有意義な時間を過ごしたいひとへ!九州での復興ボランティア体験記

復興 ボランティア

K(20代・男)の九州北部豪雨ボランティア体験記

大学生の中には、遊んでばかりで堕落した大学生活を送っていて、何か物足りなさを感じている方も多いと思います。今回は、そういった何か行動を起こしたいという方にぜひ読んでいただきたい体験をご紹介します。それは、筆者(以下、私)が8月20日に、九州北部豪雨で大きな被害を受けた朝倉市の復興ボランティアに参加した体験です。

被災地の様子

復興 ボランティア

参加した団体のマイクロバスで九州自動車道を移動。目的地に近づくにつれ、見える景色は緑少なく、土色目立つ町に変わっていきました。高速道路を降りて杷木ICの料金所をくぐると、道路の両脇には土砂が積み上げられていました。私は被災地での活動に向けて気を引き締め直しました。

ボランティアセンターがある朝倉市杷木に到着。係員の指示した活動場所へ向かうバスに乗り込みます。道中、被害を受けた家屋が多く見受けられ、被害規模はボランティアセンター付近の住宅以上でした。傾いてしまった家や、窓や壁が崩れてしまった家など、ひと目で「ここに住むことは難しい」とわかる住宅がほとんどでした。そのほかにも土砂崩れで山肌がごっそりとあらわになっている山や、木々が流れ込んだ川など、自然への被害も実感しました。

私たちが向かった場所は杷木の中でも特に被害の大きかった松末という地域で、豪雨の発生直後は道路が冠水して一時孤立したエリアなのです。途中、土砂やがれきなどで道をふさがれて通れなくなり、私たちはバスを降りて歩いて現地まで向かいました。

活動拠点に到着

私たちが活動したところは、自宅が併設されている建設会社でした。朝の10時前に到着すると、すでに会社の従業員やほかの団体のボランティアが作業を進めていました。住宅の中をのぞくと、室内にはひざくらいの高さまで土砂(泥)が積み上がっていました。

主な作業は住宅の中に入った土砂をスコップや一輪車を使って外に掻き出すことでした。玄関先や駐車場に出した泥は従業員の方が重機で敷地の外に積み上げていきます。すでに敷地の向かいには大量の土砂の山ができあがっていました。

強い日差しとの戦い

復興 ボランティア

作業を開始したのが午前10時過ぎ。私はスコップを持ち、室内から玄関先に掻き出した泥を重機(ブルドーザー)に積み込む作業をしていました。当日の気温は30度以上。雲も少ないカンカン照りの中で泥の積み込みをするため、体力の消耗は予想以上に激しいものでした。

事前の説明で「夏の時期なので10〜15分おきに休憩を入れてください」と言われていました。若さゆえにピンときていない部分がありましたが、作業開始から10分くらいするとその意味がすぐに理解できました。

最大の失態

直射日光にさらされながら約1時間半、こまめに休憩も入れながら作業をしていました。途中で帽子がうっとうしくなり、タオルを頭に巻いているだけの状態で泥の掻き出しを続けていました。すると、私の体に異変が。「頭がボーッとする」。軽い熱中症状態になってしまったのです。

見通しの甘さからこんな事態を招いてしまい、すごく情けないと思いながら、私は少し長めの休憩をいただきました。当たり前のことですが、夏に外で作業をするときは必ず帽子をかぶりましょう。

十分な水分をとり、日陰の場所で休んだおかげで、昼前には作業に復帰することができました。今度は日差しのない室内での作業。ひたすら土砂を一輪車で外に移動させました。

さいごに

私たちは時間の許す限り部屋の泥を外に出しました。その結果、作業をした3部屋(居間、リビング、台所)の積み上がっていた泥のほとんどを運び出すことができ、床や畳が見えるまでになったのです。

「これは無事だった」「これは使えそうだから持っていこう」など、家財を探す住民の声を聞くと、「まだまだ復興までの道のりは長いけど、少しでもお役に立てたことがありがたい」と感じました。「体が動く」「時間がある」この2つの条件だけでも誰かのための力になれるのだと実感できたことは、私自身にとって貴重な気づきとなりました。みなさんも、若くて時間のある大学生のうちに、ボランティアなどを通じて人の役に立てば、有意義な時間を過ごすことができるはずです。

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