「学生時代に力を入れたことは何ですか?」の略である「ガクチカ」は、就活において100%聞かれる質問といっても過言ではないでしょう。
特に答えられるほどのことをしていない・・・。という22卒の人もいるのではないでしょうか?普通に過ごしてきた学生生活の中で、何をしたかと聞かれても困ってしまいますよね。
難しく考えてしまうかもしれませんが、部活で目覚ましい成績を残した、起業したなど、インパクトのある内容である必要はありません。学生生活の中でよくあることでいいのです。
この記事では、そんなガクチカに焦点を当てた面接対策について解説していきます。ガクチカについて理解を深めて、内定に向けて一歩前進しましょう!
目次
1. ガクチカを聞く企業の意図とは
ガクチカを質問する背景にはさまざまな企業側の意図がありますが、主に考えられるのは以下の点でしょう。
1-1. 課題に取り組む姿勢を見ている
企業は、就活生が課題や問題に対して、どのように取り組んだのか、その姿勢を見ています。何かに取り組むときは、簡単にはうまくいかないことが多いもの。必死に受験勉強をしたけど、第一志望に受からなかった、というのはいい例です。
ここで大切なのは「受からなかった」という結果でなく、「必死に勉強した」という姿勢が大切、ということ。結果にいたるプロセスの中でどれだけ努力をしたか、真面目にやっていたか、といった点を評価しているのです。
1-2. 会社で活かせる強みを探している
面接官はガクチカを聞くことで「この人の強みは会社でどう活かせるか?」と考えています。たとえばサークルの幹事長をやったことのある人なら、リーダーシップを持っている可能性が高いですよね。
この他にもコミュニケーション能力、問題解決力など、就活生のさまざまなガクチカを聞いて、仕事と置き換えているのです。
1-3. ガクチカと自己PRの違い
ガクチカと自己PR、2つの回答の使い分けについて悩んでいる就活生もいるようです。この2つは同じようで、アピールするものが違います。具体的にいうと、ガクチカは「問題に対する取り組み方」、自己PRは「スキルや強み」です。
ガクチカでは能力やスキルも見られますが、それよりもどのように問題を解決したか、そこから何を得たのかが重視される、と覚えておいてください。
2. ガクチカの作り方
ここからは、3つの観点からガクチカの作り方を解説していきます。22卒の皆さんは、自分の学生生活の中で当てはまるものはないか、考えながら読み進めてみてください。次の章で一連の話し方についても触れるので、併せて読むことをおすすめします。
2-1. 一定の成果をあげたこと
ガクチカにしやすいのは、とある分野で成果をあげたことです。たとえば、合唱サークルで練習を積んだ結果コンクールで賞を獲得した、飲食店のアルバイトで広告の仕方を変えて集客率を上げた、など。
数字が出てくると成果の高さが際立ち、相手にいい印象を与えられます。ガクチカの内容は似たり寄ったりなものになりがちなので、独自性があるものだと尚いいでしょう。
ただ、繰り返しになりますが、どうやってその成果を出したのか、プロセスを詳しく説明することが大切です。
2-2. 困難に直面したこと
困難を乗り越えたエピソードもガクチカにしやすい題材です。サークルに新入生が入らず崩壊の危機に瀕していたが、仲間と話し合って方向性を変えた結果持ち直した、という内容などが該当します。
こういったエピソードは自分が問題とどう向き合い、どんな方法で解決したかという流れを説明しやすいので、プロセスだけでなく能力もアピールできるのがポイントです。
「特に思い浮かばない」という人は、趣味や学業など長く続けていることの中で考えてみるといいですよ。小さな課題を改善した話なども十分ガクチカに使えます。
3. ガクチカの伝え方と具体例
題材が揃ったら、ロジカルな言い回しを使って面接官にポイントを伝えましょう。以下の内容をベースにしてみてください。
①何をしたか(結果)
②その過程で大変だったこと(問題や困難)
③自分はどう取り組んだか(姿勢、解決方法)
④何を得たのか(学び)
4つのポイントを取り入れた職種別の回答例を記載したので、参考にしながら自分なりのガクチカを作ってみましょう。
3-1. 営業職の回答例
「私は塾講師のアルバイトで中学3年の生徒を5人受け持ち、4人を第一志望に合格させた実績があります。
最初は彼らの模試の結果を徹底的に分析しました。そして、志望校合格の点数に到達するために、強化すべき箇所をピックアップしました。模試のたびにそのサイクルを繰り返した結果、点数が大幅に上がっていったのです。
この経験を通じて、ゴールから逆算して取り組めば目標を達成できることを学びました。」
3-2. 企画職の回答例
「私が学生時代に注力したのは、海外留学中に国際交流コミュニティをたちあげたことです。当初は寮主催の交流パーティーに参加する程度だったのですが、その中でお互いの文化をもっと知りたいと思う留学生がいるがたくさんいると気づきました。
そして、宿のフリースペースを借りてお互いの国についてプレゼンやディスカッションするイベントを開催したところ、50人ほどの学生が参加してくれました。最終的には、1つの国にいながら複数の文化に精通した人を育てるコミュニティに成長したのです。
ニーズに答えるサービスを作ることで、多くの人を満足させられることを知られたいい経験になりました。」
3-3. 技術職の回答例
「私は演劇サークルで活動をしていた際に、人手不足を補って舞台を成功させたことがあります。
講演に向けた練習も終盤に差し掛かったころ、メインで動いていたメンバーが事故に遭い、人手不足に陥ってしまいました。そんな中で、時間が短縮できそうな作業は最低限にとどめて、必要な練習の時間を最大限捻出する工夫をしました。
このことから、効率化を意識して、欠員がでてもプロジェクトを完了できるマネジメント力を身に付けられたと考えています。」
まとめ:ガクチカは物事に取り組む姿勢や考え方を最大限アピールしよう
ガクチカの対策について悩んでいる人を対象に、考え方のコツや伝え方をまとめてご紹介しました。ガクチカを聞くことで、面接官は応募した就活生はどのように仕事に向き合えるのか、活かせる長所はあるか、といったことを見ています。
そのため、ガクチカは大きなイベントである必要はなく、自分の生活の中で乗り越えた困難や、成果を上げたことのプロセスを伝えればOKです。自分ならではのガクチカを作成して、志望企業の面接対策を万全にしていきましょう。