「地方創生」とは言うけど…関西人が分析する若者が地元よりも東京を選ぶわけ

どうして東京に人が集まるの??

「毎日満員電車に揺られ、レストランは常に満席。休みの日は宿も飛行機も予約でいっぱい…なんで東京はこんなに人が多いんだろう…」
このような経験をした人、多いのではないでしょうか?それもそのはず、東京には1400万人近くの人が住み、転入超過数(転入者が転出者を上回る数の差)が毎年10万人前後も記録されています。そんな東京都であれば、人が集中していると感じるのも頷けます。

少子高齢化に伴い地方創生を目指す動きが強まっている今もなお、東京に出て来る人が多いのはなぜなのでしょうか。30年間地元の関西に住んでいた生粋の関西人が東京の魅力に焦点を置いて解説します。

東京の魅力その1 お出かけの場が多彩

雑誌やブログ、SNSやテレビを観ていると、地方にはないお出かけスポットがたくさん紹介されています。浅草には浅草寺やスカイツリー、秋葉原に行けばアニメやアイドル関連の店、渋谷ならスクランブル交差点や猫カフェ、代々木は神宮球場や国立競技場、というような話題をよく聞きますね。

中でも最近特に人気なのがレストランやスイーツといったグルメのお店です。飴細工やパンケーキ、肉寿司やチーズダッカルビのように、ただおいしいだけでなく見た目も斬新な新感覚の食べ物が身近に楽しめる点は東京ならではなのです。

地方や郊外に住んでいると、このような場所に行くには車での移動や、電車での長距離移動のための時間やお金の余裕が必要になります。しかし、東京に住んでいれば交通網が発達しているため、住んでいるところからほんの少しの電車賃と時間で行けてしまうのです。このように、「多種多様な目的」で「色々な場所」へ行きたいときに「自由に出かけられる」ことに魅力を感じて東京に出てくる若者が多いのです。

東京の魅力その2 有名人からのインスピレーションが強い

東京には、テレビ番組を撮影するためのスタジオやテレビ局が多くあります。こうした番組への出演を仕事とする有名人を観覧できる機会が大手のテレビ局が多い東京に溢れています。それだけでなく、当の出演者たちも東京に多く住んでおりプライベートでの目撃情報も都内で頻繁に聞かれています。「芸能人やモデルさんに会えるかも」と胸を膨らませて東京に出る若者もいるようです。

また、有名人の中には地方出身者で上京したことを明かす読者モデルやプロのモデルさんもいて、番組の出演時と地元に住んでいた幼少期の写真を見比べられるように編集されている番組も少なくありません。それを見て「東京へ行くと垢抜ける」「私も変われる」といった東京への希望や憧れを胸に抱くようになるのです。

東京の魅力その3 勉強や仕事のための場

東京で周りを見渡せば、スーツを着た人、おしゃれな服装の学生、高層ビルに大きく掲げられた企業のシンボル、どこか趣のあるキャンパスなどが多くあります。 

東京には多くの有名な大学や企業の本社が集中しています。2016年度の文部科学省調べによると、都内の大学数は137校で全国のおよそ18%を占め、他の全ての県の倍以上です。また1部上場企業数も、全国3615社中1777社あり、国内企業のおよそ半数を誇っています。(2016 上場企業サーチ.com 調べ)

多くの企業や大学が近くにあれば、必然的に人、モノ、金のやり取りが盛んになりますね。そんな東京とあって支払われる時給も平均で958円で日本一。(平成29年度:厚生労働省まとめ)とことん学べて稼げる環境で全国の学生や会社員は「東京で一花咲かせたい」と意気込むのです。

まとめ

このように、東京はただの日本の首都だけでなく、いろいろな分野で中心であるがゆえに東京を憧れる人が多いのも頷けます。30年間関西に住んでいた筆者自身も、「選択肢がたくさんある」「成功したい」という思いから東京に憧れを持っていた一人でした。これから2020年の東京オリンピックを控えているため、東京への一極集中は今後も止まることを知らないようです。