働き出して実感する本当に大切な福利厚生、見るべきポイント

働き出して初めて分かる本当に大切な福利厚生とは?

新卒採用が売り手市場になるにつれ、大掛かりな褒賞や休暇制度、社内恋愛推奨制度や飲ミニケーション制度など斬新で面白い福利厚生をよく目にするようになりました。
就活生の頃は上記のような華やかな福利厚生に目が眩んでしまいますが、実際に働き出すと就活中には目に付かなかった地味な福利厚生の方が有難いこともしばしばあります。
そこで今回は内定承諾先を決める前に知っておきたい、働き出して初めて分かる本当に大切な福利厚生と、福利厚生を見る際のポイントをお伝えします!

お金に関する福利厚生

①給与と賞与

求人を選ぶ際に必ず見るのが給与の欄ですね。
給与には大きく分けて「月給制」と「年俸制」があります。
月給制とは毎月の基本給と残業代などの手当てが付くもので、給与体系の中で一番一般的です。
年俸制とは年収を12分割した額と残業代などの手当てが付くものです。
一見大した違いは無さそうですが、年俸制にはみなし残業代」として想定内の残業代を予め含めている場合がよくあります。
みなし残業代が含まれている分、月収が高いように見えますが、残業時間が多ければ同じ残業時間でも月給制+残業代の方が高額になることもあるため目先の金額の高さに惑わされてはいけません。
また、賞与(=ボーナス)の有無は年収に大きく関わります。
企業によって支給回数や金額が異なりますが、通常の月収に単純にプラスされるため、賞与の総額によっては月収が平均より低くても年収が平均より高い金額になることもあります。
ボーナスの額を公開していない企業も多いので、具体的な額を質問するタイミングは内定を得てから企業を選ぶ際にした方が無難です。

②交通費

交通費は大したこと無さそうな項目ですが、毎月必ずかかるお金なので交通費支給要件は地味に重要です。
交通費はどこの企業でも全額支給されると思いがちですが、実はひっそりと上限額が定められていたり、実際に使うルートではなく最安値のルート分しか支給されなかったりと要件は企業によります。

交通費自体は内定承諾の判断を左右する程のものではありませんが、入社前にわかるのであれば知っておきたい項目です。

③住宅手当

一人暮らしや家庭を持っている社員に対して家賃の補助をしてくれる制度です。
家計のやりくりをしていると毎月勿体なく感じてしまう家賃。
住宅手当はその負担を補ってくれる有難い制度と言えます。
社宅や社員寮も格安で住めるため人気な制度ですが、共通ルールの存在や立地を不便に感じる場合もあり、自由に暮らせる住宅補助の人気の方が高いようです。

勤務時間に関する福利厚生

④フレックス制度

始業時間と終業時間を数時間、前後にスライドさせることができる制度です。
勤務時間数は変わりませんが、例えば前日の夜が遅い時や朝の体調が悪い時に始業時間を遅らせたり、ワールドカップを見るために早く仕事を切り上げたいという時に終業時間を早めたり、一般的には個々の状況に合わせて利用できるので勤務の負担を軽減することができます。

⑤有給休暇の利用単位

どんな企業でも入社6ヵ月後に必ず付与される有給休暇ですが、利用単位は企業によって異なります。
1日単位や半日単位での利用が一般的ですが、手厚い企業だと時間単位での利用もできるようです。
体調が悪い時の遅刻や早退などにも有給休暇が利用できる他、育児中の社員は子供に関するイレギュラーが起きやすく、その対処にも充てることができます。

休暇に関する福利厚生

⑥週休二日制と完全週休二日制

よく見かける表記ですが、似ているようでかなり異なるため要注意です。
週休二日制で保障されているのは、月に1回以上の週2日の休み+その他の週の週1日の休みのみで、必ず週2日休みがあるわけではありません。
一方の完全週休二日制では毎週2日の休みが保障されています。
また「完全週休二日(土・日)」と表記されていれば土曜日と日曜日の連休ですが、そうでない場合は必ずしも完全週休二日=土日の連休とは限らないので注意しましょう。
更にこの表記の場合、祝日がある週は祝日もしくは他の曜日が出勤日になる可能性が高いです。
祝日も含め、完全に週休二日と読み取りましょう。
土日に連休がありプラス祝日も休日になる企業の場合、「完全週休二日(土・日)、祝日」と表記されます。
こうした少しの表記の違いに気を付けましょう。

⑦長期休暇

通常、長期休暇を取りたい時には休日に有給休暇を組み合わせる場合が多いですが、福利厚生の手厚い企業にはリフレッシュや勉学のために1週間以上の長期休暇を取得できる制度があります。
近年では求人情報に有給休暇平均取得日数の記載がありますが、多くの企業では十分な有給休暇の取得が実現できていません。
もし有給とは別に長期休暇が取得できれば、海外旅行はもちろん在職中の短期留学も夢ではありませんね。

ライフイベントに関する福利厚生

⑧育児支援

どの企業にもありそうな育児支援ですが、若手の多いベンチャー企業や中小企業の中には整備されていない場合もあるため、特に女性は必ずチェックが必要です。
育児休暇期間短時間勤務が可能な期間は法律によって最短期間は定められていますが、最長期間は企業によって大きく異なり、最長期間が長いほど多様な働き方を選択することができます。
「まだまだ先のことだから…」と目を背けず、結婚・出産後も働き続けたいと考えている人はいざという時に困らないようにしっかり情報収集しておきましょう。

⑨介護支援

⑧の育児支援と似た内容ですが、親の介護が必要になった時に働き続けられる環境か否かは人生を左右するほど重要です。
短時間勤務が何年間可能なのか、手当てはあるのか、大学生の内から実感を持つことは難しいかもしれませんが、制度自体があるかどうかの確認をしておくだけでも将来安心して働くことができます。

日常的な福利厚生

⑩オフィスの設備

福利厚生の欄には記載されない項目ですが、オフィスの設備が充実していると入社後非常に便利です。
例えば自動販売機や喫煙スペース、休憩室などがある企業にはちょっとした休憩が取りやすい社内風土がある場合が多いです。
他にも、ランチスペースなどがあると重宝します。
毎日ランチで外食をしていると食費がかさんでしまいますが、デスクで食べるのも気が引けるのでランチスペースや電子レンジなどの設備は有難いものです。
このような設備は社内見学の機会や「休憩時間はどのように過ごされることが多いですか?」などの質問で知ることができます。

さいごに

給与や福利厚生は働いてみないと分からないことも多いかもしれませんが、だからといってよく分からないまま入社してしまうと後々トラブルに繋がることもあります。
とはいえ初めから福利厚生のことばかり質問していると、企業に怪訝に思われ印象を悪くしてしまう場合もありますので、選考を進むに当たり徐々に情報収集していくと良いでしょう。
就活生はぜひこちらの記事を企業選びの参考にしてくださいね。