子供の就活が上手くいかないとき、親にできることはなに?
「子供の就活が上手くいかない、親として心配……」
「この子は無事、内定を取れるのだろうか……」
子供の就活が上手くいかないときは、親も不安で、心配になりますよね。
何かしてあげられないか? と考える親御さんが大多数でしょう。
ついつい気になってしまい過干渉になって、逆効果になってしまっているケースも….
本記事では、子供の就活が上手くいかないときに、親がしてあげられること・してはいけないコトを解説します。
本記事を読めば、子供の就活が上手くいかないとき、親としてすべきことが明確に分かるはずです。
子供の就活が上手くいかないとき、親がしてあげられるコト
まず子供の就活が上手くいかないとき、親としてしてあげられるコトを解説します。
また、どこまで介入するべきか、という点についても解説しています。
教えすぎは逆効果!?子供の気持ちを理解してあげよう
まずは何よりも、子供の苦しい気持ちをしっかりと理解してあげましょう。
就活が上手くいっていないとき、子供は以下のような心理状態にあります。
- 不採用通知ばかりで、「自分はダメだ」と自信を喪失している
- 「就職できないかもしれない」という不安にさいなまれている
- 志望した企業へ行けず、ショックを受けている
というように、かなり苦しい思いをしているわけです。
まずは親としてできることは、子供が苦しい思いをしているというこは、しっかり理解してあげましょう。
そのうえで、下記のようなスタンスでいればよいでしょう。
構いすぎは良くない!子供からのヘルプを待つスタンスで
基本的には、就活の具体的なところへは介入すべきではありません。
なぜなら、具体的なところへ介入したところで、子供にとってあまりよいことはないからです。
詳しい理由については後述します。
ひとまず、「子供からのヘルプを待つスタンス」でいましょう。
何か就活において悩み事があったとき、子供から相談されることもあるでしょう。
たとえば
- 「俺の長所や短所ってなんだと思う?」
- 「どうしたら緊張せずに話せるのだろう?」
- 「スーツってアイロンしていいの?」
などと聞いてくることがあります。
もしそのようなヘルプが掛かった時、全力で応えてあげましょう。
- 長所と短所を聞かれたら、じっくり考えて真剣に答える
- 緊張しない方法を聞かれたら、緊張しないTIPSをできるかぎり伝える
- スーツはアイロンしても大丈夫だよ、と伝えてあげる
というようなかたちですね。
子供よりも長く生きてきたこと、社会人経験を持っていること、大人であることが活かされるでしょう。
子供からヘルプがあった時は、全力でサポートしてあげましょう。
自己PRや長所・短所など、性格や人間性についての悩みは親の出番!!
子供のパーソナリティについてヘルプを求められたら、親としては大きなサポートができます。
パーソナリティに関する意見とは、上記のような「自分の長所と短所どこか教えて欲しい」というようなものですね。
他にも、
「俺が得意なこととはなんだろう?」
「お母さんから見て、私という人間はどんなふうに見える?」
というような質問ですね。
当たり前ですが、子供のパーソナリティをもっとも深く理解しているのは、本人を除けば他ならぬ親自身です。
子供の友達でも、面接で出会う面接官でも、大学の就職課でもありません。
むしろ子供の自己分析能力次第では、「本人よりも親の方がよくわかっている」こともあるでしょう。
したがって、パーソナリティ関連のヘルプに対しては、大きな助力ができるというわけです。
親子だからこそ、言ってあげられること、気づかせてあげられることがあるはずです。
セミナーや大学の就活サポートなどでは、見えてこないようなことが見えてくるでしょう。
子供本人が、はっとするようなことが見つかるかもしれません。
パーソナリティに関するヘルプが出されたなら、じっくり向き合い、全力で応えてあげましょう。
就活が上手くいかない時はネガティヴになりがち!親が前向きポジティブな言葉を掛けてあげましょう
先述のとおり、ヘルプがないかぎり、具体的な部分へ積極的に介入するべきではありません。
