ヒッチハイクにぼんやり興味がある大学生へ
最近では長期休みを使って一人旅やヒッチハイクをする大学生も、昔と比べたら増えてきたのではないでしょうか。
大学生には十分な時間が用意されています。その時間をどう使うかは人それぞれですが、「なにか新しいことを始めたい」「今しか出来ないことをやりたい」と思っている人もなかにはいるのではないでしょうか。
今回は大学4年生だった筆者がヒッチハイクをしたリアルな実体験を語るとともに、大学時代にヒッチハイクを体験するべき理由も合わせて紹介していきます。
1冊の本との出会いから
きっかけは日本の実業家、著作家、投資家、タレントである堀江貴文さんの「ゼロ―なにもない自分に小さなイチを足していく」という本を読んだことでした。この本には、堀江さんが大学生の際にヒッチハイクを経験したことで人生が変わったと書かれていました。
この1冊との出会いから、
「僕も人生に良い変化をもたらしたい」
「自分の行動力・チャレンジ精神を身に付けたい」
そんな思いを持ち、瞬時にヒッチハイクを実行することを決断しました。
当時はもうすぐ夏休みに入るということもあったので、早速仲の良い大学の友人に連絡をしました。友人の承諾を得たその後、ヒッチハイクについての調査を行い、大学最後の夏休みに実行しました。
旅の始まり
スタート地点は、東京都世田谷区にある用賀IC(インターチェンジ)とも呼ばれる東京ICに決めました。ここはヒッチハイクの聖地と呼ばれるところであるらしく、行ってみると先輩ヒッチハイカーがいたのを覚えています。
ヒッチハイク用の持ち物は、スケッチブックとマジックペンのみ。
マジックペンで「海老名」と書いたスケッチブックを持ち、信号待ちの車にお願いしながら回りました。満面の笑みで止まっている車の運転手に「乗せてください!」と目でアピールをしました。「乗せてください。きっと僕たちを乗せたら楽しいですよ」という心意気でお願いをしました。
信号が変わるたびに10台くらいずつお願いしていたところ、15分ほどで乗せてくれました!とても感動したことを覚えています。
はじめは緊張するかもしれませんし、嫌になってしまうかもしれません。しかし諦めず根気を持ってお願いすることが大切だと感じました。乗せてもらえたらラッキーという感覚で取り組みましょう。
数日のなかの一番の壁
特に大変だったのが、本州から四国への移動です。山陽自動車道という兵庫県を起点に山口県まで通る高速道路を進み、瀬戸大橋を渡ろうと岡山県にある吉備サービスエリアで降ろしていただきました。しかし、そこではほとんどの車が本州の岡山や広島方面の車で、四国へ向かう車はほとんどありませんでした。
雨も降ってきて諦めかけたのですが、サービスエリアに入ってくるすべての車のナンバープレートをチェックして、四国行きの車がないか見て回りました。そうしてなんとか香川県在中の方に拾っていただき、四国へ渡ることが出来ました。香川県高松市に着いた時はすでに0時を回っていました。
人との出会い
上記のような大変なことも多々ありましたが、基本的に動きは順調に行きました。
4泊5日で計16台に乗せて頂き、名古屋→高松→大阪と旅することが出来ました。
車内では様々な出会いがあり、多くの人の人生を見ました。普段の生活であれば、この短期間の間にこんな出会いはなかなか出来ないでしょう。
- 伊豆へサーフィンに行くカップル
- 高級車「skyline」で京都へ出張に行く独身サラリーマン
- 九州の大学で働く化学研究者の方(山登りの帰り道にて)
- 三重県にお住まいの愉快なおばちゃんたち
- 大阪のノリの激しいお姉ちゃんたち
- 過去に少年院に入った経験を持つが、今は愛する家族のために工事現場で一生懸命働く方
- 一度目の前を通り過ぎたが、戻ってきて乗せてくれた二人組のお姉さん方
- 離婚して嫁と子供に出ていかれ、現在一人暮らしをしている闇を抱えたおじさん
- 買いたての新車「skyline」でドライブ中だった方
- 甲子園に行くつもりが雨で中止になってしまい、四国へ帰る途中だったカップル
- ある屏風屋の三代目。京都で屏風を納品し、東京に帰る途中だった方
「次はどんな人が乗せてくれるのだろう」
「明日はどこにいるんだろう」
「今日ってもしかして野宿?」
そんな期待や不安がこの旅をより一層刺激的に、ワクワクさせてくれる旅にしてくれました。
普段の旅であれば予め計画を立てて準備をしっかりと行う方も多いでしょう。
しかしヒッチハイクは未知の旅であり、その日誰に会いどこまで進めるのかなどの検討もつきません。
だからこそ今までに実感したことがなかった楽しさを感じられるのではないでしょうか。
乗せていただいた方々には本当に感謝してます。この度は筆者にとって日本列島における「人情」を感じた旅でした。
このヒッチハイクが原体験
ヒッチハイクを体験して一番の学びは「実際に行動してみることの大切さ」でした。
ヒッチハイクをする2年ほど前に、中学時代の友人がヒッチハイクをしていました。その際は「こんなの俺には絶対無理だ」と思っていました。筆者はそこまで初対面の人と話すことが得意なわけではなかったので尚更でした。
けれども堀江貴文さんの本を読んだことで思いのほかあっさりと決断でき、楽しくヒッチハイクをすることが出来ました。
知らず知らずのうちに自分の可能性を狭めてしまっている人もいるのではないでしょうか。筆者は「自分が思っている以上に、自分には可能性があるんじゃないか」と考えられるようになり、様々なことへチャレンジ出来るようになりました。例えば、昔の自分であったら絶対に出来ないだろうと思っていたプログラミングの勉強を現在続けられています。
最後に
現在同行した友人とは「社会人になったらヒッチハイカーを乗せる旅をしよう」という話をしています。
このような経験で人々の優しさや思いやりに触れたからこそ、今度はこれから挑むヒッチハイカーに対して恩返しをしたいと思うようになりました。頼まれたら気持ちよく乗せてあげられる気前の良い大人になりたいと筆者は思っています。
ヒッチハイクを体験することは、新しいことに挑戦するなど将来の自身の可能性を広げられるきっかけづくりになるのではないでしょうか。
「挑戦するまでの一歩を踏み出すことは難しいかもしれないが、行動に移ってしまえば難くない」です。
きっかけは何でもいいと思います。筆者のように本を読んで、友人に誘われて…
またこの記事を読んで何かの小さなきっかけになれば幸いです。
少しでも興味がある方、大学生のうちにチャレンジしておくことをお勧めします!