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ビジネスの場面で正しい敬語は必須!
普段接客業のアルバイトをしている方や目上の方と話す機会が多くある方などで、日常的に使う言葉を敬語に言い換えるとどのように変わるのかよく理解していない方、結構多いのではないでしょうか?
私自身接客業を長く経験し、先輩方から正しい表現を学んできたので、普段お店などで何気なく店員さんの言葉を聞いていると、時々違和感を覚えるときがあります。営業・接客に関わらず、敬語表現は社会生活をする上でとても重要なものです。敬語表現ひとつで相手に不信感を与えてしまいかねないので、これから社会にでる学生にとっては特に大事なものになってくるでしょう。
そこで、今回は誤っているのにも関わらず、定着してしまった表現をいくつかご紹介したいと思います。
接客業で主に使う言葉
①どちらにいたしますか?
「いたします」の表現は謙譲語にあたります。謙譲語は、へりくだって自分を表現するときに使用するものなので、相手を問わず、表現を丁寧にする時に使う丁寧語を使いましょう。したがって、「どちらになさいますか?」が正解です。
②〜でよろしかったでしょうか
「商品はこちらでよろしかったでしょうか。」とよく耳にすることがありますが、「よろしかった」という言い方は過去形の表現です。「〜でよろしいでしょうか。」と現在形で聞くのが正しい聞き方です。
これと似た表現で「お間違いなかったでしょうか」という言葉もよく耳にしますが、これも「お間違いないでしょうか」と聞くようにしましょう。
③〜になります
これもお会計の際に店員さんがよく口にしていますよね。しかし、「〜になります」というのは
ものが変化していく様子を表す言い方です。
「お会計◯◯円になります」ではなく、「〜円です」もしくは「〜円でございます」と言うようにしましょう。
④〜からお預かりします
「1,000円からお預かりします」この言葉も一般的な言葉になりつつありますが、実際は「1,000円お預かりします」が正解です。
ちなみに、実際に金銭の授受をする際、おつりが出る場合は「〜円お預かりします」、出ない場合は「〜円丁度頂戴します」とするのが良いでしょう。
営業などで主に使う言葉
⑤すみません
この言葉もついつい口にしてしまう言葉かもしれませんが、ビジネス上では「すみません」を使うことはNGとされています。目上の人に用いるには失礼な表現であり、またこの言葉では感謝と謝罪の2つの意味を含んでしまいます。
きちんと「申し訳ございませんが…」や「恐れ入りますが」などといった申し訳ないという気持ちを表す表現で伝えるのが良いでしょう。
⑥お名前をちょうだいできますか
「お名前をお聞かせいただけますか」という表現と「お名刺を頂戴できますか」が合成されてできてしまった言葉と考えられます。
この場合、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」と聞くのが適切です。電話で名前を聞く場合は、漢字の表記も忘れずに聞く癖をつけると尚良いですね!
⑦とんでもございません
「とんでもない」というひとつの単語を「とんでも」と「ない」に分けて後の部分だけを敬語に変えるということはできません。「とんでもないです」とするのが適切と言えます。
⑧了解しました
口語やメールなどでよく使用される言葉ですが、これも「すみません」の時と同様に、目上の人に使うのは良くないとされる言葉です。
そもそも、「了解」という言葉は立場が上から相手を見て、許す場合に使われる言葉とされているので、上司やお客様などに対して使う言葉ではありません。「承知致しました」というのが正しいでしょう。
「れる」「られる」敬語に注意!
上記では接客業や営業における間違った表現をご紹介してきましたが、これから説明する「れる」「られる」を使った敬語は特に注意が必要です。
例を挙げるとすると、「資料を見られましたか?」という言葉だけで
1.資料をご覧になりましたか?
2.資料を見ることができましたか?
3.資料を誰かに見られませんでしたか?
このように、3つの意味にとることができてしまいます。
上記にも挙げた通り、このような言葉は複数の意味を取れてしまうものが多いため、相手に意図を正確に伝えることができない可能性があります。
その危険性を避けるために、別後形式の尊敬語を使うことをおすすめします。別後形式の尊敬語を使用することによって、意味が明確になります。
上記の例であれば、「資料をご覧になりましたか?」という表現になります。別後形式の尊敬語は限られているので、普段から使い慣れている人も今一度、確認の意味で見てみるとよいかもしれません。
また、別後形式がない場合は、すべて「お~になる」という表現になります。これも覚えておくと便利ですね。
いかがでしたか?
今回は聞き慣れてしまった本当は間違っている敬語の言い換えと、別後形式について紹介しましたが、敬語の表現はまだまだたくさんあります。
きちんとした表現を学び、今のうちからアルバイト先や目上の人と話す際などで意識して使うようにすると、将来インターンや就活の際に自然と正しい言葉遣いで話せるようになります。間違った表現が癖になってしまう前に、正しく美しい敬語を今のうちに覚えておきましょうね。