暗記が苦手なあなたに!英単語を語源から覚えるメリットと勉強法を徹底解説

なぜ英単語が覚えられないのか

ある英単語を見てもその意味がわからないということは、その英単語のスペルと意味が結びつかないということです。ですから、スペルと意味を結びつけるような手がかりがあれば英単語は覚えられます。その手がかりとして、とても有効なのが語源です。ということで今回は、英単語を語源から覚えるメリットと勉強法を徹底解説していきます!

英単語を語源から覚えるメリット

まず、覚えづらい単語を覚えることができます。また、知らない単語の意味を推測する力がつきます。さらに、語尾を見ただけで品詞の分類がしやすくなり、文法ミスを減らすこともできます。もっと言えば、ちょっとしたうんちくとしてドヤ顔で話すことができます。「この単語、実はこの単語と語源が同じなんだよ」なんて説明すればめちゃくちゃ頭が良さそうに見えます。

ただし、語源から覚える方法は全ての単語に対して有効とは限りません。例えば、ある単語の語源を調べたとき、「ラテン語の●●という単語から派生」と出てきた場合、「まずそのラテン語の●●を知らねぇよ」となるので意味がありません。そういうときは、音読や画像検索で覚えましょう。音読についてはこちらの記事、画像検索についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

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「語源から覚える」の基本のやり方

まず、英単語を語源の観点から3種類に分けて説明します。「要素型」「物語型」「派生型」の3種です。

要素型

接頭辞・語根・接尾辞などの要素に分解しましょう。ただし、全ての単語に必ずしも3つの要素があるとは限りません。3つより少なかったり、多かったりします。この型にあてはまる単語はとても多く、語源による単語学習といばこの要素型を指すことが多いです。

例:unanimous(満場一致の)

un(一つの)anim(心、魂)ous [形容詞をつくる接尾辞]

“un” が接頭語、”anim” が語根、”ous” が接尾辞です。接尾辞にはこのようにその単語の品詞を決定するものが多いです。un はフランス語の uno(1、1つ)から、anim は animal(動物)から、ous は famous(有名な)などの形容詞から、それぞれ連想して覚えられるかと思います。それぞれの要素の訳をつなげると「心が一つの」となります。これだと不自然な日本語ですので、「心が一つの → 満場一致の」と意訳しましょう。もう少し例を見てみましょう。

例:prospect(見込み、予想)

pro(前方)+ spect(見る)

前方を見る→(時間的に)先が見える→見込み

      (時間的に)先を見てみる→予想

このように複数の訳があっても、要素の解釈を少し変えれば納得して訳せますね。

しかし、必ずしも全ての要素を的確に解釈して訳す必要はありません。あくまで、英単語のスペルを見たときの手がかりにできれば十分です。例えば、次のような場合です。

例:pedestrian(歩行者)

pedestr(歩いて行く)+ ian(人)

これが完璧な解釈ですが、この場合だとpedestr(歩いて行く)がそもそも覚えづらいですよね。ianはvesitarian(ベジタリアン)のianと同じでなじみ深くわかりやすいのですが…。ですので、こう解釈してしまいましょう。

ped(足)+ estr(?)+ ian(人)

ped(足)はpedal(ペダル)で連想して覚えましょう。すると、pedestrianが何かの文章中に出てきても、足に関する人→歩行者と連想して思い出せますよね。estrがなんだかわからなくても、歩行者という意味にたどり着ければいいのです。あくまで、楽に覚えるのが目的なのですから。

もちろん、接頭辞・語根・接尾辞を暗記しなければ始まりませんが、これらを100個覚えることは英単語を100個覚えるよりずっと楽で、面白いです。これらを覚える方法については、次以降の章に譲りましょう。

物語型

ある出来事からその意味で使われるようになった場合です。物語型の単語はそう多くはないのですが、とても印象に残りやすいので確実に覚えられます。その上、うんちくとしてドヤ顔で語りやすいです。

