実際の就職先は?
自分の学んできた語学を教える教師になる方、資格をとって図書館司書になる方、公務員になる方もいますが、多くの人々は一般企業に就職しています。ほとんどの大学では目立って少ない業種も多い業種もありません。つまり文学部だからと言って強い業種も、弱い職種もないと言えるでしょう。とりあえず無難に金融系受けてみようかな、商社かな、なんて無難に終わってしまってはもったいない。あなたは将来どうなりたいのですか?文学部生は就活をどう攻略していくべきなのでしょうか?
文学部生の現状…私って本当に文学しかやっていないんだと気付いた。
筆者自身も文学部生で英米文学を専攻しているのですが、筆者の大学では他学部の授業を幾つかとらなくてはならず、仕方なく、仲のいい経営学部の友達と”マーケティング概論”という授業を取ってみたことがあるのです。概論だし簡単に単位を取れるだろうなーと軽く考えていたのですが、これが予想に反して難しかった!
まず先生はある程度のことは皆理解しているものとして話を進めていきます。確かに入門編なので私の友達にとっては基礎中の基礎だったらしいのですが、英語しかやってきていない私にはさっぱりでした。3C分析(注1)とかSWOT分析(注2)とか言われても全くわからないのです。そして残念なことに説明されても想像がつきません。ポカーンって感じです。授業で学んだ知識を用いてどのような経営戦略を立てるべきか考えましょうと言われても見当もつきませんでした…とまぁ、筆者がおバカすぎるのかもしれませんが、文学ばかりの我々にとっては謎の世界なのです。
筆者自身は先ほど述べたように英米文学を専攻していますので、「英語って武器もあるしー将来は外資系の企業に入って…」なんてぼんやりと英語を使って企業で働けたらいいなーなんて考えていたのですが、そもそもビジネスをわかっていない人間に、英語でビジネスをやるなんて無理です。武器にはなりません。経営学部や商学部で学んで、その上ビジネス英語を学びましたという人の方が圧倒的に強いです。
(注1)Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3つの言葉の頭文字を取ったもの。環境変化のトレンドを、漏れのない視点で押さえるときに使う枠組み(=フレームワーク)の1つ。
(注2)企業の全体評価を行うための分析手法。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの視点から評価を行う。SWOT分析では企業(事業単位)を内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)に分けて評価、分析する手法。
人事部の採用担当が考える文学部の印象
就活でESが通ったら面接が待っています。グループディスカッションもあるでしょう。
面接においてなぜその学部を選び、何を学んできたのかはよく聞かれることだと思いますが、あなたならなんと答えますか?多くの人々の答えは「語学を学びたかったから」とか「文学が好きだったから」などというビジネスの視点が全くないものになってしまうことが多いです。商学部の学生であれば、学んできたことがビジネスに直結することですから話すことはたくさんあるでしょう。しかしながら文学部の学生は、自分が興味関心を持って学んできたことがビジネスに結びつきにくい。そのような点においては確かに文学部というのは就活が厳しいと言えるでしょう。
そして面接官らも文学部の学生に対してビジネスへの知識や意識に不安を感じるのは事実です。だからこそ、他学部の学生よりも仕事に関してどのような意識や印象を持っているのかを尋ねることは多いといいます。
またグループディスカッションにおいても文学部の学生が経験してきたディスカッションとは少し異なるので難しいと感じるかもしれません。他学部と同様にディスカッションは行ってきてはいるものの、参加する姿勢がそもそも違います。文学部であれば、日本文学でも、英語でもフランス語でも作品を読んで、自分はどう感じたか、どう考えたか、そして批評をしたりします。でもその根底にあるのは他者の自分とは違う考えを受けとめ、新たな作品の捉え方などを身につけていくという姿勢です。
それに対し、例えばマーケティングを例に挙げれば、女性をターゲットにした商品ならどのようなデザインにして、流通経路はこういう形で、どのようにプロモーションしていくかであるとか、話し合いの中で経営戦略を立てていくという内容が多いのではないでしょうか。この場合多くの意見を出し合ってその中で最も良い案、あるいはそうするための幾つかの提案をうまく組み合わせていくという姿勢が見受けられます。文学部生というのは言ってみれば他者の意見を受け入れるという姿勢のディスカッションはやっていているけれど、ディスカッションの中で議論を繰り広げ最終的に一つの考えを生み出すというようなことはほとんど経験してきていないのです。しかし残念なことに、就活の場面で見られているのは後者のような能力です。仲間との話し合いの中で問題解決を行なっていく能力こそ見られているのです。もしそのディスカッションの議題がビジネスに関してであったなら、文学部生は全く歯が立たちません。
就活はそんなに力入れてないし、入れた企業で頑張ればいいなんて考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、もし採用されて働くとなった場合も、同期と比べ大きな遅れをとることは間違いないでしょう。公務員になるとか教師になるという以外は基本的に会社に雇用され、会社の人間の一人として働くことになりますが、ビジネスについての知識が皆無であるとまず就活で不利になり、入社してからも困ることは間違いありません。
では、今のうちからできることはなんだろうか?
なんとなーく文学部、なんとなーく就活では厳しいのが文学部。そこで筆者が文学部生にオススメするのはインターンシップです!!
就活にはあまり力を入れなくていいと思っている方もいるかもしれませんが、ビジネスに関する知識のない文学部生は他学部生より活発に活動しなければ同じスタートラインに立てません。
ところでインターンにも様々な種類があるのをご存知ですか?説明会のようなセミナー型、社員や仲間とディスカッションなどを経てプレゼンをするようなプロジェクト型、そして実務をこなすような実践型。セミナー型は短時間で企業の雰囲気を掴むことはできるかもしれないけれど、ビジネスの視点を取り入れるには実践型ではないだろうか。また働くイメージがつきやすいのも理由の一つです。
インターンで周りより早めの準備を!!!