大学生の一味違う夏休み!地方インターンで空き家リノベをした体験記

地方 空き家

平凡でない夏休みって何?私の出した答えは、地方での空き家改装だった。

大学3年生の夏休みという、貴重な1か月間。友達と楽しい思い出をつくる、就職活動をするなどの過ごし方が一般的でしょう。でも、それだけではなんだか平凡で物足りないとは思いませんか?今回は、

  • 地方で何かアクションを起こしてみたい方
  • 中期インターンシップを探している方
  • 遊んで過ごす大学生活に物足りなさを感じている方
  • DIYが好きな方

そんな方々に読んでいただきたい、地方で生活をしながらインターンをした筆者の夏休みの体験を公開したいと思います!

空き家問題の原因・現状

地方 空き家

空き家が地方を中心に増えていることを知っていましたか?今回の筆者のインターン先であった釜石市も例外ではなく、現時点で約831件もの空き家があります。

空き家になる原因は、

  • 家の持ち主が亡くなってしまった
  • 高齢者の方で、1人では住めない状況になっている
  • 家が倉庫化している
  • 税金対策のために放置されている

などなど、たくさんあります。このような空き家増加問題を解決すべく、行政として空き家バンクが全国的に動いていたり、古民家リノベーションが注目されたりと、いろいろな活動が実施されていますが、まだまだ成功している地域は一部です。

釜石市の問題点って?

地方 空き家

釜石市で問題となっている事の1つに、宿泊施設が不足しているという問題があります。

釜石は被災地ということもあり、ボランティアやインターン参加者が10万人を超えています。
釜石の市街地には3つのビジネスホテルがありますが、ボランティアやインターン参加者などの中長期滞在者にとって、ホテルでの宿泊代は高くついてしまいます。ホテルの他にも旅館はありますが、そこまで多くはありません。

このように、ボランティアやインターン生が来ても、ニーズに合った宿泊場所がなく、見つけるのが大変という現状です。現在は使えている仮設住宅も、集約に向かっているので、より一層宿泊場所が減ってしまいます。

そんな中、2019年のラグビーワールドカップという、たくさんの人が来る機会があります。その際に釜石を訪れた人たちは、どこに宿泊するのでしょうか?

地方インターンシップのミッション

地方 空き家

私が参加したインターンシップは、NPO法人 ETIC.が考える、日本全国の挑戦を続ける地域企業やNPOなどの地域リーダーの右腕となって、ともに新規事業や商品開発に携わる実践型のインターンシッププログラムです。
東京ではなかなか出来ない、地域の最前線で挑戦できるプログラムでした。

私が岩手県釜石市で、全国各地で増えつつある「空き家」を資源として活用するため、

1軒の空き家をリノベーションをし、地域のモデルになる

というミッションに取り組みました。

1軒まるまるインターン生の好きにしていいという太っ腹さ。とてもわくわくしました!
上の写真がその空き家です。「そんなに汚くないじゃん」、と思う方も多いと思います。確かに床が抜けているというようなひどい状態ではなかったので、ラッキーでした。

目標・ターゲット・作業内容、すべて自分たちで決められるほど自由度が高いのです!
という事で私たちで「コンセプト」「ペルソナ」「トータルスケジュール」「広報」などを0から決めて実行しました。

ここに、釜石空き家リノべプロジェクトが始動しました!!

ここでいくつかの問題点。

  • インターン生2人は、釜石にはじめて来ました。
  • インターン生2人は、DIYをするのも工具をまともに使うのも初めてでした。
  • 家が空の状態ではなく、私たちインターン生以外の人を含め、5人が生活していました。

本当に、地域の方々にモデルハウスとして公開するところまでいけるのか、とても不安でした。
少なくとも床が抜けているほどの状況ではなくて、本当によかったです。

作業内容(広報編)

地方 空き家

  1. 歩く広告塔作戦

    インターン期間中、少しでも多くの人に私たちの存在を知ってもらうため、外を出歩くときは作業着であるつなぎを着て歩きました。すると、市内の工事業者さんが私たちを同業者と思ったのか「お疲れさまです」と声をかけてくださったり、会釈してくださるなんてことも度々ありました(笑)
    また、作業のお手伝いに来てくださる方もいました。作戦成功です!

