【22卒向け】総合商社とは?知っておきたい事業内容や海外駐在事情

総合商社を受けようとしている22卒の学生さんや、興味がある就活生は多いのではないでしょうか。海外に行ったり、英語で取引をしたり、仕事のやりがいがあってかっこいいイメージがありますよね。

 

今回はそんな総合商社について、基本的な情報をわかりやすく解説していきます。事業内容や実際の仕事、海外駐在についてもまとめました。総合商社について少しでも詳しく知りたい人は、記事の内容を参考にしてください。

 

1. 総合商社の基本情報

まずは総合商社の基本的な情報と、専門商社の違いについて解説します。総合商社についてなんとなく知っているけどうまく説明できない学生さんは、この機会に理解を深めましょう。

 

1-1. 総合商社とは

 

総合商社は、簡単にいうと「サービスを売りたい会社と、買いたい会社の取引の流れを作る」役割を担っています。売り手と買い手の間に入る、ハブのような企業です。取引の流れを作るのは日本の企業同士だけでなく、海外と日本の企業をマッチさせることも行います。

 

そのため、英語を話せる商社マンが海外を飛び回る姿をイメージする学生は多いのではないでしょうか。商社自体は製品やサービスを作っているわけではなく、あくまでも仲介役。売り手と買い手が取引をする中で、仲介手数料をもらって売り上げをたてています。

 

1-2. 専門商社との違い

 

総合商社と専門商社の大きな違いは、扱う分野の広さです。名前のとおり総合商社は、総合的に幅広い分野の製品を取り扱います。たとえば車からガス、ネットワーク機器まで、数え始めるとキリがありません。

 

一方で専門商社は、特定の領域に特化したサービスをメインに扱います。情報商材なら無線ルーターやVPN回線、パソコンなど通信に関するものが中心です。

 

そして、一般的に総合商社と呼ばれる会社は、日本に数社しかありません。三菱商事、丸紅、伊藤忠商事、住友商事、三井物産、双日、豊田通商などが該当します。どれも大手企業で、聞いたことがある社名も多いと思います。

 

対して専門商社は総合商社より数が多く、大手から中小まで規模もさまざまです。基本的には大手の総合商社の方が、就活生に人気が高く、応募倍率も高い傾向にあります。

 

2. 総合商社の事業と仕事内容

 

ここからは、総合商社は具体的にどんな仕事をしているか解説していきます。一般的な事業内容と、入社した際におこなう業務についても詳しく見てみましょう。

 

2-1. 総合商社の事業内容

 

総合商社の事業は、売り手と買い手をつなげて新しい商流を作ることがメインです。たとえば海外から仕入れた車の部品を国内の車メーカーに売る、といった具合です。

 

また企業だけでなく、個人が消費する商品の卸売りも行います。たとえば、私達は風邪薬を直接製薬会社から買うことはないですよね。製薬会社から薬を大量に買い取って、ドラッグストアに卸しているのが商社の役割なのです。

 

そして、総合商社では銀行のように他の会社への融資もやっています。メーカーの商品がエンドユーザーの手に渡って、支払ったお金が入ってくるまでにはとても長い時間がかかります。その間に事業がつぶれないよう、先行投資をする役割もあるのです。

 

2-2. 総合商社の実際の仕事内容

 

では総合商社に入ったら、具体的にどんな業務にたずさわるのでしょうか。新卒として入るには、大きくわけて総合職と一般職の2種類があります。

 

・総合職

総合職の業務は、先ほど説明したような商流づくりや、既存の商流の維持が中心です。メーカーと小売店それぞれと打ち合わせをして、どのくらい売りたいのか、買いたいのかのニーズをマッチさせます。

 

そして月間〇個の商品をA社から買って、翌月末までにB社へ送る、という流れを確定させるのです。クライアントの要望に応じてその数を増やしたり、製品を変えたり、価格交渉をしたり、業務内容は多岐にわたります。プロジェクトによっては数億円規模になることもあるでしょう。

 

もちろん海外企業とのやり取りもあるため、国外に出る可能性は多いにあります。日本で製造した商品を海外に売ったり、海外で作っている素材を仕入れたり。国内外を飛び回るのも営業マンの仕事です。

 

・一般職

一般職は総合職ほどの裁量はなく、収入も総合職より低めの傾向にあります。業務は契約にかかわる書類作成や入出金業務、商品の出荷手配が中心。どちらかというと、華々しい商社マンの業務というより、縁の下の力持ちのような仕事です。

 

仕事内容もある程度決まっているため、プライベートの時間を確保したい人や、人をサポートするのが好きな人に向いている仕事といえるでしょう。

 

3. 総合商社マンの海外駐在

総合商社に入れば海外で勤務できる、と考える学生さんは多いと思います。たしかに海外駐在する社員の割合は2から3割と、他の業界と比べるとかなり高いです。海外駐在のリアルな事情と、必要な英語力について解説します。

 

3-1. 海外駐在のリアルな事情

 

総合商社では、海外駐在は当たり前の世界です。若いうちから国外支店に派遣される可能性は高いでしょう。具体的には、現地企業を訪問してマーケティングをしたり、関連企業のサポートをしたりする業務が中心です。

 

ただ、海外に行けるといっても、赴任する国は選べないと思ったほうがいいでしょう。アメリカやヨーロッパに憧れる人も多いかもしれませんが、先進国の駐在は圧倒的な人気の高さです。まず、社内の競争を勝ち抜かないといけません。

 

せっかく海外にいけたとしても、東南アジアやアフリカなどの後進国の可能性もあります。また担当するのは報告書の作成や上司のホテル予約など、若いうちは地味な業務も多いことを覚悟しておきましょう。

 

3-2. 商社マンに必要な英語力

 

総合商社に入るには、TOEICで730点以上、英検で準1級以上は必須といわれています。入社するメンバーの中には帰国子女も多いため、日本で育った人は苦労するかもしれません。

 

海外赴任をしなくても、仕事で外国人の社員やクライアントと話す機会はたくさんあります。「英語で仕事ができる」程度のスキルは必須なので、今のうちから磨きをかけておきましょう。

 

まとめ:総合商社では高いスキルが必須だが、仕事はやりがいがある

 

総合商社に興味がある22卒の学生に向けて、基本的な事業内容や駐在員の事情について解説しました。日本の総合商社は7社しかないため、就活で合格できる人数はごくわずかです。入ったあともビジネス英語を使うのは当たり前のため、苦労することも多いでしょう。

 

しかし、その分裁量が大きくやりがいがあるのも魅力的な点です。扱う分野がバラエティ―に富んでいるので、自分のやりたい領域を見つけることもできるかもしれません。総合商社を受けてみたいと思ったら、早速業界研究から始めてみてください。