例:spinster(独身の婦人)

spinは「糸をつむぐ」という意味です。ではなぜspinsterが独身の婦人を意味するのか。その理由には以下のような事情がありました。

往時一般に未婚女性は家庭にあって糸つむぎをしているものであったので、十七世紀以降、今期を過ぎてもまだ結婚していない女性をかく呼ぶようになった。 (語源中心英単語辞典より引用)

派生型

これはすでに説明した「ラテン語の●●という単語から派生」のパターンです。その言語が既習でない限り覚える手がかりにならないので、音読・画像検索などの別の方法で覚えましょう

例:utensil(器具)

語源は、ラテン語の utensilis(役に立つもの)です。だからどうした、という感じですよね。覚える単語が一つ増えちゃうじゃん!ということで、別の方法で覚えましょう。

勉強法① 辞書を引いたら必ず語源を確認!

問題集や洋書を読んでいてわからない単語が出てきたら、意味を調べてノートやメモ帳に書き残される方が多いと思います。どうせならその際、ジーニアス英和大辞典など、語源の説明がついた辞書を使って調べて、意味と一緒に語源もメモしちゃいましょうWeblio英和和英辞典も単語ページのかなり下の方に語源が書かれているのでぜひ使ってみてください。

勉強法② スマホアプリ「英単語の秘密」で覚えよう

このアプリは、語根を中心とした英単語アプリです。逆に言えば、接頭辞・接尾辞からの検索はできないので注意です。つまり、”pro” で始まる単語をリストアップすることはできませんが、”spec” を含む単語の一覧を見ることはできます。音声のついていない単語もあるので注意です。

私事ですが、このアプリで音声を聞いていたおかげで “indict” の発音を正しく覚えられたのは良い思い出です。また、単語を覚えられているかを試せる4種類のテストゲームもついているのでぜひ活用してください!特に、「空白記入」はTOEICのpart5の問題形式と同じですので、TOEICを受けられる方にとっては実践的でおすすめです。

ちなみにこちらのアプリ、無料版と有料版(400円)があるのですが、私は有料版をおすすめしています。例文も音声もついている時点で、書店に売っている単語帳になんの見劣りもしません。それに加え、紙媒体では実現しない、問題を何度でもランダムに出してくれる4種類のテストゲームがついているわけですから、紙の参考書より高性能です。それが、たったの400円で手に入るのですから、買わない理由はありませんよね。

勉強法③ 「システム英単語 premium」で覚えよう

こちらは大学受験参考書として有名な、駿台文庫の「システム英単語」のプレミアム版です。こちらは、接頭語・語根・接尾辞のそれぞれの要素でまとめた章に分かれています。ですので、”pro”で始まる語を調べるのにも、”spec”を含む語を調べるのにも使えて便利です。物語型を中心とした興味深いコラムも充実している良著です。紙媒体の英単語帳の使いこなし方についてはこちらの記事で紹介しているので参考にしてみてください。

勉強法④ 「語源中心英単語辞典」で覚えよう

こちらは少々値は張りますが、辞典というだけあってかなりの数の単語が収録されています。また、物語型の単語もごく一部ですが載っています。(上述のspinsterの説明も、この本からの引用です。)繰り返しになりますが、シス単premiumより勝っている点は、とにかく単語数です。時間のある方はこれを使ってじっくり学習してみてください。ただし、例文・音声がついていないので注意です。

あとがき

いかがでしたか。物事をその背景から知ろうとする姿勢は、英単語に限らず有用なものです。例えば、漢字を覚えるときに「へん」や「つくり」といった部首を手がかりにするときの姿勢などはまさにそれです。

あるいは、芸術作品の作られた年代を覚えるときに、その時代の出来事や思想的な背景を手がかりにするときも同じだと言えます。一問一答で覚えた知識などすぐに忘れてしまうのが人間です。一方で、上辺だけの知識に満足しない知的好奇心は、われわれに簡単に忘れることのない確かな知識を授けてくれるのです。

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