23卒で就活をする学生の方は「コロナで就職氷河期が来たといわれるけど、自分たちの代まで続くのだろうか?影響はあるの?」と疑問に思っていませんか。コロナウイルスは各業界に大きな影響を及ぼしており、就活にも大きな波紋を呼んでいます。実際のところどうなのでしょうか。
そこで今回は就職氷河期がいつまで続くのか、現状や今後の動向についてまとめました。これから就活を控えている23卒の方はぜひ参考にしてください。
目次
コロナ禍における21卒・22卒の就活への影響
コロナ禍真っただ中で行われた21卒、22卒の就活はどのような影響を受けたのでしょうか。実際にあった事例をいくつか紹介します。
コロナにより内定が取り消しに
コロナウイルスが見つかり、本格的に問題になり始めたのは2020年の1月から3月にかけた数か月間でした。
その間に内定をもらっていた21卒の就活生の中には、自粛要請を受けて業績が悪化した企業から内定を取り消されてしまった人もいます。
内定をもらってあとは卒業するだけだったにも関わらず、4月になったら就職先がなくなってしまった…。という最悪の事態に陥ってしまった人もいます。
そうした人たちのために救済措置として新たな採用枠を設けた企業もあり、内定を取り消された学生の中には幸い新しい仕事を見つけた人もいました。
新卒採用を中止した企業
著しく経済状態が悪化した業界では、新卒採用を止めている企業もあります。たとえば航空会社のANAは21卒の採用を一時的にやめて、3,000人近くの採用を中止しました。
22卒でも採用人数を数十人程度にとどめており、縮小傾向にあります。このほかにも小売業、サービス業、運送業は軒並み厳しい状態にあり、新卒採用の人数を絞っているところも少なくありません。
また、新卒採用を中止とまではいかずとも、中途採用に切り替えているところもあります。新卒社員はどうしても育成に時間やコストがかかってしまうので、即戦力となる中途採用に注力するほうがコストパフォーマンスはいいのでしょう。
そうした企業が一定数いるため、一部の業界では新卒採用の状況は特に困難になっています。
求人倍率は下がっているものの1.5倍を維持
経済状態が悪くなっていてコロナ禍での就職は難しいという声もあります。一方で「コロナ禍は就職氷河期とはいえない」という意見もあるのです。
なぜこのようなことが起こるのか、その理由は求人倍率にあります。
「コロナ禍は就職氷河期」といわれていますが、求人倍率はそこまで悪くなっていません。
直近で「就職氷河期」といわれた2000年と比較するとその差はよくわかります。
- 2000年0.99倍
- 2020年1.83倍
- 2021年1.53倍
- 2022年1.50倍
2000年の就職氷河期は0.99倍でしたが、2022年は1.50倍となっています。単純計算しても、1人あたり1つ以上の内定をもらえるのです。
数字にしてみると、コロナ禍であるとはいえ、そこまで悪い状態ではないのではないでしょうか。
参考:リクルートワークス研究所
ただ若干その数字は下がってきているので、23卒の求人倍率も引き続き下がる可能性はあります。2021年6月時点では都市部にて緊急事態宣言が延長されていますので、経済状態が悪化して求人倍率に影響するかもしれません。
ただ一番数字が低かった時に比べると「最悪の状態」ではないので、仕事の探し方次第で「まったく仕事に就けない状態」を免れることは十分可能です。
22卒の採用数は「今年度並み」が約7割
新卒採用の枠数を減らしている企業もありますが、全てが同じ状況ではありません。マイナビの調査によると「新卒の内定枠は今年度並み」と答えた企業が全体の約7割でした。
つまり、ほとんどの企業は例年通りの新卒採用を行うということです。新卒で入った社員は長い時間をかけて育てて、ゆくゆくは企業を引っ張っていく人材にすることを想定しています。
そのため一時的に経営状態が悪化しても、長い目で企業を存続させるために新卒採用をやめる企業は全体のうちごくわずかであるといえるでしょう。
23卒の学生が就活のためにやっておくべきこと
コロナ禍で悪化した経済状態はそう簡単によくなりません。評論家の意見では「回復するまでに数年、もしくはそれ以上かかる可能性もある」と述べている人もいます。
では学生はどうしたらいいのでしょうか。知っておくべきことと、就活に向けてやっておきたいことを解説します。
新しい働き方に対応する準備を行う
アフターコロナでは、今までとは違う新しい働き方が浸透しています。たとえば企業に出社しないテレワークや、個人事業主を雇って業務委託として迎え入れる働き方などが増えているのです。
日本では決まった労働時間働けば報酬がもらえる「固定報酬型」の企業が大半ですが、これからは欧米のような「成果報酬型」になっていくという声もあります。成果報酬型では、先輩写真から懇切丁寧に教育をしてもらえるわけではありません。
自ら勉強してスキルを高めて、どんどん行動していく積極性が必要です。そうした新しい働き方に対応できるよう、個人で稼ぐ力をつけることが大切になります。
選択肢は広く持っておく
コロナ禍では経営状態が悪化している企業ばかり取りざたされていますが、成長し続けている企業もたくさんあります。
たとえばIT・デジタル分野はコロナウイルスの影響を受けにくいので、コロナ禍でも順調に売り上げを伸ばしているのです。
就活では希望する業界を絞って行動する人もいますが、なるべく選択肢を広く持っておくことで「内定ゼロ」になるリスクを回避できます。
業界で絞るのではなく「やりたいことを実現できそうな企業」に焦点を当てて、複数の業界から志望企業を探してみてください。
まとめ
コロナ禍で再来した就職氷河期がいつまで続くのか、現在どのような影響が出ているのか解説しました。
就職氷河期はすぐに解消するものではないので、経済が回復するまでに数年かそれ以上かかることが予想されます。
しかし2000年のリーマンショックのように求人倍率が著しく下がっているわけではないので、過度に悲観する必要はありません。
自分のやりたいことを明確にして、柔軟に就活を進めれば「内定が一切もらえない」状態は避けられます。
市場動向を理解したうえで、キャリアプランを実現できそうな企業を見つけてくださいね。