「2020年に開催する予定だった東京オリンピックは、来年ちゃんと開催されるのかな?」コロナウイルス拡大が収束していない状況で、こう考えている人もいるでしょう。新内閣はどう考えているのか、チケットの販売はどうするのかといったことも気になりますよね。
そこで今回は、2021年の東京オリンピック開催について、2020年10月現在の状況や、各機関の考えについて詳しくお伝えします。
目次
1. 東京オリンピックに関する菅内閣の意向

2020年9月に発足した菅内閣は、国連総会にて2021年の東京オリンピックをおこなう方針であると発表しました。その背景には、主にコロナ禍の状況と、経済面の2つの理由があります。
まず、目的の一つとして、世界規模のイベントの一つであるオリンピックをこの時期に行うことで、コロナウイルスに負けない姿勢を見せることがあげられます。
たしかに各国がウイルス拡大に悩まされている中で、無事にオリンピックが開催できれば人々の希望になるでしょう。「打倒コロナウイルス」という一つの目標を、あらためてグローバル規模で共有する貴重な機会にもなりますね。
また、資金の問題も、オリンピック開催を予定する理由の一つです。
まず、事前に発売されていた観戦チケット。既に購入している人も多く、仮にオリンピックが中止になった場合は、すべて払い戻しになってしまい大きな損失が出ます。
さらにオリンピックの準備資金には膨大な金額が投資されています。その予算は、合計するとなんと3兆円。もし開催が中止になったら、今までかけてきたお金が水の泡です。
そして、オリンピックをやることで、外国人観光客を呼びたいという狙いもあります。海外からくる観光客のおかげで観光産業はうるおっていましたが、コロナ禍でその恩恵を受けられなくなってしまいました。しかしオリンピックがあれば、一時的とはいえ経済回復を見込めます。
参考:菅首相、来夏五輪開催へ決意 コロナ収束を「積極主導」 国連総会で初演説 時事ドットコム
2. 東京オリンピックに関するIOCの意向

では、オリンピックを主催する団体であるIOCはどのように考えているのでしょうか。菅新総理大臣とIOCのトップであるバッハ会長は、9月末の電話会談でオリンピックを開催する方針であると確認し合っています。
そのため、基本的にはIOCも2021年夏に東京オリンピックを開催する予定だと思っていいでしょう。IOCのコーツ副会長も「ウイルスの状況に関係なくオリンピックは実施する」と2020年9月初旬に意思表明しています。
ただ、やるとしてもウイルスのワクチンがまだ出ておらず、確実に安全とはいえない状況です。IOCもその点は十分わかっており、現時点では、感染防止策の検討を進めている段階といえるでしょう。
参考:
東京五輪、「新型ウイルスに関係なく」開催 IOC副会長が表明 BBCニュース
菅首相とIOCバッハ会長 東京大会の実現に向け緊密協力を確認 NHK
3. 東京オリンピックにおけるコロナ対策
では、オリンピックを開催するとしてコロナの感染対策はどのように行うのでしょうか。大会組織委員会の武藤事務総長によると、一切無観客にはしないが、観客数を限定するかもしれないとのこと。
また、開会式は例年よりシンプルな内容にとどめて、スタッフ数や代表団の参加者を減らすなどの防止策を取ることもあげられています。
大きな課題となるのは、約200ヶ国から来る選手をどのように受け入れるかです。現在は海外から日本への渡航は原則禁止となっていますが、オリンピックをやる場合はルールを緩和しなければいけません。
2020年9月に開かれたオリンピックのコロナ対策会議が開かれました。その結果、海外からくる選手は14日間の待機期間が不要とされています。その代わり、国内にいる期間のスケジュールと、行ける範囲が決められている誓約書を提出する方針となりました。
また、参加選手はあらかじめPCR検査を受けて、陰性証明ができることが必須。そして、万が一提出した行動スケジュールや宣誓書の内容に違反した場合は、なにかしらのペナルティが課せられる予定です。
もちろんワクチンができればそれに越したことはありません。しかしワクチンを全員に投与できるかわからない以上、できる限りの対策をしておくしかないですね。
参考:政府、海外選手の14日間待機免除 五輪コロナ対策、誓約書提出 時事ドットコム
4.東京オリンピックの観戦チケット販売状況
開催状況とあわせて、チケットの販売状況も紹介します。東京オリンピックの公式チャンネルによると、現時点で売れている分は、延期になってもそのまま利用できる予定だそうです。また、1年延期したことで参加できない人は、払い戻しも可能。
追加の観戦チケットについては、コロナ禍でソーシャルディスタンスを保つ必要もあり、現在販売を見合わせ中とのことです。今後追加販売がある場合は公式サイトで情報が更新されるので、気になる人はチェックしてみてください。
参考:東京2020大会延期に伴う観戦チケットの取扱いについて 東京オリンピック公式サイト
まとめ:東京オリンピックは2021年に行われる可能性が高い
東京オリンピック開催に関する各機関の意向と、今後の状況について紹介しました。菅内閣、IOCともに2021年に東京オリンピックを行う意向は強く、経済的な面からも実施する可能性が高いでしょう。
日本でオリンピックが開かれるのは喜ばしいですが、心配なのはコロナウイルス対策です。ワクチンが出回っていないため、観客数や選手の受け入れ体制など、まだまだ課題が残っています。
2021年の開催については、今後も政府とIOC、東京都などを交えて議論されることでしょう。コロナとどう向き合いながらオリンピックを実施するのか、今後の動向に注目してみてください。