大学でよく聞くリベラルアーツって?大学生のうちに身に付けておくべき教養とは。

リベラルアーツってよく聞くけど……

みなさんは大学でよく「リベラルアーツ(liberal arts)」という単語を頻繁に耳にしませんか?言葉としてはよく聞くもののリベラルアーツについてきちんと理解しきれていない人も多いと思います。リベラルアーツを直訳すると「(人が)自由に生きるための学問」。つまり、「私たちが現代で自由に生きていくために必要な、幅広い学問」と解釈できます。

では、現在大学で使われている「リベラルアーツ」とは何なのでしょうか。それは幅広い基礎学問です。皆さんの大学の中で「パンキョー」と呼ばれる講義群があると思います。それらは一般的に、私たちの専攻以外の幅広い学問にも触れ、知識を増やすことを目的としている科目群なのです。

結局、リベラルアーツって?教養って?

リベラルアーツをwikipediaで調べると、以下のように出てきます。

最近では、(中略)大学で誰もが身に付けるべき基礎教養的科目だと見なした一定の科目群に与えられた名称

このように、wikipediaでは基礎的「教養」科目という表現が出てきました。しかし、一般的な教養とリベラルアーツはイコールではでありません。日本の大学で使われるリベラルアーツは、先ほども述べたように幅広い基礎学問を指すことが多いです。では、本来の教養とは何なのでしょうか?

皆さんは教養人と聞くと、どの様な人を想像するでしょうか。「文学や絵画などに詳しい人」というイメージを持つかもしれません。しかしそれはただの博学であって、教養のある人とは言えないのではないでしょうか。では、本当の教養人はどんな人なのか。文部科学省は、教養について下記のように供述しています。

教養とは、個人が社会とかかわり、経験を積み、体系的な知識や知恵を獲得する過程で身に付ける、ものの見方、考え方、価値観の総体ということができる。

文部科学省|第2章 新しい時代に求められる教養とは何か(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/1343927.htm

つまり、教養とは自分の考えを支える軸ということです。教養と大学でよく使われるリベラルアーツの関係は、「リベラルアーツを通して得ることができる、思考の軸こそ教養」と言えるでしょう。

自由に生きたい!

ではなぜ、様々な学問に触れることが私たちを自由にするのでしょうか。日経BPnetの中に、以下のような記載がありました。

「自由でない」というのは「不自由」という意味ではなく「奴隷的」を意味する。奴隷とは主人の命令に従って、自分の判断を交えることなく言われたとおりに実行する。

(出典)麻生川静男|本物の知性を磨く 社会人のリベラルアーツ 

自由でないこととは、上からの指示で動くだけの状態だと述べていますね。つまり自由であることとは、自分の意志で動く人だということです。しかし、自分の意志で動くにはまず、どのような選択肢があるのかを知っている必要があります。その力を身につけるには、リベラルアーツが役に立つのです。その理由について、2つご紹介します。

自分の興味再発見

様々な学問に触れることで、「自分案外この分野好きかも!」と自分も知らなかった自分の興味分野を知ることができます。その発見があなたの選択肢の幅を広げるのです。

筆者は小さい頃からずっと文系人生を歩み、今も外国語学部に属しています。しかし、(楽単と噂だった)AIについての講義を受けて以来、非常に興味を持つようになりました。今では、外国語を使いAI関連の仕事に就くことも選択肢の一つになっています。このように、思わぬところで自分の興味の幅を広げてくれる可能性を秘めているのです。

柔軟性を身につけることができる

様々な学問に触れることで、多角的な視点を身につけることができます。例えば一つの政策を見たときに、政治的・経済的・倫理的な面などから、様々な角度から一つのものを見ることができます。ここで、一つの物事にも様々な見方があるんだ、ということが学べますよね。その考え方が、私たちの生きるグローバル社会には求められるのです。グローバル社会では国境や宗教を超えた、様々な人々と関わります。その上で、私たちの常識は非常識になってしまったり、逆もしかり。そんな時そういう考え方もあるんだな、と柔軟な考え方をすることで衝突が避けられます。もちろん、衝突がお互いの理解をもたらす場合もありますが、必要以上の衝突は亀裂を生んでしまいます。

そのような柔軟性を身につけることで、私たちが海外で働いたり、海外の方々と関わる仕事を選択肢に入れることができます。

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リベラルアーツを通して、私たちは自由に生きる力を身につけることができるのです。しかし授業を受けるだけでは完結せず、そのあとに個々人が自分なりの解釈を加えることが求められるのです。せっかくの大学で色んなことを学べる機会。今回の記事で述べたことを意識し、様々な分野に挑戦してみてはいかがでしょうか?

<参考>

文部科学省|第2章 新しい時代に求められる教養とは何か

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/1343927.htm

 

wikipedia|リベラル・アーツhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%84

nikkei BPnet|なぜ「リベラルアーツ」は「教養」より大事なのか?――隷属しない精神を養うための3冊http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/284362/112400011/?P=1