【時事問題】他人事じゃない、身近に潜むランサムウェアの脅威と対策

ランサムウェアとは?脅威と対策

みなさんは、ランサムウェアについてはどのくらいご存知でしょうか?少し前までは海外が中心のニュースで、大企業が被害に遭ったとか、そういった話が多くてあまり日本の大学生には関係ないのではないかと思いがちです。しかし、被害の7割近くが企業ではなく「個人」であり、日本人でも報告されただけで460件の個人被害者が2016年に出ています。つまり何が言いたいのかというと、ランサムウェアによる被害は決して他人事ではなく、いつ私たちに火の粉が降りかかるのかわからない以上、しっかりと理解をした上で対策をして欲しいということです。忙しい人は最後のまとめだけでも読んでいってください。

1,ランサムウェアの正体

ではランサムウェアとは一体何なのか、それをまずお伝えしたいと思います。ランサムウェアとはいわゆるインターネットウイルスの一種であり、スマートフォンやPCが感染の対象になります。そして、普通のウイルスであれば、コンピュータを勝手に操作されたり、個人情報が抜き取られたりといった被害が中心になるのですが、ランサムウェアのランサム(Ransome)は身代金という意味であり、フォルダや写真等を暗号化させて使えないようにし、決められた時間内にお金を支払わなければ解除されず、そのままの状態にされてしまいます。もっと噛み砕けば、「あなたのスマホの大切な思い出が詰まったアルバムを見れなくしました。カギは私が持っています。1週間以内に指定の口座に5万円振り込んでください。さもなくばアルバムの写真は水の泡です。」といったやり口での被害が出ています。しかもタチが悪いのはお金を支払ったところで暗号化を解除してくれる保証がないことです。主な感染経路はいわゆる迷惑メールであったり、特定のURLを開くと感染するというような従来のウイルスと同じです。最近では、支払いも現金ではなく、個人の特定が困難とされているビットコインで要求されるケースも増え始め、犯人を捕まえるのも困難とされています。

2,被害の実例

では実際にどのような被害が出ているのか、ケースをご紹介できればと思います。まず、日本ではJR東日本や日立製作所、イオンといった身近な企業でも感染が報告されています。特にイオンの場合は、イオン施設内の商品PR用のディスプレイが感染し、突如お客さんのにぎわう店内で警告画面が表示されることとなりました。世界で見ると、駐車場の精算機であったり、ガソリンスタンドの給湯機が感染したりと、直接感染してお金を払うわけでなくても、間接的に迷惑を受ける可能性があるのです。更に恐ろしい被害も海外では報告されています。なんと、病院の患者情報を人質に取っての身代金請求が非常に増えているのです。もし病院が感染すれば、患者の治療はストップせざるを得なくなり、病院側は支払う以外の選択肢が無いのです。更に、危篤状態であったり、重病にかかっている人がいれば、命が関わってくるので身代金という言葉が本当になります。幸いまだ日本の病院での被害は報告されていませんが、いずれ感染する病院が出てくるかもしれません。そうなってしまうと、もはや他人事と割り切れる話ではないでしょう。

3,対策方法

ここまで、散々ランサムウェアの不安を煽ってきましたが、対策さえしっかりとしていればそんなに恐れるような話ではありません。対策する上で欠かせない3つのポイントをまとめてみました。

①ウイルス対策ソフトを入れる

既に導入している方も多いかもしれませんが、ウイルス対策ソフトを使った対策が最も効果的です。ただし、今もなおランサムウェアの種類は増え続けていて、現在だと300種類近いランサムウェアが存在しています。そのため、常にアップデートを忘れずに最新版のウイルス対策ソフトウェアを導入しておきましょう。

②バックアップを取る

万が一ランサムウェアに感染してしまったとしても、バックアップが取ってあれば安心です。USBといった外部メモリーに保存しておく方法もありますが、Onedrive等のウェブクラウドを活用するのも選択肢の1つです。

③不用意にメールを開かない

触らぬ神に祟りなしという言葉が昔からあるように、全く身に覚えのないメールや、甘い言葉を巧みに使ったメールに引っかからないようにすることが最も大切です。ただし、最近はAmazonや大手銀行のふりをした高度ななりすましメールもあるので油断は禁物です。

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いかがでしたでしょうか。再度まとめると、ランサムウェアとは、フォルダを人質に取って身代金の請求をするコンピュータウイルスの一種で、企業だけではなく、個人の被害も報告されています。

有効な対策手段として、以下3つが挙げられます。

①ウイルス対策ソフトを入れる

②バックアップを取る

③不用意にメールを開かない

しつこくなりますが、ランサムウェアは他人事ではありません。感染しても無視をしようというわけにはいかないのでしっかりと対策をしましょう。

参考

ZDNet Japan

「ランサムウェアの身代金要求に最も応じるのは米国–日本は検知率で2位」

國谷武史 (編集部) 2017年04月27日 07時00分
https://japan.zdnet.com/article/35100381/

トレンドマイクロis702 「ランサムウェアの最新手口と5つの対策」
https://www.is702.jp/special/2108/

J-castニュース

「イオンのディスプレーも餌食に… ランサムウェア「WannaCry」街角でも増殖中」

2017/5/16 16:49
https://www.j-cast.com/2017/05/16298081.html?p=all

J-castニュース

「日本国内でも「ランサムウェア」 日立やJR東日本も被害か」

2017/5/15 17:15
https://www.j-cast.com/2017/05/15297947.html