次世代の海外旅行は超音速で!アメリカまでたったの3時間で行ける超音速飛行機についてまとめてみた

飛行機で短時間!国内旅行気分で海外へ

長時間の飛行機での長旅、辛いと思ったことがある方は多いはず。そこでこれから技術が進み、もっと短時間で移動できないかなぁと思ったことはありませんか?

よく海外旅行に行く人仕事などで海外出張が多い人は、一度は考えたことがあるでしょう。また長時間の飛行機を嫌い、海外旅行をためらう人もいるのではないでしょうか。

「もっと気軽に海外に行けたらいいな」「国内旅行の気分ですぐに到着すればいいのに」と思っている人、実は近年それを可能にするかもしれない飛行機の開発が着々と進んでいたのです。しかも「超音速」で飛ぶらしい。

今回、その音速の速さで空を飛ぶ超音速飛行機について紹介します。

超音速飛行機とは? 

超音速飛行機の歴史

飛行機がライト兄弟によって世界で初めて成功したと言われているのは1903年。その後何百人もの乗客を運ぶことも可能となった旅客機の飛行速度は、実は開発から60年間ほとんど変化がありませんでした。

そして初めて新しく進化を遂げたのが、超音速飛行機と呼ばれる飛行機です。そもそも音速とは時速1225kmの速さだと言われており、単位は「マッハ」になります。その音速とされるマッハ1を更に超える速度が、「超音速」または「スーパーソニック」と言われているのです。

音速よりも速く飛ぶそんな飛行機存在するの?と多くの人が驚かれるであろう中、実は超音速飛行機の始まりは1963年に遡ります。世界最初の超音速飛行機、その名も「コンコルド」は、イギリスとフランスの共同開発により誕生し、唯一の超音速民間飛行機となりました。しかしそれが当時さほど普及しなかったのには理由があります。

超音速飛行機の問題点

世界最初で唯一となった超音速民間飛行機コンゴルドの利用価格は普通の旅客機の3.5倍とかなり高く、当時はまだ一般旅行客が手頃な価格で利用できるほどの技術は進んでいませんでした。そのため利用客も少なく、飛行機を導入したい航空会社からの需要も増えませんでした。

またコンゴルドは、大量燃料消費などによる環境汚染や、物体が音速を超えた際に空気が圧縮されて起こる衝撃波の地上への影響が大きな問題となりました。その危険を避けるため超音速での航路が制限され、需要は更に減り、2003年より完全廃止。しかし、近年技術の向上により、また注目され始めた新しい超音速飛行機があります。その名も超音速旅客機XB-1です。

最新の「静音」超音速旅客機について

静音超音速旅客機XB-1とは

アメリカの航空ベンチャーBoom Technology社によって発表されている最新の超音速旅客機です。Boom 社は2016年11月には、超音速旅客機の試作機である本来の3分の1スケールのXB-1超音速デモ機を公開しました。SpaceXやBoeingなどの出身者も集い、NASAが先導して開発するこの超音速旅客機は、航空宇宙技術の進歩を基に開発を進めています。

安全性や信頼性既に実証済みのこれまでの技術を利用しているため、安全で手頃な価格での超音速旅客機としての普及実現への期待が高まります。機内は通路の両側に1席ずつ並んでいるため乗客は全員が通路へ直接渡ることができ、頭上の荷物入れも乗客に1人ずつ用意されます。

実際の速さ、料金は?

気になるその飛行速度は、現在のジェット機の2.6にもなるようです。ニューヨーク⇄ロンドン間の日帰りも可能となるフルスケールの最新旅客機は2020年に初飛行を目指しているようです。日本からであれば通常7時間ほどかかるハワイまで約2時間半から3時間で行けることになり、したいかどうかは別として、ハワイやヨーロッパ各国への日帰りまでも可能になります。

超音速飛行機の搭乗料金は現在の通常旅客機のビジネスクラスやファーストクラス並みになるとされており、忙しい海外出張での利用には最適です。旅行で利用したい学生にはまだ手が届かないかもしれませんが、今後数年に渡る普及により料金もよりお手頃になっていくことに期待です。

日本での超音速飛行機開発

音速飛行機の開発研究が行われているのは海外だけではありません。アメリカのBoom社が先端を切って発表した静音超音速旅客機XB-1のように、コンコルドから次世代機の技術開発はアメリカやヨーロッパで積極的に進められている中、日本でも現在進行中のプロジェクトがあります。

それがJAXAにより推進されている「低ソニックブーム設計概念実証」(D-SEND)プロジェクトです。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2002年から2005年にかけてNEXST-1(小型超音速実験機)飛行実験により、空気抵抗を下げて燃費を良くする技術を実証しています。

2011年からはこのD-SENDプロジェクトにより、環境適合性の問題解決のためソニックブーム(衝撃派)をコンコルドの1/4以下に抑えることを目標とし、ソニックブームが小さくなる機体設計技術のコンセプトを実証しようとしています。世界各地の機関から新しい音速飛行機の開発発表が期待される2020年代後半あたりに国内では初となり得る超音速飛行機が就航できるよう計画を進めているようです。

終わりに

このような飛行機の開発がここまで間近にきていたとは知らなかった人も多いのではないでしょうか?これまで海外への飛行機の長時間利用が多かった人たちにとっては、夢のような時代が近づいているようにも思えます。

私たちの知らない間に世界がより近くなる時代へ技術開発は着々と進んでいるのです。今後もどんどん成長していくより便利な交通機関の最新技術に期待大です。

参考:
https://response.jp/article/2016/11/18/285585.html

http://www.jaxa.jp/