しかし、ポジティブな言葉を掛けるくらいなら、むしろ効果的です。
なぜなら背中を押すようなポジティブな言葉は、子供にとってたいへん心強いものだからです。
実際、「親にポジティブな言葉を掛けられて、とても勇気づけられた」という人はたくさんいます。
たとえばインターネットでは、以下のような元就活生のコメントがありました。
「メンタルはボロボロなのに、志望度が高めの企業面接に向かうことになった。
親にそのことを話すと、面接当日に、LINEで「普段どおりに話せばきっとうまく行く、自分を信じて頑張りなさい」、「お母さんとお父さんの子なのだから、自信を持ちなさい」と伝えてくれた。とても勇気づけられた」
「第一志望の企業から不採用通知が来た後、私はひどく落ち込んでいた。
『もうおしまいだ』というふうに、オーバーなほどネガティブになっていた。
自暴自棄になって、就活へのモチベーションも大きく下がるばかり。
そんな時、父が何を言うでもなく、レストランへ連れて行ってくれた。
父は私に、「企業なんて星の数ほどある。一つ落ちたからって、なんてことはない」
「父さんなんて、もっとたくさんの企業に落とされていたぞ、心配するな」というような話をしてくれた。
これが自分にとってターニングポイントとなった。
気分が切り替わり、ふたたび高いモチベーションを持って就活に臨めるようになった」
というように、親からのポジティブな言葉は、子供にとってたいへん心強いものです。
ここぞ、というタイミングを見計らって、ポジティブな言葉で激励してあげましょう。
子供の就活が上手くいかないとき、親がしてはいけないコト・逆効果なコト
一方で、子供の就活が上手くいかないとき、親がしてはいけないこともあります。
心配する気持ち、よい会社の内定を取ってほしい気持ちは、痛いほどに分かります。
しかし、そのような気持ちから下記のような発言や行動を取ると、逆効果となることも。
子供の邪魔にならないよう、十分に注意しましょう。
変わっていく就活の常識!過去の知識で一方的な押し付け・介入をしない
就活に対して、親の立場から一方的に介入すべきではありません。
なぜなら、具体的なアドバイスをしても、残念ながら現代の就活にはそぐわない可能性が高いからです。
たとえば面接ひとつとっても、昔とは聞かれることは違います。
企業から求められるスキルも、ここ数年でガラリと変わりました。
当時は通用していたことが、現代では通用しなくなっているという側面があります。
したがって、就活に対して具体的な介入を、一方的にすべきではないというわけです。
一番不安なのは本人。親自身がネガティブな感情を示さない
親自身も、メンタル的にやられて、ネガティブな精神状態へと入ってしまうケースは多いです。
しかし、自分自身のネガティブな感情を表に出さないことが大切です。
なぜなら親のネガティブな感情は、就活で苦戦する子供にとってプレッシャーとなるから。
たとえば、
- 「いつまでも子供の就職が決まらず不安だ」
- 「私の育て方が間違っていたから、就活も上手くいかないのだろうか?」
- 「早く安心したい……」
というような気持ちを抱えることがあるでしょう。
これらが子供に伝わってしまうと、本人からしてみれば余計なプレッシャー、ストレスとなります。
したがって、こういったことを態度に出してはいけません。
少々辛いかもしれませんが、いつもどおりに振舞うようにしましょう。
古い価値観の押し付けにより、就活を否定しない
絶対に避けてほしいのは、一方的な価値観から、子供の就活を否定しないということ。
なぜなら就活に対する否定は、子供からしてみればたいへん大きなストレスとなるからです。
たとえば、
「もっと安定した業界を目指しなさいよ」
「あなたが受けた企業、評判が悪いみたいよ」
「民間じゃなくて、公務員のほうがいいわよ」
というようなことは、絶対に言ってはいけません。
子供なりに一所懸命考えてきたプラン、就活における努力を、真っ向から否定してしまうことになります。
……といっても、子供の将来を心配するあまり、悪気がなくても言ってしまいそうになる部分もあるでしょう。
