オリンピック参加とともに英語向上も図れる!?東京オリンピックで高まる「学生の通訳ボランティア需要」

これからますます高まる英語の需要、大学生も英語力の向上とともに東京オリンピックに関われる最大のチャンス!?

近年、訪日観光客が増えています。
街中では英語をはじめ様々な言語が飛び交っているのを感じることが出来ます。
その背景には勿論、日本の伝統文化を見るためなどの理由もありますが、外国人が今注目しているのは東京オリンピックです。

日本では昭和39年(1964年)に一度開催されており、次の2020年大会で東京は二回目となります。
さらに東京オリンピックの他にも2019年にはラグビーワールドカップが開催され、東京オリンピックが開催される翌年2021年にはワールド・マスターズ(中高年齢者のための世界規模の国際総合競技大会)が関西で開催されます。
2017年現在では招致活動の真っ最中ですが、もし招致が成功すると大阪で万国博覧会が2025年に開催される予定です。

このように、日本はこれから数多くの国際イベントを控えています。
その効果で外国人観光客はこれからもっと増えることが予測されています。

そのため通訳、とりわけ大学生のボランティアに対する需要が上がってきており、全国の外国語大学は通訳ボランティアを育成するセミナーを積極的に開催しています。

大学生である筆者は、2017年9月に千葉の神田外語大学で開催された通訳ボランティア育成セミナーに参加し、人材バンクに登録しました。そこで学んだことなども踏まえてお伝えします。

注:通訳ボランティア育成セミナー
全国外大連合が主催する大学生向けのオリンピック通訳ボランティアを育成するセミナー。
独自の人材バンクを保有し、オリンピックにとどまらず国際イベントで通訳ボランティアを
必要とする場合はその人材バンクからボランティアが派遣される仕組みとなっている。
2018年には平昌オリンピックに当人材バンクから通訳ボランティアが派遣される予定だ。
参加料は10,000円で各大学で選考があるが、関西外大の場合は助成金が支給された。
筆者が参加したのは2017年9月に行われた第五回通訳ボランティア育成セミナーである。
参加外国語大学は、関西外大、神田外大、京都外大、神戸市外大、東京外大、長崎外大、名古屋外大の7外大である。
参考:http://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/kuis_news/detail/0510_0000006250.html

東京オリンピック参画の仕方

東京オリンピックを控えた日本ですが、オリンピックへの関わり方は多岐にわたります。
選手として参加する、実際に会場へ足を運ぶ、テレビで観戦するのも当然ひとつの参加方法です。
そんな中でも通訳ボランティアは今までの大会でも大きな貢献をもたらしてきた事をご存知でしょうか。

前回のリオデジャネイロ五輪ではおおよそ5万人の通訳ボランティアが選手や観戦者の通訳を行いました。大学生も大勢参加しました。
人数から分かるように通訳は人々が意思疎通を図るために重要であること、そして求められていることがわかります。
そして自身の英語を使って話すことで、実践的な英語力を向上させる絶好の機会なのです。

オリンピックという機会を使って英語で交流しよう

通訳ボランティアは大会ボランティア都市ボランティアの二種類に分けられます。それぞれの役割を簡単に解説します。

  • 大会ボランティア

会場や選手村で活動し、大会の運営が管理する場所で観客や運営のサポート、テレビ局などメディアに対する通訳サポートを行います。
役割は多岐にわたり、代表的なものは会場の案内選手団の通訳です。
またドーピング検査や医療に関わる通訳活動もあります。

  • 都市ボランティア

空港や駅、観光地などで外国人に対する案内活動や通訳を行います。
最寄り駅から会場までの道案内も都市ボランティアが行います。

東京オリンピックでは大会ボランティアと都市ボランティアを合わせ、9万人の通訳ボランティアの需要が想定されています。
更にオリンピック開催まで現時点で約2年の期間があるので、大学生であれば英語を勉強する時間も十分あります。

通訳ボランティアとして登録を行っていなくても、オリンピック開催期間中は数多くの外国人が首都圏を中心に訪れることでしょう。学んだ英語を使い“話す”ということを実践出来る良い機会なのです。
外国人の中にはオリンピック観戦ではなく観光目的の方も大勢いるので、自分の知っている場所を案内してあげることも気兼ねなく出来ます。

このように大会と直接関わること無く英語を話す力を上げることも可能ですので、自信の無い方でも取り組みやすいのではないでしょうか。
当然、オリンピックと深く関わりたいのであればボランティアとして参加するべきです。

通訳ボランティアの役割

オリンピックに関わるボランティアには様々な役割が存在しますが、今回は通訳ボランティアに焦点を絞って説明したいと思います。

  • 選手の通訳

通訳と聞くと、野球であればヒーローインタビューの際に外国人選手と報道陣の間に立ち、双方のコミュニケーションを英語などで通訳するといった光景が有名です。
その他にも選手村で選手の手助けをすることも活動の一部です。

高度な話す技や語彙が必要ですが、オリンピックが好きであればスポーツ用語などを覚えることも苦ではないでしょう。
また大学生であればスポーツサークルのみんなで問題を出し合い覚えることも可能ですし、話すことで脳に定着しやすくなるのでオススメです。

  • 観客の案内

会場内や駅などで外国人を案内することも通訳ボランティアの活動の一部です。
こちらは誰かの間に立ち通訳を行うわけではありませんが、語学ボランティアとして必要不可欠な役割です。

  • 医療現場での通訳

選手はスポーツをするので当然ながら怪我をすることもあります。
その際に医者と選手との間に立ち通訳を行います。

医療用語は特に難しいので経験者でないと難しい内容ではありますが、大学生のうちであれば時間もありますし医療現場に携われる可能性も十分あります。

これらのボランティアに共通して言えることは、どの役割でも“話す”ということが必須なのです。
現在、大学生の方は学校で読み書きを基本に学んできたかと思います。しかしこれからは話す聞く能力が重要とされているようです。

実際に英語を話すことでコミュニケーションを行えることが英語を学ぶ一番の楽しさであり、英語の読み書き、翻訳をするだけではいけないという考えに変わってきているのです。
大学生の方は「話す」ことを重点的に学習していくと、オリンピック開催時に外国人と楽しく交流することが出来るでしょう。
またオリンピック効果で外国人観光客は増え続けているので、少し足を伸ばせば英語を実践出来る場所はいくらでもあります。

最後に

2020年から2025年は国際大会のゴールデンイヤーと言われています。
東京オリンピックに始まりワールド・マスターズ、そして万国博覧会などに向けて、訪日外国人は現在から2025年にかけて急上昇する試算が出ています。

自分の英語を実践する絶好のチャンスです。
また英語が苦手という方もオリンピックを機会に、少し挑戦してみるのも良いかもしれません。
大学生という時間がある期間だからこそ、こういった経験を積むことも大切ではないでしょうか。