定期試験や資格取得の際に使える!ケアレスミスの仕組みを理解し、なくす方法!

ケアレスミスをなくすには?

皆さんはケアレスミスに悩んだ経験はありませんか?どうすればケアレスミスが無くせるのか、と思いこの記事を読みだしている人も多いでしょう。今回この記事では、筆者が大学で学んだヒューマン・エラー、人間工学の知識を元にケアレスミスはなぜ起きるのか、どうすれば減らすことができるのかについてご紹介させていただきます。

ケアレスミスを完全になくすことはできない

ケアレスミスへの対応を検討する上で、必ず念頭に置かなければいけない大前提があります。それは「ケアレスミスを完全になくすことはできない」ということです。人間は必ずなんらかのミスを起こします。ケアレスミスが絶対に起きない環境というのは、人間が一切関わらない状況でしかあり得ません。「ケアレスミスを無くせないなら意味ないじゃないか。」そう思う人もいるかもしれません。しかし、無くすことはできなくても減らすことはできます。ケアレスミスの対策を考えるうえで大事となる3つの柱が。それは

・可能な限りミスを誘発する要因を減らす
・ミスが発生した際、素早く検知する
・検知した際、被害を素早い対応をとる

このようにケアレスミスの対策は、ミスが発生するのを前提に考えることになります。

ケアレスミスは重大なミスに繋がる!?

先ほど述べたようにケアレスミスは誰にでも起こることで、完全になくすことはできません。しかし、私たちはケアレスミスを減らす努力をしなくてはならないのです。その理由の一つに、ケアレスミスは重大なミスを誘発する、ということがあげられます。

皆さんは、ハインリッヒの法則というものをご存知でしょうか?一つの重大な事故の背景には29の軽微な事故があり、さらにその背景には300の「ヒヤリ・ハット(ミスした訳ではないが、ひやりとしたり、はっとしたりすること。)」が存在するという法則です。これは、ハーバード・ウィリアム・ハインリッヒが1929年に初めて発表し以後、労働災害における経験則の1つとして非常に有名です。

これについて身近な例を取ると、試験に不合格になってしまうという「事故」が発生したとします。その時、問題文を読み間違える、書き忘れるなどの29件の「軽微な事故」が発生しており、同時に読み違えそうになる、書き忘れそうになるといった300件の「ヒヤリ・ハット」が存在していることになります。試験に不合格になってしまったことのある人は、その時の状況を思い返してみてください。今述べたような経験が実はありませんでしたか?

このように多くの人がケアレスミスに悩む理由はそれが重大なミスにつながってしまうからです。逆に言えばケアレスミスさえ減らせば重大なミスを減らすことができるということです。

ケアレスミスのなくし方

それでは、具体的にどうすればケアレスミスをなくすことができるのか説明します。今回は筆者おススメの方法を2つお伝えします。

1つ目はプロセスを順を追って検討していく方法です。そこには以下の3つのプロセスが存在します。

・入力プロセス(情報を自分の中に取り組むプロセスのこと)
・内部プロセス(取り組んだ情報を判断するプロセスのこと)
・出力プロセス(判断に基づいて行動を決定するプロセスのこと)

ここでも試験を例にします。入力プロセスとは、問題文を読む作業。内部プロセスとは、問題文の意味を理解する作業、出力プロセスとは、答えを答案に書く作業になります。この場合、各プロセスでどういったケアレスミスが発生するのでしょうか。入力プロセスでは問題文の読み間違。内部プロセスでは文意の読み違え。出力プロセスでは書き間違えなどが起こることが考えられます。1つの行動を各プロセスに分けてることで、どんなミスが起こるのかを分析し、ケアレスミスの発生を減らす。そしてどのタイミングで確認を行うべきか、どうやってミスに対処すればいいか、を検討できます。

2つ目は行動形成因子(PSF)を検討していく方法です。
どういう方法かというと、1つのものに対し善玉PSFと悪玉PSFを思いつく限り挙げてみて、善玉PSFを増やし悪玉PSFを減らす努力を行うことでケアレスミスを減らす方法です。これではよくわからないと思うので、順を追って説明していきます。
行動形成因子(PSF)というのは、人間がある行動結果を形成する因子のことです。たとえば、歩いて転びそうになったとします。その時因子としては、暗いから・道が悪いからなどが考えられますよね。これが行動形成因子です。さらに行動形成因子は、
善玉PSF:いい影響を与える因子
悪玉PSF:悪い影響を与える因子
の2つに分けることができます。何か1つのものが起こったら、まずPSFを列挙します。そしてその時の善玉PSFを増やし、悪玉PSFを減らす作業に移ります。では先ほどの例を考えてみましょう。悪玉PSFは暗い、道が悪いになります。なので、できるだけ歩きやすい靴を履く、今日は転びやすそうだと認識するなど善玉PSFを増やすと、転ぶというミスを減らせます。

このように、1つのものから善玉と悪玉のPSFを挙げて、それを改善することでケアレスミスは減らせます。

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いかがだったでしょうか?ケアレスミスを無くすにはそれぞれの場合において分析する必要があります。しかし、この記事で述べた2つの方法で検討していけば必ずケアレスミスを減らすことができます。そうすることで減れば重大なミスを減らすこともできます。

ミスに悩まされる生活から脱却するためにもぜひこの記事を生かしてください。

<参考文献> ヒューマンファクターズ概論 慶應義塾大学出版社 岡田有策
     ヒューマンエラーの原因と対策  http://www.business-sol.jp/article/15198643.html