しかし、思っているのと実際口に出すのでは、雲泥の差があります。
言ってしまえば、ただでさえ上手くいかない就活が、さらに辛いものになってしまうでしょう。
ちなみに以下のような価値観を押し付けることも、できれば避けておきたいところです。
- 外資系には行って欲しくない
- 福利厚生が良い会社へ入って欲しい
- 女性なので、事務職で就職して欲しい
- 転勤のある会社には行かないで欲しい
- 特定の業界には進まないで欲しい
- 良い企業に入社できなければ、就職浪人してでも再チャレンジして欲しい
というような価値観についても、口はつぐみたいところです。
就活が上手く行っていない中、こう言った細かい条件を満たしながら就職するのは、少し難しいでしょう。
さらに親世代の頃と違って、現代における就活は難易度が高いです。
もちろん、親世代の就活が楽だった、と言いたいわけではありません。
しかし、いわゆる「バブル期」の就活ほど、イージーではないというのは数字をみれば明らかです。
以上のような条件下で、「必ず事務職に就く」・「転勤の会社に入る」など、細かい価値観に応えるのは困難です。
価値観のまま、子供の就活を否定するような言動は、絶対にしないようにしましょう。
大手企業に入ることが正解ではない!就活の正解を決めつけない
上述した価値観の押し付けにも共通する話ですが、「大企業に入ることが正解」だとは思わないようにしましょう。
それを押し付けるのは論外であるとして、根本的にもそうは思わない方がよいです。
年代的や時代背景を考えれば、親世代が「大手企業に入ることは、就活における正解である」と考えるのは自然なことです。
しかし、このような考えは、特に改めておきたいところです。
なぜなら、中小企業へ入社することが適切な選択肢である場合もあるからです。
それどころか零細企業やベンチャー企業が、本人にとってよい選択である場合もあります。
たとえば子供のやりたいことがスタートアップ(新しい会社による、新しい試み)であるとしましょう。
だとすれば、本人にとってはベンチャー企業に就職するのが良いと考えられます。
また、「零細企業で大きな成果を挙げて、転職活動でステップアップする」というキャリアの作り方もあります。
本人の考えがそこまで及んでいる場合は、零細企業に入社するのも悪い選択肢ではありません。
先ほども触れましたが、親世代が就活していたころと、現在の就活では、明らかに事情が違います。
大企業に入るか入らないで、明暗が分かれるわけでもありません。
しかしこの考えを持っているままだと、どうしても子供に対するアドバイスが、現代とはそぐわないものになってしまいます。
また、大企業以外に就職が決まったのち、ついつい「もっと大きな企業に入れればよかったのに・・・」などと口走ってしまうかもしれません。
親として、この点に関しては、特に深く理解しておきましょう。
まとめ
- まずは就活で上手くいかない、子供の気持ちを理解してあげよう
- 自発的には動かず、子供のヘルプを待つスタンスがベター
- パーソナリティに関することを聞かれたら、親として大きな助力ができる
- ポジティブな言葉は、子供を大きく勇気づけることもある
- 一方的に、具体的なアドバイスで介入するのはNG
- 出来る限り、自分自身のネガティブな感情は表には出さない
- 価値観の押し付けで、子供の就活を否定するのは絶対に避けるべき
- 大企業に入社することだけが全てではない
就活は、子供本人が乗り越えるべき壁です。
親として、具体的にしてあげられることは、決して多くないのかもしれません。
しかし子供の気持ちを理解し、必要なときに助力することはできます。
一方で介入しすぎる、親固有のネガティブな感情を表明するのはNG。
価値観を押し付けるようなことも、するべきではありません。
特に「大企業に入らないといけない」というような価値観は押し付けてしまいがち。
押し付ける、というよりも、親自身がその価値観を捨て去るべきでしょう。
心配な部分もあるかと思いますが、本人の努力を認めて、優しく見守りましょう。
本当に必要な時は、子供の方からヘルプを発信してきてくれます。