「社会人になったらどんな税金を払わないといけないの?」
「税金や保険ってどんな仕組みで自分にどんなメリットがあるの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
学校を卒業して就職すれば、国民の義務として税金や社会保険を払う必要があります。
しかし、税金や社会保険を支払うことで将来どんな見返りがあるのか、理解していない方も多くいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、社会人になってもらえる給与から差し引かれるお金について、詳しく解説していきます。
最後までご覧いただくことで、国の制度を知ることができ、より納得感を持って社会人を迎えられますので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ給与から差し引かれるのか?
なぜ給与からさまざまなお金が差し引かれるかというと、公共サービスや社会福祉を受けるために支払う必要があるからです。
公共サービスは警察や公園、道路などで、社会福祉は医療や介護などのサービスを提供することです。
これらは国民の義務として必ず支払わなければいけませんが、社会人になると会社が代わりに給与から天引きしてくれるので、自動的に納税・納付されていることになります。
つまり、仮に会社に属さずに働いている場合は、自分で手続きをして納めなければいけません。
どんなものが差し引かれるの?
ここからは給与から「どんなお金が差し引かれているのか」、また差し引かれている項目は「何のために支払っているのか」について解説していきます。
所得税
所得税は1年間で受け取った所得に応じて金額が変わる税金です。
累進課税制度によって金額が変動しますので、所得が大きくなればなるほど所得税の金額も大きくなります。
税率は「5%・10%・20%・23%・33%・40%・45%」の7段階あり、以下の表ように所得に応じて控除される金額も異なります。
所得金額 | 税率 | 控除金額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万〜330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万〜695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万〜900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万〜1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万〜4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超え | 45% | 4,796,000円 |
所得税は毎月給与から差し引かれますが、このときは見込みの金額として天引きされます。
なぜなら、毎月の給与の時点では1年間の所得がどれくらいかわからないからです。
そのため、一旦は見込みの所得を天引きしておいて、1年間の所得が確定してから年末調整を行います。
年末調整によって毎月の所得税の過不足を計算し直し、払いすぎていた場合は還付、反対に足りない場合は徴収という形になります。
住民税
住民税は住んでいる地域の市区町村や都道府県に支払う税金です。
税率は一律10%で前年の所得に対してかかってきて、前年の所得が確定すると翌年の5月に納付書が届きます。
ただし、社会人1年目は納付しない場合が多いです。
なぜなら、住民税は前年の所得が100万円を超えない限りは控除の対象となり、支払う必要がないからです。
前年の所得が100万円を超えている場合でも、未成年のアルバイト場合は204万円まで、学生アルバイトの場合は勤労学生控除を利用して126万円まで控除してもらうことが可能です。
ただし、勤労学生控除を利用する場合は扶養が外れて親の税金が上がる可能性がありますので、事前に家族で相談することをおすすめします。
健康保険料
健康保険料は、医療費の負担を減らしてくれる医療保険です。
健康保険料を支払うことで、病院での医療費の負担を3割に抑えてくれたり、高額医療費制度や病気やケガによる収入を保証する傷病手当金などを利用できたりします。
健康保険料は給与によって変わりますが、明確な税率のようなものがあるわけではなく、毎月の給与から独自の計算方法で決まります。
また、健康保険料は会社員の場合は会社が保険料の半分を支払ってくれます。
厚生年金保険料
厚生年金保険料は、厚生年金の元になるお金です。老後の年金としてもらえたり、特定の障害を持った時に受け取れる障害年金や、自らが死亡した際に家族が受け取る遺族年金のもとにもなったりします。
保険料は一律18.3%と決められており、所得に応じて保険料も変動する仕組みです。
また、厚生年金保険料も会社と折半しますので、自己負担額は9.15%となります。
雇用保険料
雇用保険料は、労働者の生活を守るために支払うお金です。
会社を失業した際のもらえる失業給付金や育児休業や病気の際の手当の給付などに利用されます。
雇用保険料は毎月支払う必要があり、保険料率は全国一律ですので所得に応じて料金も上がっていきます。
しかし、健康保険や厚生年金に比べると自己負担額は大きくなく、会社側も負担してくれるため、自己負担額は0.3~0.4%になります。
まとめ
社会人になった際に必ず支払わなければいけない税金・保険について解説しました。
本記事でお話したことは、今後の人生で自分や家族を守るためにも大切な項目です。
また、年齢や業種によっても今回紹介したもの以外の控除項目もありますので、ご自身の就職先ではどんなものが控除されるのか調べてみても良いかもしれませんね。
この記事が少しでもあなたの役に立てば幸いです。