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コンプライアンス意識が高まる企業社会
最近の企業社会と取り巻く環境の中で、注目を集めている言葉に「コンプライアンス」があります。この言葉は、「法令順守」を意味する言葉として今では一般的な用語となっていますが、この「コンプライアンス」への意識改善が求められている現代において、注意しなければならないのが「ハラスメント」です。
コンプライアンス意識の高まりとともに、企業においても社員ひとりひとりへの「モラル意識」の向上が求められている現代社会において、どのようなハラスメントが存在をするのか。
またハラスメントを受けないためには、どのようなことが大切になるのか、これから社会人として新たに企業社会へ飛び込んでいく学生にも、分かりやすく解説をしていきます。
「ハラスメント」とは?
まずは「ハラスメント」とはどのような言葉でしょうか?
「嫌がらせ」「相手を悩ませること」などを意味する英語。
日本語としては「セクシャルハラスメント」などの語で用いることが多い(出典:実用日本語表現辞典)
つまり「嫌がらせ」を表す英語が語源となった言葉ということです。
会社でよくある5大ハラスメント
前章では「ハラスメント」とは広い意味で「嫌がらせ」を指す言葉ということをご紹介いたしました。
ここでは、もう少し具体的な内容として「どんな嫌がらせ」があるのかについて、実際の企業などで問題となるケースが多いもの3つに焦点を当てて、「ハラスメントの種類」をご紹介致します。
パワーハラスメント(パワハラ)
いわゆる「パワハラ」として、多くの人に認知をされているハラスメントで、社内ハラスメントの代表的な例になります。パワーハラスメントについて以下のように解説がされています。
職場内の人間関係において発生する,いじめや嫌がらせ。上司が部下に対して行うものや,高い職能をもつ者がそうでない者に対して行うものなど。パワハラ。
(出典:Weblio辞典)
つまり、企業において権力(パワー)を持つ上位職者が、下位のポジションにある社員に対して、その「役職」などの「パワー」を利用して、嫌がらせを行うことを指します。
例えば、課長や部長などの役職にある社員などが部下となる一般社員(いわゆる「平社員」)に対して、社内での「降格」や「減給」などの「業務上の不利益」を脅しのネタとして、不当な扱いを行うなどが「パワハラ」にあたります。
この「パワハラ」は、2001年ごろから使われはじめている言葉で、社会全体に浸透しており、もともとの意味から拡大した捉えられ方をされていて、上位職者だけでなく、先輩社員や年長者からの「からかい」なども「パワハラ」として認識されるようなケースも増えてきています。
セクシャルハラスメント(セクハラ)
「パワハラ」と同様に、ハラスメントの代表的な存在として挙げられるのが「セクシャルハラスメント」いわゆる「セクハラ」があります。
これも先ほどと同様で以下のように記載がされています。
労働や教育などの場において,他者を性的対象物におとしめるような行為を為すこと。特に,労働の場において,女性に対して,女性が望んでいない性的意味合いをもつ行為を,男性が行うこと。性的いやがらせ。セクハラ。
(出典:Weblio辞典)
このセクシャルハラスメントという言葉は、1907年代にはアメリカで使用をされていたもので、日本においても1980年代半ばには使用されていた比較的古い言葉です。
一般的には「男性から女性に対する嫌がらせ」と捉えがちですが、「女性から男性へ」もしくは「同性同士」でも成立がする「性的な嫌がらせ」というのが本来の意味となります。
具体的な事例としては、「お酒の席で、異性にお酌を強要すること」や「職場において、上位職者が、下位のポジションとなる人に対して、個人的な付き合いや性行為などを強要すること」などがあげられます。
モラルハラスメント(モラハラ)
最近話題となりつつあるのが「モラルハラスメント」になります。
社会生活や日常生活における言動に対して、言葉や態度、身振りで相手を傷つけること。モラルによるハラスメント行為。「モラハラ」の語は2015年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にも挙げられている。
(出典:Weblio辞典)
具体的には、直接的な嫌がらせや暴力などではなく、「精神的に追い詰めていく」ような嫌がらせを「モラハラ」という形で認識がされ始めています。
職場などでよくある事例としては、「職場の同僚など周囲から孤立させる」ことや「仕事を与えない」「業務情報を与えない」など、いわゆる「職場のいじめ」に関する事柄です。
「パワハラ」や「セクハラ」と異なる点としては、上司や異性などに限定されずすべての社員が「加害者」の対象となる点で、その意味でより高い確率で遭遇する可能性がある職場でのハラスメントになります。
そのほかのハラスメントとは
パワハラやセクハラなど代表的なハラスメントを紹介しましたが、このほかにもお酒などを強要する「アルコールハラスメント(アルハラ)」や、香水や食べ物、場合によっては体臭などの「臭い」によって迷惑を与えてします「スメルハラスメント(スメハラ)」など、職場にある人間関係の中で「不快」と捉えられる事象の多くが「ハラスメント」として認識されており、被害者となるケースばかりでなく、気が付かないうちに自分自身が「加害者」となるケースがあることも気をつけておかなければいけません。
会社でハラスメントを受けないための「予防方法」とは?