  2. Facebookページの開設

    • 私たちの存在を知ってもらう
    • 近くにいない釜石の方にも、活動内容を知ってもらう
    • ファンをつくる

    といった目的で、開設しました。その結果、
    いいね数は1か月で0→154
    フォロワー数は0→160になりました。

  3. プレスリリース

    代表のプレスリリースのおかげで、「岩手日報」「復興釜石新聞」「読売新聞」「NHK おばんですいわて」に掲載と出演をさせて頂きました。また、Facebookとメディア掲載をきっかけに、

    • リノベーション作業のご協力者さんが集まる
    • 空き家を所有している方から連絡がくる

    といった反応を頂きました。何度も来て頂いたりアドバイスをして下さるなど、沢山のご協力者さんの協力を得る事ができました!

作業内容(リノベーション編)

1週間目

  1. コンセプト・スケジュール・デザイン決定など
    名前:「糸と吉-ゆい-」
    コンセプト:「田舎にある我が家。」
    ターゲット:インターン生、ボランティア、IUターン新卒者などの、目的をもって来た中長期滞在者
  2. 発注
    1部屋のリノベーションにかかった費用は、121,394円でした。
  3. 掃除

2週間目

  1. 壁紙剥がし・柱などの木やすり
    元の壁紙やノリを剥がしたり、刺さっていた釘などを抜き、0に戻す作業をしました。
    想像以上に地味な作業で、一番体力が削られた気がします。地方 空き家
  2. 下地ぬり
    ペンキなどの塗料や錆が浮いてこないように、下地を塗る作業です。
    2度塗りをしたのですが、下地の時点ではムラが目立ち少し不安でした。地方 空き家

3週間目

  1. 塗装
    私たちは一般のペンキではなく、湿気を吸ってくれる珪藻土という塗料を使用しました。
    (この作業は、私が一番楽しみにしていた作業です。)
    地方 空き家
  2. 床貼り
    せっかく釜石でリノベーションをしているので、釜石らしさを取り入れたいという思いから、釜石産の杉の木を使いました。おかげで、温かみのある優しい雰囲気になりました。
    地方 空き家
  3. 建具づくり
    玄関と部屋の仕切りである建具を、和風の建具から部屋の雰囲気に合わせてイメージチェンジをしました。2つ目のこだわりは、細いベニヤを貼ることであたかも建具が木製であるように見せているところです。これは、アドバイスをしてくれていた方のアイデアでした。
    地方 空き家
  4. インテリア類
    一番気を遣ったのは照明です。照明1つで雰囲気はがらっと変わるので、特に電球の色はコンセプトを意識して決めました。ありがたいことに、照明本体はFacebookの投稿を見た釜石在住の方が譲ってくださいました!

4週間目

  1. お披露目会
    「空き家をリノベーションして地域のモデルになること」がミッションという事で、途中ではありますが2日間お披露目会を開催しました。地元の方との交流もしながらリノベーションの話をして、空き家活用の一例をお見せする事ができました。

  2. 情報整理などのまとめ
    費用や注意点などの情報整理をして、引継ぎ資料作成をしました。

これからのこと。

Before

地方 空き家

After

地方 空き家

1ヶ月間の延来訪者数は、100人以上。
お披露目会は広報がギリギリのスタートになってしまいましたが、2日間の募集で20集まりました。
地元の方々と交流しながら作業をする事ができたので、楽しめたことはもちろん、地元の方がこの「糸と吉」に愛着を持ってくれたことが何よりもうれしかったです。

最初に問題視していた、素人なのに大丈夫かなという問題については、すでに釜石で自宅をリノベーションした方がアドバイスをして下さったおかげで解決しました。


「あれ?リノベーションするのは1軒まるまるじゃないの?」と思った方もいらっしゃることでしょう。そうなんです。私たちの力では、作業時間実質2週間だけで1軒のリノベーションをすることはできませんでした。

という事で、この「釜石空き家リノベプロジェクト」は今後も続きます。

地方 空き家

 

このような流れで進めていく予定です。
私たちのインターンシップは、「今回」の部分です。1年で短期目標を達成できるよう、進めていきたいです。

詳しい進捗はFacebookで更新していきます。

さいごに

地方 空き家

今回のリノベーションは、学生インターンの素人2人でも、ここまでする事ができました。ありきたりな大学生活や都会での生活に物足りなさを感じている方、思い切って、普段はなかなかできないようなこと、何か新しいことなどにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?

地方 空き家