「離職率」という言葉をご存知でしょうか?
近年では、求人情報などにも記載されることが多いため、一度は目にしたことがあるかもしれません。
離職率は就活先企業を決める際にも着目したい重要な視点です。
この記事では、離職率の概要や計算方法などについて詳しく解説していきます。
ぜひチェックしてください。
「離職率」とは?
離職率とは、ある時点で仕事に就いていた労働者のなかで、一定期間のうちにその職業を離れた(辞めた)労働者の割合を示します。
つまり、一定期間のうちにどれくらいの人が退職したのかが分かる数値のことです。
ニュースなどでも発信されることが多い離職率は、計算方法に明確な決まりをありません。
しかし、就活の際に企業が算出した離職率を確認しておくことは重要なポイントとなるのです。
なぜ離職率を気にするべきなの?
離職率を気にするべき理由として、ブラック企業かホワイト企業かを客観的に知ることができる点が挙げられます。
例えば、一定期間内での退職者が多ければ多いほど離職率は高くなります。
離職率が高いと、退職者側ではなく会社側になにか問題があるのではないか…?という印象になりますよね。一般的に離職率が高い=ブラック企業、離職率が低い=ホワイト企業といった判断の視点として離職率の数値を見ることができるのです。
もちろん、離職率だけでブラック企業かホワイト企業かを確実に判断することは難しいですが、一つの視点として見ておくべき数値だと言えます。
また、ここで注意しておきたいのは「3年離職率」をチェックすべきということです。後程詳しく解説していきますが、一般的に離職率というと3年離職率を算出します。
もし企業の求人情報にある離職率が3年離職率ではなく、その他の期間や条件で算出している場合、何かしらの意図や事実があるので注意しておきましょう。
注目すべきは「3年離職率」
前述したように、企業の離職率を確認する場合は3年離職率をチェックしましょう。
3年離職率とは、新卒として就職した労働者の3年以内の離職率を指します。
一般的に高卒者は約4割、大卒者は約3割程度の3年離職率であることが厚生労働省の調査で分かっており、3年間のなかでも学歴に関係なく1年目の離職率が高いことが分かっています。
一般的な数値よりも3年離職率が高ければ会社に何かしらの原因があるのではないか…と考えることができそうですね。
新卒者が離職を決める大きな原因として、人間関係や社風などが関係しています。また、業界によっても離職率に差があるとわかっています。
しかし、企業側としてはせっかく雇用した優秀な人材が早々に退職してしまうことは避けたいのです。そのため、離職率ができるだけ低くなるような対策を講じている企業も多く、離職率の高低が企業によって顕著に表れるケースも少なくありません。
今後、できるだけ長く働き続けていく事ができるように、離職率にも注目しながら就職先企業を選定しておくと良いでしょう。
離職率の計算方法
前述したように、離職率の計算方法に明確な定義はありません。
そのため、企業によってもその計算方法は様々です。
ここではいくつかの例を挙げながら、計算方法を解説していきましょう。
計算方法➀
『起算日(年度初め)から1年間の離職者数÷起算日における在籍者数×100』
(その間の採用者は除く)
例)100人の労働者がいる企業で起算日までに10人が退職し90人になった場合
10人÷90人×100=離職率約11%
計算方法②
『新卒の社員が3年間で退職した3年離職率』
例)100人の労働者がいる企業で10人の新卒社員を採用し、3年間で5人が退職した場合
5人÷10人=離職率50%
計算方法③
『過去5年間で中途社員が1年以内に離職した割合』
例)100人の労働者がいる企業で2015年から2020年まで毎年2人ずつ合計10人を採用し、そのうち1年以内に退職した人が5人いる場合
5人÷10人=離職率50%
前述したように、一般的には新卒社員の3年間離職率を算出する企業が多いため、それ以外の計算方法を利用している企業には何らかの理由があるケースが多いでしょう。
離職率だけでその企業を判断するのではなく、あくまでも判断材料の1つとして総合的に調査することがおすすめです。
離職率も踏まえ、企業見学やインターンを通して自分に合っている企業であるかを確認しておきましょう。
面接で離職率を聞くのはアリ!?
あくまでも参考程度とはいえ、やはり離職率は気になるものですよね。
求人情報に記載がなれば、採用面接で離職率を聞いてもいいの?と疑問に思う方も多いでしょう。
結論から言えば、採用面接で聞くことはあまりおすすめしません。
もちろん、離職率を知っておくことはとても重要です。
しかし、採用試験とは企業側がこの会社にふさわしい人材かどうかを判断する場です。その場で、離職率を聞くと「この人は離職率で会社を選定しているのか?数値に流される人なのか?」という印象を与えてしまうケースもあります。
もしも、離職率を訪ねるのであれば内定後のオファー面談などを活用すると良いでしょう。また、直接聞くのではなく人材紹介会社などから情報を得ることがおすすめです。もし、人材紹介会社に質問をすることができるのであれば、企業側の方に聞く前に利用しておくと良いでしょう。
まとめ
離職率は就職活動を進める上で理解しておきたい重要なポイントです。
企業の良し悪しを判断する1つの視点として、確認しておくと良いでしょう。
もちろん、離職率だけで左右されるのはNGです!離職率を踏まえ、様々な情報を元にあなたに合っている企業なのかどうかを確認することがおすすめです。
ぜひ、長く働き続けることができる企業を見つけてくださいね。