今回のインタビューは新卒採用を変えたい!という熱い想いをお持ちの生田さん。新卒から採用に関わる仕事に就き、さらにエグゼクティブ、ミドル、新卒とあらゆる領域を経験。起業をするきっかけは新卒採用のミスマッチを体感したからとか。そんな生田さんの学生に対するメッセージとは?
目次
小説家を目指していた学生時代
実は私、元々小説家になろうと思っていました。中学・高校で作文を書きますよね?嫌いな人もいるかと思いますが、私は自分が思っていることを文章で表現することが好きだったんです。大学時代も縦社会が嫌いだったので、小説とバンドに明け暮れていました。その他には人とコミュニケーションすることが好きだったので、高校と大学合わせて、7年間飲食店で働きましたね。
いつしか自分で実際に小説を書き始め、それと同時に小説家として、成功することを夢に見ていましたが、現実問題難しいということが分かり、就職活動の時期も重なり、まずは就職しようと思いました。ただ、小説家になるという野望を持ちながらではありますが(笑)
就活は「やりたいこと×人」を軸にして行い、小説家と近いところで大手の出版社を受け、いくつか内定をもらいましたが、結局入社したのは面接の際の人事との相性も良かったこともあり、採用広告を専門に扱うベンチャー企業でした。
私の時代、周りは皆大手という感じでしたが、元々小説家やフリーランスとして働こうと思っていたので、大手でなくとも全く恐れはなかったです。また昔は今ほど親が就活に口を出さなかったので、自分の道を行けたということもありますね。
人材畑でのキャリア
―生田さんはずっと人材で働かれていたとお聞きしましたが、それぞれの企業では一体どのようなことをされていたんでしょうか?
新卒で入社した会社はベンチャーということもあり、想定していた通り、仕事は夜遅くまでしましたね。私はライター、制作進行の管理、デザイナーやクリエイターの採用をする人事などあらゆる業務を行っていました。
結局5年間その会社にいたのですが、4年目の時に次の就職先の創業者となる方との出会いがあったんです。その方と意気投合したこともあり、ITベンチャーの創業期にジョインしました。主にその会社ではエグゼクティブ領域の紹介をしており、私自身も紹介が今後来ると思っていましたから、そういう部分でも一致していたと思います。
そこでは最初ウェブディレクションのライティングをしていましたが、すぐに人事となり、約4年間で200人ほどをダイレクトリクルーティングで採用し、順調に会社も大きくなっていきました。
新卒採用の危機感
―なぜその順風満帆の最中、転職しようと考えたのですか?
自社の採用は問題なく、行っていたのですが、周りの企業からの採用が上手くいっていないという声をよく耳にしたんです。その時に自分はそこで介在価値を出したいと思ったわけです。自分にとって、介在価値を感じるかどうかは非常に大事なことで、エグゼクティブの採用に関していえば、彼らはコネも能力もあるので、正直彼ら自身で仕事を探せると思います。
それよりも、新卒採用において「3年以内に辞めるミスマッチが30年間続いている」ということに対して、非常に問題視するようになりました。これは新卒市場に問題があって、どうにかしないといけないという使命感を感じたんです。若者の育成をしないと日本が終わると。またその時点で、働いていたITベンチャーの企業では紹介は既に行っていませんでした。私自身、実際に会って、直接コンサルティングをしたいと思っていましたから、その会社辞めることを決めました。
―それからどうされるのでしょうか?
主にミドルや新卒の方に対しての人材サービスを行っている企業に入りました。3年で辞めてしまう人がより多いことを実感し、その後たまたま「入社3年後のミスマッチをなくす」をミッションに掲げている前の企業リアライブと出会うことになるんです。
そこでは新卒の人材紹介を行うわけなんですが、新卒採用の非常にマズイ状況に直接触れることで、「ココは介在価値がMAXだ」と思いました。どのようにしてミスマッチが起こらないようにするのか、変えないといけないところは沢山あったんです。それから、私は新卒の紹介の新規事業を立ち上げることになり、ジョブトライアウトという学生が複数の企業と一度に会えるイベントを開催しました。
自力でうまくいかない学生を助けたい
―その後、いよいよ起業されるわけですね。
よく皆さんから「起業するのですか」とか聞かれるのですが、起業をしようとは全く思っていなかったんです。リアライブを離れた理由は、ジョブトライアウトに合計20000人の学生に参加してもらったのですが、その参加者の方って我々が何かしなくても自分で出来る方が大半だと思ったんです。上位校の大学生ではなく、圧倒的多数であるその他の「自力ではうまくいかない学生を助けたい」と自分は強く思い、そしてそこにこそ自分の介在価値があると。
実際、ミスマッチを引き起こすのは彼らであり、極端に言えば、「パリピ」と呼ばれる学生にも興味をもってもらえるようなものを作ることが自分のすべきことだと思っていました。気軽に社会を知ってもらうきっかけを作る、その為には学生を巻き込んでいくことが大切だったんです。企業の中には学生団体を“利用して”いるところもあるようですが、私は対等だと、むしろ学生団体に協力して頂けるというスタンスだと思うんです。
