大学生も知っておこう!「カジノ法案」って何だろう?

カジノ法案の正式な意味とは?

そもそも最近よく聞くようになったカジノ法案とは何を指すのでしょうか?

カジノを日本でも合法化して導入しようとしている法案のことを言います。この名称は法案をわかりやすく表現した「通称」であり、正式には【特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案】の事を指します。

2020年の東京オリンピックに際し、海外からやってくる観光客を増加させ、周辺地域に多大な経済効果をもたらすと予想されています。この法案ではカジノ施設のほかにも巨大リゾートや、それに併設されたホテル、ショッピングモールといった商業施設も同じ場所に建設されることになっています。

現在はIR区域(カジノ法案実施の場合の建設予定地)をめぐって、各自治体で国へ対するアピールが行われています。この施設群が建設されると経済効果にプラスして莫大な税収の増加が見込める為、歳入に悩む地方自治体にとっては大きな助けになることでしょう。

日本での賭け事は許可されるの?

ここで気になってくるのが我が国で定められている賭博法(賭博及び富くじに関する罪)の規定です。簡単に言えば「日本国内でギャンブルを行うと、治安が悪化する可能性や、ギャンブル中毒者が問題になるから行ってはいけませんよ」という内容です。

さて、ここまで聞くと違和感を覚える方もいるかと思います。「あれ?競馬やボートレースは賭け事じゃないの?パチンコや宝くじはどうして取り締りされないの?」という疑問が生まれます。実際あの場所で行われているのは賭博行為と言えますが、刑法35条の合法行為という形で例外的に認可されています。

競馬は競馬法、競輪は自転車競技法、競艇はモーターボート競争法…のようにそれぞれ別の法律を作り、自治体が運営する形であれば合法です。また、宝くじ、スポーツ当選くじ(TOTO)も同じように当選金付証票法、スポーツ振興投票等の実施等に関する法律によって申請、承認されたうえで厳格に運営されています。

これらをまとめて「公営ギャンブル」(公営競技)と言い、今回のカジノ法案で建設されるカジノもこのカテゴリーと同じように特別に合法化される枠にあります。ここで忘れてはならないのが「日本での賭け事は『公営』の場合のみ特例的に許されているだけで、個人事業主が行うことは違法である」という点です。そうなると先ほど例に挙げた物の中に1つだけ例外が混じっているのです。

パチンコ店が無くならない理由

先ほど上げた中で唯一「公営ではない」賭け事がこのパチンコです。結論から言うと、パチンコ店は違法なのですが、それを回避するために特別な抜け穴を利用しています。それがかの有名な「三店方式」なのです。この方法には文字通り3つの店が必要で、1つは客に遊戯をさせるパチンコ店。パチンコの出玉と交換して手に入る『特殊景品』を現金で買い取る古物商。そして特殊景品を買い取ってパチンコ店へ卸す景品問屋です。

これらの店はあくまで3つの別の業者とされ、ここで輪のように取引することで賭博法の規定を無理やり逃れています。警察側の見解では「これは賭博であると認識していない」としている為に一切の摘発は行われていません。しかしそれでも政府はここに規制をかけています。

パチンコ規制法案とは

現状多くの遊戯中毒者を生み出しているパチンコに対してはパチンコ規制法によって対策が練られています。具体的には「パチンコの出玉を現行の3分の2まで減らすこと」「演出を規制して遊戯客の射幸心を過度に煽るような機種を廃止すること」などです。この規定を満たさない機種はパチンコ台の製造メーカーによる生産と販売を停止させることが出来ます。

このようにしてパチンコの持つギャンブル性を下げれば遊戯がつまらなくなり相対的に利用者は減少すると見込まれています。しかし実際はその抜け穴を利用してさらに過激な演出が可能な機種が発売されるだけのいたちごっこが続いています。

パチンコ規制法とカジノ法案のこれから

今回、同じ「ギャンブル」という点で話題になる両者ではありますが、本質は全く異なっているという事がお分かりいただけたかと思います。カジノ法案が進んだとしてパチンコが合法化されるわけではありませんし、賭博法がなくなることもあり得ません。

今後、パチンコへ対する規制はより強まっていくことになるでしょう。公営ギャンブルでない以上、経済効果や税収が増加するメリットは少なく、むしろ治安の悪化がの方が顕著に表れています。いつしかこの三店方式までもが違法化される日も来るかもしれません。しかし、一定の層から根強い支持を得ている今はそれも難しいでしょう。

逆に政府としてはカジノを合法化することを目標に進んでいます。しかし、今まで前例のない合法化に踏み切るわけですから「ギャンブル依存症対策」や「治安維持」が大きな課題となっています。大きな経済効果と税収を得る反面、それだけデメリットも大きくなります。国内における潜在的なギャンブル需要がどれだけのものかを正確に判断し、需要に見合った供給を生み出すことが成功へのカギとなるでしょう。

私たちが覚えておくべきこと

今や世界130ヶ国以上の国でギャンブルは合法となっています。日本でも同じく合法化されればパチンコや競馬、宝くじなどに続いて、さらに遊ぶことが出来るギャンブルの幅が広がることになります。このようなギャンブルは日常にはないスリルや楽しさを私たちに与えてくれる半面、行き過ぎたのめりこみは依存症や自己破産の道へとつながります。
しっかりとギャンブルについて学び、その危険性とデメリットを十分に理解した上で新しい娯楽と正しく付き合いながら楽しんでいくことが重要です。

 

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