民宿じゃなくて民泊って何?あなたも日本でホームステイのホストになれる!

あなたも宿主になれるかも?

数年前から安い宿探しができるとしてホテルやホステル代わりにも利用されているAirbnb。海外旅行ではよく使うけど、国内旅行ではあまり使わないなと思った方も多いのではないでしょうか?実はこのAirbnbを使った“民泊”のシステム、民宿とは違い、近年まで日本ではまだあまり普及されていませんでした。民泊とは一体民宿とどう違うのか、またAirbnbを用いた民宿の利用について、わかりやすく解説したいと思います。

民宿と民泊の違い

   

「民宿」とは一般の民家がホテルやゲストハウスなどの旅館業と同じ営業許可を得て営む宿泊施設のことです。旅館業を行うには簡易宿所許可という営業許可を得る必要があります。ホテル、民宿、どちらもこの簡易宿所許可が必要であり、民宿は一般の民家が経営を行なっている、というところが一般ホテルとの違いです。

一方で「民泊」とは、元々は一般の民家が利益を生むことを目的とせず、都会や遠くから農家などを尋ねにくる旅人を家にお泊まりさせる、おもてなしの善意に基づき始まったものです。そのため特に必要な許可などはありませんでした。

しかし数年前から出現しだしたAirbnbのようなサービスの普及により、個人宅や賃貸マンションなどの一室を外国人観光客に貸し出し利益を生む新しいビジネスモデルが生まれ、現在ではこれが新しい民泊の定義とされるようになりました。

つまり現在の民泊とは、個人宅の一部や空き別荘、マンションの空室などを宿泊に貸し出すこととなります。そしてこの利益を生む民泊は民泊許可(外国人滞在施設経営事業特定認定)を必要とし、現在、国から国家戦略特区と指定された自治体として東京都大田区と大阪府大阪市、福岡県北九州市の3地域のみで営業が可能とされています。

日本全国で解禁、新しい民泊の形

これまで上記のように一部の自治体のみで許可されていた民泊ですが、実は早ければ2018年1月より、ついに全国で解禁される予定なのです。またこれより全国で解禁される民泊はこれまでの特区民泊(外国人滞在施設経営事業特定認定)とは異なり、2017年6月9日に新しく成立された、新法民泊(住宅宿泊事業法)となります。

つまり簡易宿所許可を要するホテルなどと違い、民泊の建物は“住宅”となり、住宅専用地域などホテルや旅館が営業することのできない地域でも、都道府県知事に届出をすることで誰でも営業が可能となるのです。また新法民泊の大きな特徴として180日という年間営業日数の上限が設定されています。

そのため、あくまでも民泊は空いた部屋を客がいれば貸し出すだけの副業として活用するのに適したものであって、本業として多くの利益を出すことは難しいと言えます。また、民泊新法には「家主居住型民泊」「家主不在型民泊」の2種類があります。

  • 家主居住型民泊(ホームステイ型)

家主が宿泊者と一緒に滞在しながら住宅の一部を貸し出すものです。要件としては、住民票がある個人の生活の本拠であること、年間提供日数、必要設備(浴室、便所など)が一定の要件を満たし、貸し出し日に住宅提供者も宿泊して居ることなどが挙げられます。

  • 家主不在型民泊(ホスト不在型)

家主は宿泊施設には泊まらず、民泊施設管理者が施設を管理します。個人の生活の本拠でない、または本拠であっても当日住宅提供者が泊まっていないこと、提供する住宅に管理者が存在すること、そして家主居住型民泊と同様、日数や設備などの一定の条件満たすことが要件となります。

オリンピックに向けた宿政策

現在日本は訪日外国人観光客を増やす政策を始め、これは2020年の東京オリンピックとも大きく関係しています。しかしそこで直面しているのが日本のホテル不足問題。この問題を緩和するために、日本政府はまず特区民泊の導入により民泊の規制緩和という方法で宿泊施設不足を補う政策を立てました。

しかしそれでも問題は解消されず、新たに新法民泊を導入し規制を撤廃する動きになりました。しかし、私たち市民は民泊営業の自由を与えられたものの、大きな壁となるのが日本の保守的文化です。“内”と“外”を上手く区切る日本の文化で、よその人を自分の家庭で受け入れる、というのは、お金をもらえたとしてもあまり興味の沸くことではありません。

そのためホームステイに関しては多くの人が自分はやりたくない、とマイナスな意見も持っています。一方で、国際交流を好む若者にとっては、お金をもらいながらたくさんの外国人観光客と交流ができる最高のシステムでもあります。

終わりに

新しく定義された民泊について、民宿との違い、必要な許可や届け出についてなんとなく理解できたでしょうか?もともとはホテル不足を解消するために導入されたものの、お金をもらいながらホームステイという形で国際交流ができるこのシステムは、現代の若者にとってはかなり有益なチャンスでもあります。

実家に空き部屋がある人、自分のマンションの一部屋をこれからでも空けれる人など、ぜひホテル不足の貢献とともに自分の楽しみとしても活用してみてください!

参考:
https://minpaku.yokozeki.net/

WEBサイト:https://www.airbnb.jp/