学生と企業のマインドチェンジ
またミスマッチをなくすには入社前に見極めることが学生も企業も大事だと思っています。企業側のベストは4月から戦力として、結果をバンバン出してもらうことです。それをミスマッチで辞めてしまったりすると、その為に他の人を補充しなければならず、採用コストがそちらの方がかかってしまいます。そうではなく、事前にインターンシップをしてもらうのです。現状でしている企業はありますが、まだまだ浸透はしていないと思っています。学生と企業、どちらに対してもマインドチェンジが必要であると強く感じます。
企業に対しては特に必要だと思っていて、大きい企業だとミスマッチがあることを前提として大量採用を行っています。学生からすれば新卒の一社目という非常に強い想いを持って来ており、真剣に考えている学生にとっては失礼にあたります。だからこそ、企業は真摯に学生と向き合う必要があると私は思います。
企業の考え方を変える、そして新卒の学生に選択肢を与えたい。この2つを変える為に私は独立しました。
目標は学生全員と繋がること。それも大学生だけでなく、理想は高校生も含めて、計600万人の人に対して、きっかけを与えたいと思っています。ウェブでの情報発信とリアルを融合させ、それを叶えていきたいです。
学生ありきの考え方
―マネタイズとやりたいことのバランスが難しいと思うのですが、どのようにされていますか?
学生にお金を貰おうとは思っていないので、お金は企業からしか頂けません。だからこそ多くの我々と同じようなサービスをしている企業はお金を出してくれる企業寄りになってしまいます。それではミスマッチが起こってしまう。
学生寄りになり、学生の満足度を上げることが最優先であると私は思っています。だからこそ、この考えに共感してくれる企業としかお仕事はしません。私が起業する際も、私の理念を理解してくれる会社が多くあったので、踏み切れたんだと思います。
先ほどの話にも繋がりますが、学生の為にしていることが結局企業の為になるのです。学生ありきの考え方に企業は変わっていってほしいと思います。
仕事はHOBBY
私にとって、仕事とはHOBBYであると思います。つまり楽しいと思えることを仕事にしているということです。このメディアのJobby(Job+Hobby)はまさにその通りだと思います。その中で学生の皆様には、まず何が自分に向いているかを分かって頂きたいなと思っています。これが出来るのが我々の行っている“つなぐ大学”です。
憧れとなりうる人はそれぞれ違います。誰もが孫正義やスティーブ・ジョブズに憧れるわけではありません。この“つなぐ大学”では「身近なカリスマを見つけてもらう」をコンセプトに各回、様々な業種職種の方(1社限定)に来てもらい、アットホームなスタイルで、社会との接点を学生に気軽に持ってもらいます。ここで採用活動が行われるわけではなく、この場所を通じて、学生にきっかけを与えることが目的になっています。
就活とは宝探しである
さらにここで楽しそうに働いている社会人の人と出会うことで、働くということをポジティブにとらえてほしい、そんな想いも秘めながら行っています。“就活は宝探し”だと私は思っています。自分でインターンやイベントを通して、企業を探していく。だから本当に自分に合う企業が一つ見つかるまで、就活を終えるな!そして楽しめ!終わる時は笑って終えろ!ということを学生に伝えたいです。
編集後記
現在就活中で、昨今の新卒採用に関して疑問を感じている私としては、共感しっぱなしのインタビューでした。生田さんの学生に対する接し方と本当に新卒市場を変えるんだという強い想いが非常に伝わってきました。そんな株式会社つなぐさんでは現在、大学1~3年生に向けてのイベントを開催予定です。つなぐ大学と合わせて、こちらもチェックしてみて下さい。
*Summer Meetup! -「宝探し」のようにワクワクする就活-
現在、株式会社つなぐでは学生に1日も早いタイミングから社会人として働くイメージを持って、就職活動を推進していけるきっかけをもってほしいという想いから、インターンシップイベントを開催予定です。特に大学1~3年生の方、大注目です!
是非チェックしてみてください。
時間:6月17日(土)13:00~19:00
場所:渋谷道玄坂「FORUM8」7F 700ホール
金額:学生無料
詳細とお申し込みは下のQRコードから。
*このメディア「Jobby」を見て参加する方は
QRコードの紹介者名欄に「Jobby」と記載してください。
*つなぐ大学
毎週、あらゆる業種職種の方(1社限定)にお越し頂き、“身近なカリスマを見つけてもらう”をコンセプトにイベントを行っています。就活をしていない学生の方であっても、社会人に実際に会うことで、働くということをイメージして頂く良い機会になると思います。
詳細はこちらから
https://www.facebook.com/tsunagu.university/
株式会社つなぐ
https://en-gage.net/tsunagu-life