これが不公正な貿易です。

今までの仕組みのままではどんなに働いても、途上国の労働者がより豊かな生活を送ることはできません。この不公平な仕組みに対して出来たのがフェアトレードなのです。

なぜフェアトレードが必要なのか?

フェアトレードの認証マークの付いた商品は途上国の労働者に適正な対価が払われている証です。先進国に住む私たちが、積極的にフェアトレードの商品を選んでいくことは一つの国際協力のカタチです。国際協力と聞くと自分とは遠い国の話と思われがちかもしれませんが、「あれ、国際協力って意外と簡単にできるんだな。」って思いませんか?

フェアトレードは消費者がどんどん製品を買っていくことで生産者が当たり前の額の賃金をもらえます。私たちが難しく考える必要はありません。また、先進国から途上国へ一方的に与えるという支援のカタチではなく、両者が対等な関係にあるのも特徴的です。そして、フェアトレード認証が保証するのは賃金の問題だけではありません。カカオやバナナを作る農家で過剰に薬品が使われていないかなど、生産地の環境の安全も保証しています。強い農薬は時に人体にも持続的に製品を作ることにも害を及ぼします。その点でフェアトレード商品は環境にも優しいのです。

あなたにできること

国際NGOオックスファムがイギリスでフェアトレードを始めたことをきっかけにオランダ・ドイツなどで次々に導入されました。日本ではまだ完全には浸透していないフェアトレード商品や仕組みへの理解もヨーロッパではかなり進んでいます。ある調査によると、イギリス、オランダ、アイルランドなどのフェアトレード先進国ではフェアトレードに対する国民の理解度が80パーセントと発表されました。国民一人一人が常識として、アンフェアな貿易に対し問題意識を持てていることはとても大事なことだと思います。

最近になって日本でもフェアトレードの製品を導入する企業が増えてきました。みなさんの周りにある、イオン、スターバックス、無印良品、森永製菓ではすでに導入しています。今度お店行く際に商品を探してみませんか?もしかしたら、他の製品に比べて高いと感じるかもしれません。でも、それが本来あるべき価格なのです。毎日じゃなくても、ちょっとお財布に余裕があるときに、誰かにプレゼントするときに、フェアトレードの商品を買ってみませんか?その選択で当たり前の賃金をもらえる人がいます。

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いかがでしたか?フェアトレードとは何なのか、少しは分かっていただけたでしょうか。遠い国の出来事だと思っていた途上国の労働環境も、私たち一人一人が行動を少し変えることで、現状を良くすることができるかもしれません。さっそく明日のおやつはフェアトレードのチョコにしてみませんか?