職場で多く存在しているこれらの「ハラスメント」の被害者とならないための「予防方法」はあるのはご存知でしょうか?ここでは、ハラスメント被害のリスクを下げるポイントを2つご紹介致します。
ハッキリと断る!
ハラスメント被害を受けないために最も重要なことは、不快に思う行動について、強要された場合、相手の立場などを気にせずに「ハッキリと断る!」ことが重要です。
例えば、上司から無理やりにお酒の席へと誘われるケースや、女性が男性の上司から個人的な付き合いを強要させるケースなどで、断り切れずに「仕方なく受け入れる」ことなどがよくあります。
しかし一旦、受け入れてしまうと断ることが一層難しくなり、当初は軽いことが徐々に深刻なハラスメントへと発展してしまいます。
最終的には、相手にとっても不利益しか残らないことになりかねませんので、最初の段階でハッキリとした「意思表示」をする勇気が大切となります。
事前情報をしっかりと収集しておく!
社内の人間関係やどういったタイプの人がいるのかを理解しておきましょう。
同僚や先輩の人柄に関する事前情報をしっかりと認識していれば、距離を置く、深入りをしないなどの行動をすることで、ハラスメントを受ける環境を作らずに済ますことが可能です。
“お目付け役”を作る!
もうひとつハラスメント被害のリスクを下げるポイントとしては、「お目付け役を作る」ということです。職場の同僚や上位職者とのコミュニケーションをしっかりととっておくことは、ハラスメント予防という観点でも重要となります。
「自分という人間にハラスメントなど被害を及ぼすと、すぐに噂が広まるリスクがある」ということをハラスメント加害者にも認識させることでこの施策は予防策となります。その中でも職場で誰もが一目を置く立場にある人と「お目付け役」として関係を作ることができれば、ハラスメントと認定されそうな行為を及ぼしてくる人はいなくなるでしょう。職場でどのような人と付き合っていくのかが重要になりますね。
万が一、ハラスメント被害を受けた場合には
気を付けていてもハラスメントの被害を被ってしまうケースもあるかと思います。そのような場合には、社内や社外に専門の相談窓口が設置されていますので、ハラスメント解決の専門家に相談をすることが大切です。くれぐれも自分の力で解決しようとは思わないことがポイントとなります。
最後に
いかがでしたでしょうか?今回の記事では職場でよくあるハラスメントについてご紹介をさせて頂きました。
実際には「サラリーマンだから、嫌なことでもがまんしないといけない!」という誤った会社への忠誠心や、のような行為が「ハラスメント」に該当するのかを知らないことがハラスメント被害において、事態を深刻化させていく原因となります。
まずは、ハラスメントについてしっかりとした知識をつけて、被害にあうことのリスクを下げ、加害者とならないための意識を大学生の内から持つ事を心がけて生活してみてはいかがでしょか?