就活を始めると必ず耳にする『商社』ですが、何をしている会社なのか、どんな仕事があるのかなど、最初から正確に把握している人は少ないのではないでしょうか。
また、商社にも「総合商社」と「専門商社」があり、どんな違いがあるのかも気になりますよね。
今回は【総合商社と専門商社はどう違う?『商社』について1から解説!】と題して、商社とは何か?から総合商社と専門商社の違いまで順番に解説していきます。
後半では、商社勤務に向いている人がどんな人かについても触れていますので、是非最後までご覧ください。
そもそも『商社』とは?1から解説!
『商社』という言葉を辞書で引いてみると、
【輸出入貿易ならびに国内における物資の販売を業務の中心にした、商業を営む業態の会社である。】と出てきます。
商社という言葉の生みの親は、幕末期に活躍していた小栗忠順という人物だと言われているそうです。彼が英語の「company」を「商社」と訳したのがそもそもの始まりだそうですよ!
(参考:weblio辞書)
「商業」というのは、商品を売って利益を得ることを軸とした事業です。私たちの普段の生活の近くにあるような気がしますね。
さらに深掘りしてみましょう。
商社では、商品を仕入れてから売るまで、商品の流れすべてに関わっています。
売りたい商品を製造するメーカーから商品を仕入れ、日本に輸入。それを日本の流通チャネルに卸して消費者へ届けるよう動きます。
場合によっては、ワンランク上の商品を作ってもらうようメーカーに交渉したり、そのために製造工場を建設することになるかもしれません。
例えば食品だったら、独自の方法で売り出すために飲食店を開店するのも戦略として良いかもしれませんね。
これはあくまでも例ですが、このすべてをやっているのが商社なのです。
総合商社と専門商社はどう違う?
商社に『総合』と『専門』という単語がくっついているのでイメージしやすいかと思いますが、
■総合商社・・・扱う商品・分野が幅広い商社
■専門商社・・・特定の商品・分野に特化している商社
と、言葉通りの違いがあります。
2つの大きな違いは、扱う商品やサービスの幅であるとも言えますね。
ここからはそれぞれを深掘りして説明していきます!
総合商社って何?
「ラーメンから航空機まで」のような言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
これは、総合商社が扱う商品の幅広さを表すために使われる言葉です。
スーパーに売っている1つ100円程度の商品から、何億・何十億の想像するのも難しい大規模なモノまでを1つの企業が扱っているのです。
総合商社のメリットとデメリット
《メリット》
・規模が大きいビジネスが可能
上でも説明した通り、何億・何十億の大きな金額が動くようなビジネスがたくさんあり、インフラ関連(電気/ガス/水道など生活基盤となるもの)なら何兆円にもなりえます。
企業を支える圧倒的な強みですよね。
・1つダメでも他に逃げられる
扱う商品が幅広い分、1つがダメだったとしても、他の商品でそれをカバーすることができます。
《デメリット》
・損失が大きい
規模が大きいという事は、万が一失敗だった場合の損失額もはかり知れません。
事業が予定通りに進まないなど、先読みに失敗するとかすり傷では済まないという事ですね。
・小規模でニッチな商品を扱えない
大型の事業をメインとしているがゆえ、こまごまとした商品やニッチな商品は逆に扱えず、そのような物を扱う企業は顧客にならないとも言えますね。
専門商社って何?
冒頭で、特定の分野(商品)に特化している商社と説明しましたが、扱っている商品が1種類だけという事ではありません。
専門商社と呼べる定義としては、売上高の50%以上が特定の商品や分野であることです。
代表的なのは「日用品」「化学製品」などです。
就活生の視点から見ると、どの専門商社に就職するかで携わる分野がほぼ特定されるという事になりますね。
しかし50%ということは、もう半分で他の分野も扱っている専門商社も多いので2番手3番手の商品にも目を向けて企業を見てみると良さそうです。
そして、専門商社は大きく3つにわけることが出来ます。
■総合商社系専門商社・・・総合商社の子会社のようなポジション
■メーカー系専門商社・・・1つのメーカーに特化した商社
■独立系専門商社・・・総合商社やメーカーに属さず独自で事業を展開
専門商社のメリットとデメリット
《メリット》
・顧客が近い
商品の幅が限られていることで顧客と密に接することができます。
「細やかで小回りの利く方が良い」と専門商社を選ぶメーカーもあるんだとか。
・特定の分野に精通することができる
その分野のこれまでの流れを知っているため動向を掴みやすく、大きく読みを外したり失敗することが少ないと言えます。
《デメリット》
・その分野の市場影響をダイレクトに受ける
急に需要が減ったり市場が縮小した場合に、企業全体が影響をそのまま受けることになります。
・自由度が低め
「特定の分野」という枠があるため、それを超える商品や分野に進出するのは難しいと言えるでしょう。
商社勤務に向いている人は?
前半で説明した通り、商業の川上から川下まですべてをやる商社には、大きく分けて4つの職種があります。
・営業・・・企業同士をつなぐ役割。外回りが多い。
・営業事務・・・営業のサポート。取引先によっては語学力が必要な場合もある。
・貿易事務・・・輸出入が多い商社では重要なポジション。通関の専門知識が必要。
・事業事務・・・取引先の選定、新事業の立案、課題解決など幅広く活躍。
どんな人が商社勤務に向いているのか、3つ挙げてみました。
■コミュニケーションスキルに自信がある
上に挙げたように、どの職種でも人と接する機会はかなり多いといえます。
ハイレベルな交渉力や、相手の気持ちをくみ取ったりグループをまとめる力も必要となるでしょう。
語学力に関しては+αの部分なので必須ではない場合が多いです。
常日頃から人と会話する機会が多い方は商社が向いていると言えますね。
■何事も挑戦するチャレンジ精神
商社では、新しいことに積極的にチャレンジし失敗を恐れず前進できる人が評価されます。
「〇〇を成し遂げたい!」という強い意志がある人は商社勤務に向いているでしょう。
その情熱が、入社後ツラい局面でも自分を助けてくれるはずですよ。
■タフな人
商社で働く人たちは、皆さん多忙です。そして外回りが多くデスクに座っている時間は少ないと言えます。
商社は、他と比べると年収が高いので就活生から人気がありますが、その分仕事量も多いので残業もそれなりに多いです。
仕事はタフにしっかりとこなし、休日はしっかりと休むのようにメリハリをつけて生活できる人には向いていると言えるでしょう。
最後に
そもそも商社って何をしているのか、そして総合商社と専門商社の違いは何なのか、お分かりいただけたのではないでしょうか。
後半では、商社での業務についてもざっくりとイメージできたかと思います。
大規模プロジェクトに関われる総合商社か、
専門的に深く学べる専門商社か、
はたまた商社以外か、
少しでも自分のやりたいことを見つめ直す機会になれば幸いです。